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システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門

ディスクのパフォーマンスアップのためにこれだけは知っておかなくてはいけない11の知識(1)

第3回

 コンピュータ・システムを構成する要素の中では処理速度が遅いとされる「ストレージ」。今回は、そのパフォーマンスを引き出すためにはぜひとも知っておかなくてはならない必須知識を解説する。

その1:ストレージは「遅い」と知る

 コンピュータ・システムが便利だと感じる要素の1つに、処理が速いという点が挙げられる。複雑な計算や処理をササっと実行してくれるのは、パソコンにせよサーバーにせよありがたい話である。コンピュータ・システムの関連要素を速い順番に並べていくと、以下のようになる。

  1. CPU
  2. CPUキャッシュ(ハイスピード・バッファー)
  3. 主記憶メモリー
  4. ストレージ(ディスク、テープ、DVDなど)
  5. 通信ネットワーク

 当然一番遅いのはコンピュータ・システムの外に出てしまう通信ネットワークの部分である。しかしこれはどこまで行っても速い線路(通信ライン)を用意するというのが最終的な手立てであって、この解説コラムの本論ではない。このコラムで扱う本題は次に遅いストレージだ。

その2:相対的な速さの度合いを知る

 パフォーマンスを語る場合、相対的なスピードの差を実感する必要がある。

 一番速いCPUはものにもよるが現在では1つの命令を数ナノ秒で処理できる。次に速いCPUキャッシュ(Cache)はハイスピード・バッファー(HSB : High Speed Buffer)とも呼ばれており、CPUとほぼ同じスピードでアクセスできる。主記憶メモリーはCPUキャッシュより遅く、今は20~40ナノ秒程度のものが一般的のようだ。

 次にようやくディスクの話となる。ディスクにデータを読めと1回命令し、ディスクからデータを受け取るまでの時間を、「ディスク応答時間(Disk Response Time)」という(以後「応答時間」と表記)。この応答時間は数ミリ秒から数十ミリ秒という単位で戻ってくる。人間は1秒以下だと皆同じであると思ってしまう傾向があるので、初めに各単位の違いを表に記しておこう(表3-1)。

表3-1 時間の単位
表3-1 時間の単位

 CPUの処理スピード単位であるナノ秒とディスクの応答時間の単位であるミリ秒の間には、上の説明では出てこなかったマイクロ秒という単位が存在する。つまりミリ秒とナノ秒の間には1000×1000 = 100万倍のスピード差が存在するのだ。言い換えると、ディスクはCPUに比べて100万倍遅いということになる。故にコンピュータのチューニングを行なう場合、CPUやプログラムに手を加えるチューニングよりも、ディスクの応答時間を少しでも速くする工夫やチューニングをしたほうが、ちょっとの効果でも全体効率の向上に大きく貢献することになる。

次のページ
その3:速さを比較するための尺度を知る

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この記事の著者

佐野 正和(サノ マサカズ)

1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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