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電子カルテシステムにオブジェクトデータベースが選ばれる理由

世の中には、さまざまなデータベース製品がある。OracleやSQL Server、DB2といった商用製品、MySQLやPostgreSQLといったオープンソース製品。これらはリレーショナルデータベースであり、たんに「データベース」と表現する際はリレーショナルデータベースを指すことも多い。

電子カルテシステムではオブジェクトデータベースが選ばれている

 世の中には、さまざまなデータベース製品がある。OracleやSQL Server、DB2といった商用製品、MySQLやPostgreSQLといったオープンソース製品。これらはリレーショナルデータベースであり、たんに「データベース」と表現する際はリレーショナルデータベースを指すことも多い。

 そして、クラウド時代、ビッグデータ時代になり、にわかに注目を集め始めたのが「NoSQL」と呼ばれるデータベースだ。NoSQLは当初、「SQLインターフェイスが不要なデータベース」という意味合いを持っていたが、それではイメージがネガティブすぎるので「Not Only SQL」と解釈すべきとの方向性も示されている。

 このNoSQLの代表は、ビッグデータで一気に主役の座を勝ち取ったApache Hadoopだろう。他にもApache CassandraやAmazon SimpleDBなどのカラムストア型、最近注目のMongoDBやApache CouchDBといったドキュメントストア型、Amazon DynamoDBやBerkeley DBなどキーバリュー型データベースに分類できるものなどさまざまだ。さらに、グラフデータベース、オブジェクトデータベースなどもあり、XMLデータベースや多次元データベースにまで範囲を広げれば、種類はさらに増えるだろう。また、NoSQLに分類されるが、SQLインターフェイスを持つものも多数ある。逆にリレーショナルデータベースでもSQL以外のアクセス手法を持つものもあるので、リレーショナルかNoSQLかを単純に分類するのは難しい。

 いまから10年くらい前は、まさにリレーショナルデータベース全盛時代。リレーショナルデータベースの機能がどんどん拡張され、たとえば空間位置情報やXML形式のデータ、各種マルチメディアデータを格納できたり、リレーショナルデータベースの中にオブジェクトデータベースの機能を取り込んだりといった拡張が、盛んに行われた。これらは、リレーショナルデータベースの最大公約数化とも言え、当時はこの方向性こそが未来のデータベースのあるべき姿。世の中の大部分のデータが、リレーショナルデータベースに格納されるようになるのではとも思われていた。

 実際は、この最大公約数化はそれほどうまくいかなかった。あらゆる要件を満たそうとするため、リレーショナルデータベースは巨大化、いや肥大化し複雑化してしまったのだ。さらに、機能としては実現できても、それらが必ずしも使いやすいものではなく、専用なものに比べて十分な性能も発揮できないことがままあった。

 結果、ニッチな存在だと考えられていたリレーショナル以外のデータベース製品が、思っていた以上に活躍しているのが現状だろう。たとえば、電子カルテシステムの領域で数多く活用されているオブジェクトデータベースも、そんなデータベースの1つだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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