SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZineニュース

コンテナの導入は構築やテスト/検証から本番運用への移行で足止めされている状況――IDCがユーザー調査

Kubernetesがコンテナオーケストレーションツールのデファクトスタンダードを確立

参考資料:Dockerコンテナの導入状況に関するユーザー調査結果・調査年別(作成:IDC Japan)

 コンテナの導入状況について調査した結果、本番環境で使用している企業は9.2%となり、2018年調査からの上昇率は1.3ポイントにとどまった。さらに導入構築/テスト/検証段階にある企業は16.7%となり、これも2018年調査からわずかな上昇となった。

 この結果から、Dockerコンテナは導入構築やテスト/検証に時間を要し、本番運用になかなか移れていない状況にあると考えられる。また、使用を計画、検討している企業と情報収集や調査を行っている企業の割合が2018年調査からやや低下している。

 この傾向は、導入意向のある企業とそうでない企業がはっきりしてきており、具体的な導入に向けた検討や調査の段階に移ってきていると考えられる。

 コンテナを本番環境で使用している企業と導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象に、Dockerコンテナ環境で使用しているコンテナオーケストレーションツールについて調査した結果、45.5%の企業がKubernetesを使用していることがわかった。

 その次に多く使用されているのがベンダーディストリビューションであるRed Hat OpenShift Container Platformで19.8%となった。Red Hat OpenShiftではコンテナオーケストレーションツールとしてKubernetesが採用されているため、Kubernetesがコンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードになっていることがわかる。

インフラの使用効率向上と開発者の生産性向上が主要な導入促進要因

 コンテナが導入している環境について調査した結果、オンプレミスが45.5%、IaaS(Infrastructure as a Service)が31.4%、PaaS(Platform as a Service)/CaaS(Container as a Service)が23.1%となった。IaaSとPaaS/CaaSを合わせると54.5%となり、クラウドサービス上に導入している割合が半数を超える結果になった。

 コンテナの導入促進要因について調査した結果、「インフラの使用効率向上とコスト削減」が34.7%で最も高い回答率となった。コンテナは仮想マシンに比べて軽量で集約率が高く、CPUやメモリなどのインフラリソースの使用効率が向上し、コスト削減にもつながる。

 2番目に回答率が高かったのは「開発者の生産性の向上」で30.6%となった。アプリケーションの開発者が容易に開発環境やテスト環境を用意することができたり、開発環境の差異をなくすことができるなど、コンテナは開発者にとって大きなメリットがある。

 3番目以降は、「アプリケーションの信頼性/可用性の向上(28.1%)」「アプリケーション運用の効率向上とコスト削減(28.1%)」「アプリケーション開発/リリーススピードの向上(27.3%)」が続き、アプリケーションに関する効果がコンテナの導入を促進する主な要因になっている。

 IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーである入谷光浩氏は、「コンテナはアプリケーション開発の生産性やアプリケーション能力を大きく向上させる技術であり、クラウドネイティブアプリケーションには必須である。しかし、現在の国内市場において、コンテナはまだキャズムを超えられていない。一方で、CaaSのようなコンテナとKubernetesの導入が容易なコンテナ向けクラウドサービスや、ベンダーとSIerのコンテナ導入支援サービスが充実してきており、導入に苦労している企業やPoCで止まっている企業にとって強い味方になるであろう。来年までにはキャズムを超え、コンテナの本格的な普及期に入っていくであろう」と述べている。

 今回の発表は、IDCが発行した「2019年 国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場 ユーザー動向調査」にその詳細が報告されている。レポートは、アンケート調査結果をもとに、国内ユーザー企業におけるクラウドインフラストラクチャのニーズ動向について集計/分析したもの。

 DockerコンテナとOpenStackの導入状況、仮想サーバー環境のオンプレミスからクラウドへの移行状況などについて分析を行っている。また、「2019年 国内コンテナソリューション市場動向」では、ソフトウェアベンダーとクラウドサービスプロバイダーのコンテナソリューションの動向を分析している。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/12226 2019/07/04 16:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング