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「消費者との共創」をいかに実現するのか?コ・イノベーション時代のビジネスモデルを考える

第10回:イノベーションに効く翻訳書06:『コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて』 

価値創造システムを「消費者と企業が共創する」ものとして変革する

 従来のビジネスにおいては、価値を創造するのは企業であるという前提のもと、オペレーションと管理が行われてきました。つまり、「企業が提供するプロダクトやサービスを決定し、消費者はそれを受け入れる」という誰もが暗黙的に認識している考え方です。ところが、新しいビジネスの考え方である価値共創は、「価値は消費者と企業が共創するものである」という発想の転換が必要となってきます。したがって、その価値を創造するための事業構造は、「企業が消費者とその共創経験を中心に再構築」しなければならないことを意味します。

 本書の至るところで、これらの発想転換のポイントが記されていますが、重要な部分だけを抽出して簡単に整理してみました(図4)。

共創という価値創造システム
図4:価値創造システムの変革

「価値共創」時代のビジネスモデルとは?

 さて、ここからは私の解釈となりますが、本書で唱えられている新しい考え方の主要なポイントをビジネスモデルに落し込んでみました(図5)。

価値共創のビジネスモデル
図5:価値共創のビジネスモデル

 ビジネスモデルの中身には価値共創の概念を考慮したフレームワークとなっています。第一に、価値提案のサブ要素であるオファー属性として価値論拠を定義し、価値論拠の1つに経験価値を取り入れています(残りは、信頼価値、利便価値、リスク価値、機能価値、金銭価値です)。第二に、顧客リレーションシップのサブ要素であるメカニズムのタイプとしてコ・クリエーション(共創)やパーソナライゼーションを取り入れています(残りは、ブランド、評判、信用)。また、本来のビジネスモデルキャンバス上のパートナーシップを協働ネットワークという言葉に変えたのもプラハード氏の影響です。

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イノベーションの新時代-多くのパートナーと「個客」のニーズに対応する

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

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