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インフラや運用に固執していては何も始まらない――DX実現に向けてIT部門がやるべきことは?


運用モデルの変革でIT管理者は何をすべきか

 デジタルトランスフォーメーションは第3のプラットフォームがベースとなるので、当然ながら実現にIT技術は欠かせない。それだけではなく運用モデルの変革も必要となる。入谷氏はITインフラチームで取り組むべきことを3つ掲げた。

  1. 既存ITインフラを第3のプラットフォームに発展させ、効率的に管理する
  2. ハイブリッドクラウド化を実現し、デジタルトランスフォーメーション基盤を作りあげる
  3. IT運用においてビジネス部門と協調し、継続的なイノベーションを促進する  

 まずは既存ITインフラを発展させることについて、トレンドを追っていこう。IDCの調査によると、2016年には仮想化を実施している企業のうち、プライベートクラウドを構築している企業が半数を超えたという結果がある。プライベートクラウド化は実現レベルに差はあれど、いま着々と進んでいる。  

 プライベートクラウド化で実現したいレベルとして入谷氏が挙げるのはITサービスを利用するセルフサービス管理ポータルを構築すること。ユーザーが管理者を介することなく、ITサービスを利用できるようにすることや、ユーザーのサービス要求に応じたITリソースのプロビジョニングが自動的に実行されるような仕組みを導入することになる。  

 実際にこうしたサービス管理の自動化を実現できているのはプライベートクラウド構築企業のうち、まだ5~9%程度に過ぎない。これからの課題となる。入谷氏は「IT部門の近未来はサービスプロバイダー」と述べ、今後取り組むこととしてITサービスマネジメントの実践、ITサービスとITリソースの相関関係の可視化、サービスリクエストプロセスの標準化と自動化、サービス利用ポリシーの設定、ユーザー体験のモニタリングと継続的な改善などを挙げた。  

 プライベートクラウドの次はSDI(Software-Defined Infrastructure)だ。ネイティブなクラウド基盤に近づけるために中身を再定義していくことになる。IDCの調査によると、SDIを「構築済み」から「SDIの概念に共感する」など、前向きに捉える企業は増えてきているという。サーバー仮想化実施企業の約半数に登る。SDIを導入した企業は導入効果として、コスト削減、自動化、敏しょう性、ベンダーロックインの排除、市場参入時間の短縮を挙げているという。

図:エンタープライズインフラの新たなアーキテクチャー  出所:IDC Japan

 では実際にSDIを実現するにはどうするか。現段階では主な実現手段としてベンダーのソフトウェア、オープンソースソフトウェア、ハイパーコンバージドシステム、クラウドサービスなどがある。なかでもハイパーコンバージドシステムは投資額が年々増加傾向にある。IDC「国内コンバージドシステム市場予測アップデート 2016年~2020年」によると、2016年は90億円、2020年には290億円に上るという予測がある。コンバージドシステムは今後ITインフラで不可欠な要素となるのは確実だろう。

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真のハイブリッドクラウドの実現に向けてIT部門は何をすべきか

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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