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加藤恭子のエンタープライズIT業界の歩き方

コロナ禍の隙間時間こそ、ビジネスSNSを使いこなそう(前編)

連載第1回


 IT関連のメディア記者を経験し、エンタープライズIT系のベンダーを経て、PR会社ビーコミ社長としてB2B系の企業広報を手掛ける加藤恭子が、これまでのキャリアや人間関係を通じてのエンタープライズIT業界の転職や起業についての話題を紹介する連載の第1回。今回はコロナ禍の中での今後のキャリアを考える人のための「LinkedIn」などの経歴データベースの使い方について。

通勤レスで浮いた時間こそ将来の備えを

 テレワークが増え、自宅で仕事をすることも増えているのではないでしょうか? 私の周りで聞くのは、通勤時間がなくなったという声です。今回はその捻出できた1-2時間を生かして、座ったままで出来て、エンタープライズIT業界にキャッチアップし、将来に備える方法をお伝えしたいと思います。

 申し遅れましたが、私は、20年以上に渡り、IT業界に生息し続けているものです。クライアントサーバが主流だった時代に、外資系のRDBMS(Relational Database Management System)の国内販売総代理店での仕事をへて、エンタープライズIT向け月刊誌、Webメディアでのニュース記者を経験、その後のERPやCRMベンダーでのマーケティング/PRマネージャーの経験を活かし、現在は企業の外から広報やマーコム(マーケティングコミュニケーション)、リードジェネレーションのコンサルティングやアドバイス、実務支援を行うことで、引き続き業界に関わり続けています。技術職ではないので、その企業の持っているプロダクトがどうやったら認知され、担いでもらったら売れるのか、そこにフォーカスして活動をしています。

 今回の第一回では、外出できない、でも元々通勤時間だった空いた時間を有効に使いたい。そんな中でどのようにエンタープライズIT業界にキャッチアップし、将来に備えるか、がテーマです。コロナ禍の後で世の中のビジネスがどう変わるかはわかりません。エンタープライズIT業界に身を置く人の中には、チャンスと捉える人もいれば、不透明な今後の中で会社員としての不安を感じる人もいると思います。これから紹介することは、ご自身の身を守り、さらに現在勤務している会社にも利益をもたらす方法だと思います。

ビジネスSNSとしてのLinkedInを見直そう

 コロナ禍の後に備えて、今やれることは何でしょう? それはズバリ、ビジネスSNSを使いこなすことです。なかでもオススメは色々な人の経歴、企業活動が集まっている経歴データベースの活用です。検索したり、自分の経歴も検索に引っかかるようにしておけば、様々な問い合わせも増加します。そのデータベースの名前はズバリ「LinkedIn」です。

 ご存知の方も多いと思いますが、LinkedIn(リンクトイン)は世界で6億7,000万人(公称)が登録しているビジネスSNSです。私は当時北米のCRMベンダーで働いていた方に勧められ、2004年頃から利用を始めました。国内での登録者は200万人以上と言われています。日本人、日本企業は先にFacebookをビジネスSNSとして利用し始めてしまい、それがある程度浸透してしまいました。ただ一昨年くらいから巻き返しを図っており、日本の事情もわかり人前で講演のできるエバンジェリスト、コミュニティマネージャー(ファンの組織を拡充する人)などを採用し、日本での展開を強化していて活気が出てきています。

 また、Facebookはプライベートで使っているのでビジネスとは分けたい、仕事関係の人と繋がりたくないというニーズも出てきており、それを考えるとLinkedInはビジネス利用サービスとして国内でも更に伸びそうです。他にも経歴データベースとしては、国内のみに限るのであれば、Eight(Sansanの出している主に個人向けの名刺登録クラウド、無料でも利用可能)や、Wantedlyなども利用価値があると思います。

案件づくり、スキル管理、転職ツールとしてのオススメ理由

 私がLinkedInを単なるSNSとしてではなく、自分を登録しておくデータベースとして利用をオススメしたい理由は以下です。

  • 自社(自分が所属している会社)のビジネスに本来なら接点の持てなかったレベルの案件が飛び込んでくる

  • 関わらない方が良い、危ない案件や人をある程度避ける事が可能になる

  • 自分の経歴、スキルを一元管理でき、客観的に見つめられる

  • 転職したい時、転職せざるを得ないとき、転職先が決まりやすくなる。ここにしか出ていない転職先を探せる(人材紹介会社を使わない採用が増えています)

