2月18日(木) 基調講演
転換期の「場」を生きる
東京大学 名誉教授 / 特定非営利活動法人 場の研究所 理事長
清水 博 氏
≪講演概要≫
混迷の転換期のプロジェクトやマネジメントを考える事は、実は、「如何に生きていくべきか?」「どのように生きていくのが最も良いか?」ということに相通じる。この問に、教える原理のようなものはあるのだろうか?これらのことは、これから社会によって求められることと深く関係してくるであろう。転換期のプロジェクトという「場」と「社会」との関係性を、二重生命論に基づいて、考えてみたい。二重生命論については、プロフィールを参考にしていただきたい。
≪プロフィール≫
清水博は若い頃より独自の研究テーマ「生きているとはどういうことか」を探求し続けてきた科学者・哲学者である。東京大学医学部薬学科を卒業し、後に同大学薬学部教授に就任。生命体における情報生成の原理を自己組織現象として解明、次いで「生命関係学」を創始して、多様な生命体が同じ空間(場)で相互整合的に生きていく原理を研究、退官後も場の研究所を設立し、孤高の哲学的な探求の日々を貫いてきた。西欧科学は主客分離した形式論理学的な捉え方で科学技術の進歩に貢献してきたが、その手法では生命体を「生きている」ものとして説明できても、主体的に「生きていく」働きは解明できないとして、観察する観察者と観察される対象を同じ場に位置づけて捉える二領域的な捉え方を導入し、生命の二重構造を解き明かした。西洋の論理は反省の論理であり、因果論で原因と結果を直線的に説明しようとするが、その手法ではこの転換期を生きるためには役に立たない。 生命体は生まれつつある場を読みながら、創造的に自分自身を創る存在である。 社会がそれまでに存在したことのない全く別の状態に急速に移り変わるこの転換期に「場の理論」が新しい視点を教えてくれるだろう。
新時代のマネジメント - 価値を描く、作る
株式会社 匠BusinessPlace 代表取締役 / 株式会社 匠Lab 代表取締役
株式会社リコーITソリューションズ 技術アドバイザー / ケペル株式会社 フェロー
株式会社ニッポンダイナミックシステムズ フェロー / 要求開発アライアンス 理事
萩本 順三 氏
≪講演概要≫
開発企業の価値が問われる昨今、今までのシステム開発マネジメントの常識的なやり方を考え直す時期が来ています。本セミナーでは、ユーザ価値を描き・そして作れるようなマネジメント体系についてお話しさせていただきます。
≪プロフィール≫
2000年 ソフトウェアを人の思考に近い「もの」という単位で考えることで、分かりやすいソフトウェア開発を行えるというオブジェクト指向技術の会社、豆蔵を立ち上げ、ITアーキテクト、開発方法論、要求開発方法論の策定などメソドロジィストとしての経験を積む。 現在は豆蔵を退職し、2008年7月 株式会社 匠Lab設立、2009年7月 株式会社 匠BusinessPlaceを設立。ビジネス改革手法と開発手法をセットにした「匠メソッド」を開発し、ユーザ企業におけるビジネス改革、IT改革や、IT企業のテクノロジを中心とした改革の方法論を現場に広めている。
2月18日(木) 守りのプロジェクトマネジメント
プロジェクトをシステムとして見る ― セーフウェアに学ぶもの ―
松原コンサルティング
松原 友夫 氏
≪講演概要≫
プロジェクトは、複雑な相互作用などの特性から、システムとして捕らえることができます。システムは、念入りに計画したとしても、しばしば予想外の問題を起こします。その最たるものが安全を損なう事故です。したがって、システムの安全性を扱う知識体系は、PMにとっても役立ちます。ここでは、そのいくつかを紹介します。
≪プロフィール≫
1956年、日立製作所に入社、亀有工場(機械)、神奈川工場(コンピューター)、ソフトウェア工場を経て、70年日立ソフトウェアエンジニアリングに転属。数多くの大規模プロジェクトを担当。91年末に同社を定年退職、コンサルタントとなる。IEEE Software の副編集長、編集委員、Soapboxコラムエディター、および産業諮問委員会委員を歴任。海外の学会や雑誌に多数の論文を発表。これらの活動を通して海外の知己が多い。ソフトウエアエンジニアリング関連の翻訳書多数。
オフショア開発におけるプロジェクトマネージメント
株式会社NTTデータ 第一金融事業本部 金融ITサービス事業部 第一システム開発統括部長
三宅 信一郎 氏
≪講演概要≫
オフショア開発が当たり前になりつつある今でも、その対応や品質には不安を感じることが多いと思います。私がオフショア開発を活用するようになってから5年がたちましたが、その実例をもとに、失敗しないオフショア開発のマネージメントを紹介します。
