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SaaS/サブスクリプションビジネス最前線

SaaS企業が成長を果たす上でぶつかる「組織の壁」──SmartHRとオクトが語る

「ALL STAR SAAS CONFERENCE TOKYO 2019」レポート #04


 スタートアップでは、創業から100人までの社員がどんな構成かがその後のビジネス成長に大きな影響を及ぼす。11月7日に開催された「ALL STAR SAAS CONFERENCE TOKYO 2019」では、ベンチャーキャピタルALL STAR SAAS FUNDを率いる前田ヒロ氏の投資先であり、急成長中のB2B SaaS企業2社のトップが登壇し、組織をどのように整備してきたかを語り合った。この記事では、パネルディスカッション「SaaS企業の急成長を支える最初の100人」の模様を紹介する。

<p>株式会社オクト 代表取締役 稲田武夫氏/株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田昇始氏/モデレーター:ALL STAR SAAS FUND Managing Partner 前田ヒロ氏</p>

株式会社オクト 代表取締役 稲田武夫氏/株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田昇始氏/モデレーター:ALL STAR SAAS FUND Managing Partner 前田ヒロ氏

 

10人の時代──「やり直せるなら人事(採用)を雇う」

前田:SmartHRは人事部門向けに労務管理のツールを提供するホリゾンタルSaaSの会社、オクトは建設業界向けに建設施工現場向けのプロジェクト管理ツール「ANDPAD」を提供するバーティカルSaaSの会社という違いがあります。創業メンバーの自分たちを含め、最初の10人はそれぞれどんな基準で選びましたか。

宮田:プロダクト開発ではエンジニア、お客様からの申込みの対応では営業と、その時々で足りない機能の人たちを採用してきました。最初の10〜15人に入社した人たちはいわゆるリファラル採用で来た人たちです。皆、僕の昔からの知人で、仕事の実力や価値観が合うことをよく知っていました。

稲田:僕たちもリファラル採用で、アルバイトの2人を含めて最初の10人は誰も退職していません。今もその10人はオクトを支える存在です。

<p>図1:創業間もない社員10人時代 出典:SmartHR/オクト</p>

図1:創業間もない社員10人時代 出典:SmartHR/オクト

前田:社長としてはどう動いていましたか。

宮田:10人の頃はプロダクト側の人数は揃っていたので、営業の一人と僕がビジネス側を担当していました。僕の場合、元々はWebディレクターだったので、本当はプロダクトのほうが得意なのですが、任せられるメンバーが早期にそろったこともあり、プロダクト側は早くからお任せしたという事情があります。

稲田:一人だけ「プロダクト」にいるのは僕です。営業は別にいたのですが、平日は僕も営業で出かけていたので、毎週土曜日に会議を開いてお客様からの要望を整理し、翌週に何を開発するかを決める日々でした。当時は週末にだけ来るエンジニアもいて、毎週土曜日が一番賑やかだったぐらいです。宮田さんのところとは違って、最初に権限委譲をしたのはコーポレート機能ですね。

前田:当時に戻って、採用の順番を変えられるとしたらどうしますか。

宮田:人事(採用)を早めに採用します。3人ぐらいのチームでプロダクトのベータを出す。お客様からフィードバックをもらって、最初の10社を獲得したら、次は組織の拡大です。専任の採用担当がいないと、貴重なメンバーの時間が大幅に奪われてしまう。日程調整や能動的に候補者にアプローチできる人がもっと早くからいたら今とは違っていたと思います。

稲田:それは僕も同感です。オクトの場合、全国のお客様の声を聞くため、経営チームは地方に営業に出ていて東京にいませんでした。どうしても面接の時間が偏ってしまいましたし、専任の人事がいたらかなり採用プロセスを進められたと思います。

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25人時代──ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの違いが現れ始めた

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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