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IT Compliance Summit 2008 Summer セミナーレポ―ト

グリーンIT統制の実現

クライアントPCの管理による消費電力削減


情報システム管理者の課題に「クライアントPCの管理」という観点からソリューションを提供している「クオリティ」。グリーンITに取り組む企業として自社の環境負荷削減にも取り組み、中小規模のオフィスでも十分な効果が得られることを立証している。中でも、クライアントPCの管理による消費電力削減が、全体の12%を占めていることを指摘。その対策の重要性について指摘し、クライアントPCの構成管理・セキュリティ管理に対する同社製品「QAW/QND Plus」を活用した消費電力削減効果について紹介した。

中小規模オフィスでも十分な効果を出す環境負荷対策

クオリティ株式会社
山田勝志氏
山田勝志氏

 企業の環境負荷削減において、クライアントPCの消費電力削減は大きな課題の1つである。世界的には京都議定書や洞爺湖サミットでCO2削減目標が決定し、国でも罰則規定が設けられた省エネ法の改正が2009年4月に施行予定となり、東京都でも2020年までに2000年比25%削減を目標とした環境確保条例が改正される見通しだ。

 環境負荷削減が「目標」から「義務」に大きく変化する中で、企業のIT機器の消費電力削減は可及的課題となっており、特にIT機器の中でも40%を占めるクライアントPCへの適切な対応が求められている。迅速に短期間で効果を出すために情報システム管理者が取り組むべき課題として、PCのアイドル時の電力抑制、機器の集約化・統合化を目的とした運用管理の見直し、そして無駄なIT機器の利用停止などが挙げられる。

 クオリティはそうしたPCの消費電力削減課題に対するソリューションの提供をミッションとしているが、「まずは自社から」という考えのもと、さまざまな環境対策への取り組みを行っている。その活動の内容は、エアコンや照明などの効率的な使用や、トイレのペーパータオル撤去やマイカップ使用の推奨など、一人ひとりの身近なところから地道にというものであるが、検証PCなどの利用状況のチェックや業務用PCの電源オプション設定等、クオリティらしいPCまわりの取り組みが目立ち、中でもフリーアドレスを活用したECOオフィス効果は高いという。

 結果、わずか1年で消費電力20%削減、水道使用量やゴミ資源排出量ともに30%台の削減を実現する等、コストで換算すると70名程度のオフィスで、年間123万円もの削減となり、大きな効果が得られている。その結果を鑑みると、IT関連で総額の30%、その中の40%がPCと考えれば、クライアントPCの電力削減が全体の12%を占めることとなり、無視できない数値であることが自社の例からも立証された。

 なお、こうした取り組みにおいて、慣れるまでに若干の混乱はあったものの、今は従来以前に効率的で快適なオフィス環境が実現しているという。

消費電力設定を一元管理することで、CO2削減を実現する「QAW/QND Plus」

 続いて山田氏は、自社のクライアントPCの消費電力削減にも有効性を発揮した同社製品「QAW/QND Plus」について説明を行った。「QAW/QND Plus」はクライアントPCの構成管理・セキュリティ管理を目的としたソリューションとして、PC構成情報収集やソフトウェア配布・管理、リモートコントロールなどの多様な機能を提供し、セキュリティパッチやWinnyなどの対策など、時代とともに進化してきた。

 2008年現在では、シリーズ合計で3000社/300万クライアントライセンスの実績を持ち、東証一部上場企業の4社に1社が導入しているという。

 その「QAW/QND Plus」による環境負荷削減へのシナリオは次のとおりである。通常セキュリティパッチ等の配布を行う際には、クライアントPCの電源をONにしていくことが必要だ。しかし「QAW/QND Plus」とインテルのiAMTのリモート電源管理機能により、作業時のみONにできるため、作業時間外は電源を切っておける。つまり、待機電力の削減が可能となるわけだ。

 その削減効果は、PC1000台に対して月間7万円の電力を削減し、CO2排出権取引料の約7000円に相当する。またQNDサーバから利用用途に応じた電源オプションを強制的に「省電力モード」に設定したり、電源ポリシを配布したりすることで、作業に影響を感じさせないまま、電力削減が可能になるという。しかし、こうした取り組みによって電力削減を行っても、その効果が見えなければなかなか浸透しにくい。

 そこで、「QAW/QND Plus」には、クライアントPCの消費電力の情報を収集し、eX Reportで可視化する機能を搭載。電力使用状況を把握することで、今後の目標設定や意識づけに貢献するという。

 また、「QAW/QND Plus」のコンセプトをASPで提供するPC管理ASPサービス「ISM」も続いて紹介された。これまで企業ごとにサーバを必要としていたが、「ISM」はインターネットを通じて1システムで10万台ものPCを管理することができるため、サーバの設置は不要である。サービスそのものが既に省電力化しているというわけだ。

 こうした機能を、QAW/QNDを既に導入しているユーザ3000社&300万クライアントがすべて利用すれば、年間約68370t以上のCO2を削減し、これはEUのCO2排出権取引金額で2億円にも相当する。これは、東京ドーム1000個分の面積の森林を保護するのと同じだという。一見何気なく使っているクライアントPCだが、効率的に管理し、細かく設定することで大きく削減効果が得られることを示唆している。

資料ダウンロード

【関連リンク】
クオリティ株式会社

 

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