≪プロフィール≫
1987年NTT入社。以来一貫して金融機関様向けのシステム開発に従事。決済システム、銀行、証券等の大規模システム開発プロジェクトにてプロジェクトマネージメントを経験。2004年PMP。NTTデータ認定エグゼクティブプロジェクトマネージャ。
今こそ見直そう 定量的プロジェクト管理の基本
東洋大学 経営学部 准教授
野中 誠 氏
≪講演概要≫
ソフトウェアプロジェクトの定量的管理は、古くて新しい問題です。多くの組織が定量的管理に取り組んでいますが、プロジェクトにおける大小さまざまな意思決定にデータを有効活用できている例は多くありません。本セッションでは、定量的管理の基本に立ち戻り、「必要な情報に基づく意思決定」を実現するための基礎を紹介します。ソフトウェアの欠陥データに着目し、テスト工程管理、欠陥バックログ分析、ライフサイクル全体を通した欠陥除去状況の評価手法を解説します。経済不況の今だからこそ、メトリクスを通して組織能力を鍛えましょう。
≪プロフィール≫
1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業。同大学助手などを経て2006年より現職。ソフトウエア品質と開発管理の研究に従事。IPA/SECリサーチフェロー、情報処理学会ソフトウエア工学研究会幹事、日本科学技術連盟SQiPソフトウエア品質委員会副委員長など、学協会の各種委員を担当。共訳書『演習で学ぶソフトウェアメトリクスの基礎』(日経BP社)など。
個と組織を活性化する
株式会社コーチ・エィ 取締役 シニアエグゼクティブコーチ
栗本 渉 氏
≪講演概要≫
プロジェクトで成果を出し続けていくために、メンバーひとり一人が、そして組織が活性化していくメカニズム「物語‐学習‐承認」を紹介します。 物語では、エンジニア一人ひとりが自らの物語を語り、組織の物語をつくることで、モチベーションの高い組織をつくっていきます。そして学習では、「自分を成長させ続けるエンジンをつくる」と「学習する組織作り」について紹介し、承認については、コミュニケーションのベースであるお互いの信頼関係構築についてお伝えします。
≪プロフィール≫
シニアエグゼクティブコーチ。早稲田大学法学部卒。IT業界にて技術者、プロジ ェクトマネージャーとして活動後、経営管理部門にて全社施策の企画・実施に携 わる。現在は、人や組織の具体的な行動変容、学習能力向上に向けたコーチング プロジェクトの企画立案、トレーニング、エグゼクティブコーチングなどを実施。 共著に『コーチングの基本』(日本実業出版社)
2月19日(金) 特別講演
マルチプロジェクト全体最適の変革の極意
ゴールドラットコンサルティング ディレクター
日本代表
岸良 裕司 氏
≪講演概要≫
プロジェクトの現実はマルチプロジェクトです。一つのリソースが複数のプロジェクトに割り当てられ、やむを得ず、悪いとわかっていてもマルチタスクをせざるを得ないのが現場の現実です。 今回のセミナーでは、マルチタスクがおよぼす経営全体へのインパクトをゲームで実感していただき、なぜ、遅く始めることが早く終わることになるのかを実感していただき、その理由をロジカルに議論していきます。パラダイムシフトを伴う大きな変革には、周囲の支援と、コンセンサスが欠かせません。その実践的なノウハウとロジックを提供し、現場で役立てていただきます。
≪プロフィール≫
1959年生まれ。ゴールドラット・コンサルティング・ディレクター。日本TOC推進協議会理事。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践し、活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び、07年4月に国策として正式に採用される。幅広い成果の数々は、国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。08年4月、ゴールドラット博士に請われて、ゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任し、日本代表となる。そのセミナーは、楽しく、わかりやすく、実践的との定評がある。著作活動も活発で、笑いながら学べ、しかも、ものごとの本質を深く見つめるユニークなスタイルで読者の共感をよび、ベストセラーを多数出版している。海外の評価も高く、様々な言語で、本が次々と出版されている。
2月19日(金) 攻めのプロジェクトマネジメント
