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 「この会議って本当に必要なの?」「会議が多くて仕事が進まないよ…」など、会議に対してモヤモヤしたものを感じる方は多いはず。この非効率的な状況を改善するには、会議を活性化させて、本当に必要なコミュニケーションを効率よく実践する必要があります。

 この連載では、「コミュニケーションの最適化を実現するための手法」としての「ファシリテーション」を「会議運営」にテーマを絞って、はじめての人にもわかりやすく解説していきます。


あなたの周りに「悪い会議」はありませんか?

 「毎日会議だらけ…おかげで仕事が全然進まないよ」というのは私が以前関わったことのあるクライアントの方が述べた言葉です。皆さんの周りには、このようなシチュエーションに陥っている人はいないでしょうか。

 これはかなり悪い状況です。会議とは仕事を円滑に進めるために行う行為であり、その根本的な目的は、あくまでも効率的に仕事を進めるために調整を行うことです。しかし、前述の状況では、『会議を開くこと=仕事の効率性を損なうこと』、という図式にすり替わっており、まさに本末転倒という状況に陥っています。

 これは現場の人間だけの問題ではありません。もっと上の立場、事業成績や経営に責任を持つ人間にとっても由々しき問題です。

 例えばこんな話を考えてみましょう。

 あるプロジェクトでは多様な領域を扱うために、チームを5チームに分けていました。しかし、それだけでは領域の内容を十分に把握することができないため、各チーム内でもさらにサブ領域ごとに担当者を分けています。

プロジェクトリーダー、チームリーダー、担当者の3層構造

 このプロジェクトでは、毎週金曜にクライアントへの報告として「週次全体会議」を開催しているため、前日までに内部で全体の情報を取りまとめなければなりません。そのため、プロジェクトリーダーは、木曜に「内部進捗会議」を開き、チームリーダーから情報を収集してから、その後、2時間かけて進捗資料を作ります。

 しかし、どのチームリーダーもチームメンバーの進捗状況をチェックしないと報告ができないため、前日の水曜に「チーム進捗確認会」を設けていました。この会議の後、彼らは翌日の会議資料を2時間かけて作成します。

 もちろん、チームメンバーも進捗確認会で議論するための資料を作る必要があり、会議前に4時間費やして資料を作成しています。

会議スケジュールの流れ

 この例では、このプロジェクトでは週次進捗のためだけに、1週間に3回も会議を開催しています。仮に、各会議の開催時間と参加者を次のように定義してみましょう。

会議名時間チーム数参加者人数
週次全体会議2h1チームクライアントリーダー1名
クライアント担当者3名
プロジェクトリーダー1名
チームリーダー5名
内部進捗会議2h1チームプロジェクトリーダー1名
チームリーダー5名
チーム進捗確認会1h5チームチームリーダー1名
チームメンバー3名

 これらに要する会議の総工数を計算してみましょう。いずれの会議も1時間で終わると仮定して、のべ作業時間を算出すると次のようになります。

会議名人数時間チーム数小計
週次全体会議10名2h1チーム20人時間
内部進捗会議6名2h1チーム12人時間
チーム進捗確認会4人1h5チーム20人時間
 合計52人時間

 さらに、資料作成工数を加えると、

会議名人数時間チーム数小計
週次全体会議向け1人2h1チーム2時間
内部進捗会議向け1人2h5チーム10人時間
チーム進捗確認会向け3人4h5チーム60人時間
 合計72人時間

 会議工数と資料作成工数を合わせると、1週間で 52 + 72 = 144人時間の工数が生じていることが分かると思います。これを一ヶ月単位(4週)に換算すると次の通り。

144人時間 × 4週 = 576人時間/月

 つまり、進捗会議を開催し続けるために、このプロジェクトでは576人時間の工数を毎月費やしているということになるのです。一人月=160人時間(8時間×20日)と考えると、4人がフル稼働してなんとか賄えるというくらいの規模です。


プロフィール
吉澤 準特ヨシザワ ジュントク

外資系コンサルティングファーム勤務。ビジネスからシステムまで幅広くコンサルティングを行う。専門分野はシステム運用改善をはじめとするインフラ領域だが、クライアントとの折衝経験も多く、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。まぐまぐにてメールマガジン「IT業界の裏話」を発行中。著書に「最新会議運営の基本と実践がよ~くわかる本―ファシリテーションのテクニック満載!」(秀和システム)がある。ITIL Manager有資格者。




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