SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

IT Initiativeスペシャル

業務改革と並行して実現、大成建設の情報システム全面刷新

大成建設のCIO(最高情報責任者)として長らく辣腕を振るい、現在、大成ロテック株式会社の常勤監査役を勤める木内里美氏に、コスト削減の経緯や情報システム部門の果たす役割について伺った。(聞き手:産業技術大学院大学教授 南波幸雄氏)

 

 公共事業の削減に、原材料高騰や不動産市場の低迷などが加わり、昨今の建設業界には厳しい逆風が吹いている。そんな中、大幅なIT コストの削減に成功したのが、日本のスーパーゼネコンの一角を占める大成建設だ。同社は2001 年から情報システムの全面刷新を敢行し、システム子会社の見直しにも着手。最終的にはIT コストの5 割の削減に成功した。

 大成建設のCIO(最高情報責任者)として長らく辣腕を振るい、現在、大成ロテック株式会社の常勤監査役を勤める木内里美氏に、コスト削減の経緯や情報システム部門の果たす役割について伺った。(聞き手:産業技術大学院大学教授 南波幸雄氏)

 

PC 黎明期に実現したネットワーク情報端末への夢

― 木内さんは元々、情報システムがご専門ではなかったということですが。

大成ロテック株式会社 常勤監査役 木内里美氏
大成ロテック株式会社 常勤監査役 木内里美氏

 

 元々は土木の技術屋で、大学時代は土木工学を学んでいました。大成建設に入社した当時の業務は海洋・港湾の構造設計といった分野でしたので、技術計算などのためFORTRANなどには早くから親しんでいました。

 その後、1990年に社員一人ひとりが情報端末を持ち、コミュニケーション・ベースの仕事をするといったコンピュータの新しい使い方に関する議論が土木設計部門内で始まりました。

 当時、パソコンはまだ使い物にならない時代でしたし、ネットワークも構築できなかった。そこで最初は、UNIX ベースでネットワークが作れないかということになったのですが、コスト的にどうしても合わない。そこで出てきたアイデアがアップル社のMacintoshの利用でした。

 そこですぐに、情報先進国だった米国まで視察に飛んでいったのです。すでに、海運会社が船の運行管理などの処理をMacでやっているのを目の当たりにして、非常に衝撃を受けたことを覚えています。

 実際、土木設計部にMacが導入されると、200人全員の目からウロコが落ちたんです。電子メールが飛び交い、色々なツールも自ら探してくる。スケジューラなどはローカライズする許可をもらって使い勝手のよいものを自由に仕上げる。ネットワークの作り込みの作業など、みんな土日返上で嬉々としてやっていましたね。

― 当時から大成建設には、情報システム部門が別にあったわけですよね。

 もちろんそうです。本社と支店の間にはLANが敷設してあって、情報システム部門には「Macを使いたい。ネットワークを使わせてください」とお伺いを立てに行きました。すると、当時の情報システム部門は「パソコンレベルに興味はない」と、ハブから先は好きなように使っていいよということになった。

 その後、土木設計の人間は全国の支店に散らばっていますから、必然的にネットワークも広がっていき、設計の周辺の人間まで巻き込んでいきました。最終的には三千数百台のMacが会社を席巻するようになりました。

次のページ
3 割削減というミッションから見えてきた情報システム部門の不合理

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
IT Initiativeスペシャル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ITイニシアティブ編集部(ITイニシアティブヘンシュウブ)

経営・ビジネス・ITをつなぐ実践情報誌「IT Initiative」編集部  

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/1798 2009/09/18 07:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング