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IT as a businessを実現するTBM入門ガイド

TBMを用いてITの価値提供を改善する際に必須な、ユーザー部門との4種類の会話(2/2)


 本連載は今回が最終回となりますが、まずこれまで説明してきたTBM(Technology Business Management)について改めて振り返ります。前回記事ではRun-the-Businessの領域にフォーカスした2種類の会話に触れましたが、本記事ではChange-the-Businessの領域についての課題と、残りの2種類の会話にあたるイノベーションとアジリティについて紹介します。

 前回記事:TBMを用いてITの価値提供を改善する際に必須な、ユーザー部門との4種類の会話(1/2)

TBMを改めて振り返る

 TBMのメソドロジーは5つの構成要素としてTBMフレームワーク、TBMタクソノミー、TBMモデル、TBMメトリクス、TBMシステムがあります。

 TBMフレームワークはIT部門マネジメントに向けたフレームワークとなりますが、IT部門の2つの役割、行なうべき4つの規律、採用すべき4つの指標が定義されています。5つの構成要素とTBMフレームワークの関係性をよりわかりやすく説明しましょう。

 まずIT部門が一番はじめに行なうべきことは、4つの規律のうちのCreating Transparency(可視化)になります。可視化についてよくある問題は「可視化した後に何をすれば良いかがわからない」という問題です。

 TBMフレームワークでの可視化の特徴は、IT部門が行なうべき残りの規律である、Plan and Govern(IT予算と統制)、Deliver Value for Money(コスト低減とコスト妥当性の説明)、Shape Business Demand(ユーザー部門との関係性改善)のアクションのために最適化された、可視化モデルであるという点です。この可視化を標準化したモデルをTBMタクソノミーという形で定義しています。

 TBMタクソノミーを構築するためには、ITコストに関わる財務会計データ、プロジェクトのデータ、インフラストラクチャーのデータ、アプリケーションのデータ、ユーザー部門の利用状況のデータを取り入れ、「分類と配賦」を行ない、TBMモデルを構築します。この「分類と配賦」のロジックをTBMモデルと定義をしております。

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 TBMモデルを構築した後に指標を用いながらアクションをとり、IT部門としてRun-the-Business(既存システム運用)の削減とChange-the-Business(新規システム開発)の最適化を行ないます。この時に採用すべき指標をTBMメトリクスと定義しております。

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 ここまで、TBMのメソドロジー全体について改めておさらいをしました。

 前回では、Run-the-Businessの削減を行なうためにCost for Performanceによる管理とポートフォリオ管理について紹介しましたが、ここから今回の主題であるChange-the-Businessについて紹介します。

次のページ
Change-the-Business~イノベーションの切り口

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この記事の著者

成塚 歩(ナリヅカ アユム)

Apptio株式会社 代表取締役社長1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、日本総合研究所に入社。システムエンジニア、大手法人向け営業を経て、2008年に日本マイクロソフトに転職。以後12年間にわたり、エンタープライズ向けにビジネスを展開。直近ではSmat Storeのイニシアティブを立ち上げ、日本の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

東本 成紀(ヒガシモト ナルキ)

Apptio株式会社 エンゲージメント マネジャー早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社(Big4)に入社。ERP導入プロジェクトに従事。その後、外資系コンサルティング会社、SaaSベンダーにて、グローバルプロジェクト支援を中心に、ERP導入(ロールイン・ロールアウト)、DXプロジェクトなどに...

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