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
株式会社永和システムマネジメント
角谷 信太郎 氏
≪講演概要≫
本セッションの内容はアジャイルプロジェクトのための見積りと計画づくりではありません。見積りと計画づくりという、どんなプロジェクトでも必要となるプロセスをアジャイルにしていくための考え方と実践について、同タイトルの書籍の翻訳者にして実践者である話者がご紹介します。
≪プロフィール≫
株式会社永和システムマネジメント サービスプロバイディング事業部チーフプログラマ。パッケージソフト製品開発やコンシューマ向けWebサイト、バイオ系研究開発支援などの受託開発においてアジャイル開発を実践。翻訳・監訳書の『アジャイルな見積りと計画づくり』『アジャイルプラクティス』他、翻訳、寄稿、講演など多数。日本Rubyの会理事。
想い駆動型のチームマネージメントの研究
- 子供たちの瞳を守りたい! オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)開発の事例に学ぶ-
千寿製薬株式会社 開発本部 開発戦略部 部長
益田 一人 氏
≪講演概要≫
プロジェクトが大きければ大きいほど、その全貌は見えにくいもの。多忙になればなるほど、目の前の仕事に振り回されてしまいがち。そんなとき、プロジェクトの真意や、そこから派生する業務の価値、あるいは自身の立ち位置さえ見失ってしまうことはないでしょうか。どんなお仕事でも最終ゴールと何かしらかの結びつきがあるはずで、それを強く意識したときに味わう充実感や一体感は格別なものです。しかし、それは他人から与えられるものではなさそうです。オーファンドラッグとは、治療法が確立されていない難病のためのくすりのことですが、患者数が少なく利益が見込めないなどの理由で開発が後回しになる傾向があります。あるオーファンドラッグ開発の現場でおこったチームマネジメントの経験から、自らを鼓舞させるものとその影響について考えてみます。
≪プロフィール≫
1995年 千寿製薬株式会社に入社。以来、研究開発部門にて勤務。候補化合物のスクリーニング、開発プラン作成、臨床試験の立上げ、進捗マネジメント、医薬品承認申請用資料作成、当局対応などに携っている。
CMMI高成熟度における定量的プロジェクト管理の実践的意義
株式会社NTTデータ
技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ
部長 (プロジェクトマネジメント研究領域責任者)
端山 毅 氏
≪講演概要≫
CMMIは1.2版になってから、高成熟度の定義が明確化され、その達成のハードルがぐんと高くなりました。2001年からNTTデータにおけるCMMI適用を推進してきた経験を踏まえ、CMMI 1.2版が求める高度な定量的プロジェクト管理を実現することの意義とプロジェクトの変貌についてご紹介します。
≪プロフィール≫
1992年NTTデータ通信入社。ソフトウェア工学およびプロジェクトマネジメントに関する研究開発、品質生産性向上活動、CMMIに基づくプロセス改善の全社推進、システム開発に関する社内標準規程類の整備などに従事。CMU/SEI認定CMMIインストラクタ、PMP、博士(工学)、PMI日本支部理事。
プロマネの限界を超える ~現場力を最大に発揮させる自律的マネジメント~
富士通株式会社 ソリューションビジネスサポートグループ 自律改善推進室 プロジェクト部長
稲葉 豊茂 氏
≪講演概要≫
システム開発の現場で何か問題が起こった場合、プロマネは新たな管理の仕組みを入れるなど、現場の管理を強化し、同じ問題が起きないようにしてきました。しかしながら、問題が起こるたびに管理を強化していく方法には、管理工数の増大や現場のモチベーションの低下、仕組みの形骸化など、マネジメントの限界も見えてきたと思います。ここでは、プロジェクトのメンバーが自律的に相互に問題を解決していく、こういった現場力を醸成するプロジェクトマネジメントについて、事例を交えてご紹介いたします。
≪プロフィール≫
1991年、富士通に入社。以来10年間現場SEとして金融系大規模、中規模のプロジェクトを担当。2001年に社内のプロマネ強化施策に携わり、プロマネのノウハウ・ツールを収集・提供する「プロマネ道具箱」、プロマネ育成のための実践の場「プロマネ道場」を実施。その後、不採算撲滅を目的に社内ルールであるQMSを再構築。2007年以降は、現場の人づくりをテーマに“自律改善活動”を社内で推進している。