 以下は実際に私が体験した内容です。

1:案件の問い合わせ、受注の増加

 外資系企業のPR業務代行、マーコム支援に関する案件が数多く入ってきます。過去にここから問い合わせがあって受注したケースも多くあります。直接クライアントからくる事もありますし、PRエージェンシーを見つける代行業者みたいなところからくる事もあります。
「経験や人とのつながりを見て、うちの業界に詳しいことがわかった。LinkedInでの過去の経験や顧客からの推薦文が決め手になった」と言われたことも何度もあります。相手は会ったことがない人、接点のない人へ仕事を発注して騙されたりしたらどうしようと思っています。そんな場合でも安心感を与えます。

2:対応の簡略化

 毎回、経歴を送ってくれ、推薦文をもらってくれ、などと言われると手間になります。でも、情報がきちんと入っていれば「LinkedInをみてください」という事ができます。

3:危険な人を避けられる

 クライアント探しでも、転職でも、採用でも、相手(担当者、未来の上司、採用予定の求職者)の経歴を調査し、備えることが可能になります。見るポイントは以下です。

  • 推薦文がどのくらいついているか
    • o 推薦文がない、異常に少ない、今まで転職する中で元同僚や上司、取引先に好感触を持たれていないか、実績をあげていない可能性があります。
       
  • 誰とつながっているのか
    • o 共通の知り合いがいれば評判を聞くことができます。また、打ち合わせの時のアイスブレイクに「私もXXさんと一緒に働いてました!」などという事ができます。共通項があると話しやすくなります。
       
  • 元々この業界にいたのか
    • 同じ業界であれば業界用語が通じます。提案する相手であれば、打ち合わせや提示する資料に業界用語を使えます。「この業界をわかっている」事がアピールできます。
       
  • 過去に日本でのコミュニケーション戦略をマネージした経験があるか
    • 経験があれば、その地域の特殊性などを理解している可能性があります。実際に一緒にビジネスをすることになった場合に、日本では有効ではない方法(強引なテレアポ、英語の資料をそのまま使う)をごり押しされる可能性が少ないです。
       
  • ごく短期間で転職していないか
    • 何かトラブルを起こしている人の可能性があります。またうまく成績が出せずに短期間で解雇された人の可能性があります。

以上の項目でネガティブ要素が多い場合、案件であれば、打ち合わせに進まない、見積もりを出さないで辞退する、転職先の上司であれば、オファーを辞退する、求職者であれば、採用しないという選択が取れます。

 次に、友人、知人が体験した例です。本人が特定できないよう、一部設定を変えています。要は「年齢、学歴に左右されず、買い叩かれないで適切な転職先が見つかる」です。

  • 学歴を気にしない企業との出会い:Aさん。病気になって高校を中退していることで転職時に学歴がネックになってしまう。無名な外資系IT企業で働いていたがLinkedInの経歴を見たと連絡があり、とても著名な大手エンタープライズIT系企業への転職が決まった。マネージャーとして年に複数回の海外出張をこなしている。

  • 50歳を過ぎての転職:Bさん。50代半ばで転職を余儀なくされた。登録した人材紹介会社からは「今までの半分の給料で、中小企業での職を探すしかない、大企業はもう無理」と言われたがLinkedIn経由で大手外資系エンタープライズIT企業への採用が決まり、入社してからもう1年以上経過している。

  • 社長への抜擢:Cさん。30代。LinkedInに丁寧に経歴をアップデートしていたところ、日本に進出するエンタープライズIT企業の社長にならないかと声がかかり、採用された。

 このように、ほぼ良いことばかりが期待できるLinkedInですが、その使いこなしには少しコツがあります。失敗すると友人に何度も英語のメールが送られてしまった、国際ロマンス詐欺に引っかかってしまった、などということもありえますので、よくわからないままにメッセージに返信したり、ボタンを押したりしないようにしてください。

 次回は後編として推薦文のもらい方、自分の棚卸しの方法、無料と有料の違い、検索の方法、気をつける事などをご紹介します。

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この記事の著者

加藤 恭子(カトウ キョウコ)

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。 現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。日本PR協会認定PRプランナー

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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