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組み込みDBからPostgreSQL/PowerGresの実力を見る

PostgreSQLを強化したPowerGresとは

 こうしたPostgreSQLの課題を解決するものとしてSRA OSSは「PowerGres」を提供している。PostgreSQLをベースにしたデータベース製品なので、基本的にはPostgreSQLと変わらず、GUI管理ツールとSRA OSSの技術サポートが加わる。機能に関してはPostgreSQLより先行あるいは独自に実装されるため、PostgreSQLよりも充実している。これまでのところ、PowerGresはPostgreSQLよりも先にWindows対応、64ビット対応を実現している。1万本以上のライセンスを出荷した実績もある。今のところ「PowerGres」にはWindows版とLinux版がある。

 さらにPowerGresには機能や性能を拡張した製品もある。信頼性とセキュリティを強化したのが「PowerGres Plus」で、こちらもWindows版とLinux版がある。主にトランザクションログの二重化で信頼性を高め、透過的暗号化でセキュリティを高めている。もう1つ、HAクラスタで可用性を高めたものが「PowerGres HA」で、LifeKeeper版、CLUSTERPRO版、Pacemaker版がある。

 特徴をさらに詳しくみていこう。PowerGresの特徴となるのがサポートとGUI管理画面だ。サポートに関しては、SRA OSSのサポートがあるだけではない。PostgreSQLならコミュニティのサポートが5年であるところ、PowerGresは出荷から7年間のサポートがある。またSRA OSSのサポートはPostgreSQLとPowerGresのいずれでも5年のフルサポート、その先2年の継続サポート、その先3年の追加サポートが契約可能だ。2014年にリリースしたPostgreSQL 9.4なら、最大で2024年までのサポート契約が可能となっている。

 GUI管理画面はWebブラウザをベースとしたものとなっている。チェックポイント数やバッファキャッシュヒット率など統計情報をグラフ化して表示、データベースクラスタの作成、バックアップジョブの表示などができる。

 次にPowerGres Plus。主な特徴として挙げられるのがトランザクションログの二重化と透過的暗号化だ。トランザクションログは更新履歴を記録したもので、障害時の復旧手段として欠かせない。PostgreSQLでは1カ所にしか格納できないところ、PowerGres Plusだと二重化(異なるディスクに格納)できるため、万が一、片方のトランザクションログを失ってももう片方が有効なら復旧の道が開ける。信頼性や障害対応力を高めたいなら重要な機能となる。

 もう1つが透過的暗号化。サイバーセキュリティ脅威が高まっているなか、データ暗号化はデータベース必須の機能といっていいだろう。PowerGres Plusではテーブルやインデックスはもちろん、バックアップ、トランザクションログ、一時ファイルまで透過的に暗号化する。アプリケーションで実装する必要はない。また暗号化でよく懸念される性能への影響は少ないといっていい。AES暗号化処理を高速化することに対応したCPU(AESNI)であれば「性能低下はOLTP性能は1%以下、ロード性能は10%以下」と佐藤氏は話す。

 先ほどPostgreSQLで行った組み込みデータベースの適性評価を、今度はPowerGresに当てはめてみるとどうか。

組み込みDBとして見たPowerGresの評価
組み込みDBとして見たPowerGresの評価

 PostgreSQLと対照的に最も優位になるのがサポートだ。SRA OSSのヘルプデスクが障害対応まで含めてサポートする。販売開始から基本7年間のサポート提供があり、心強い。逆にPostgreSQLと比べて評価が落ちてしまうのがコスト。商用版となるので無償ではなくコストが発生する。ただしサポート込みで128,000円からとなるため、主要な商用版データベースと比較すればそう高いとは言えない範囲だ。

 インストーラーはPostgreSQL同様にサイレントインストールに対応しているのでほぼ同じ。メンテナンスではGUI管理画面があるため、手間や難易度で見たらPostgreSQLよりハードルは低くてすむ。

次のページ
PowerGresが組み込みデータベースに採用される理由

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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