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週刊DBオンライン 谷川耕一

2025年問題がなくても企業は基幹系システムをモダナイズしなければならない


  5月の連休明けに開催されたSAPのグローバルなユーザー会議「SAPPHIRE NOW 2019」では、X(eXperience)データとO(Operational)データを統合して管理する必要があるとのメッセージが発信された。過去10年くらいの期間でSAPは、従来のオンプレミスERPアプリケーションのビジネスから、ERPのクラウド化、インメモリデータベースであるSAP HANAによるリアルタイム化を進めてきた。今回のXデータへの取り組み表明は、それらの動きとは一線を画し、バージョンを1つ上げるような画期的な取り組みだという。

Qualtricsを取り込み、SAPはXデータの活用でユニークな取り組みができる

 ここ最近、デジタルトランスフォーメーションという言葉が盛んに使われ、企業は急ぎデジタル化すべきとの話題が多い。これは、従来指摘されているITシステムに対する費用をコストとしてみるのではなく、ビジネスを成長させるための投資として見るべきだという主張と変わらない。つまりは、ITはビジネス成長の手段だということを違った形で表現しているにすぎない。しかしながらいまだ「その手段の導入が目的になりがちです」と語るのは、SAPジャパン代表取締役社長の福田 護氏だ。

SAPジャパン代表取締役社長
福田 護氏

 このなかなか変われない企業のITシステムへの姿勢に、一石を投じることになるのがXデータ、Oデータを統合していくアプローチだ。

 「企業で何が起こったかが分かる、それがOデータです。一方でそれがなぜ起こったかを明らかにするのがXデータです。このX部分をデータ化する取り組みは、業界でもユニークなものです。なぜが分かるので、課題に対しどうすれば良いかもわかります」と福田氏。

 これは"What"から"Why"、"How"に至るまでを明らかにするもので、関わる人の感情部分も明らかにする取り組みでもあり、大きな価値があると主張する。とはいえ、Xデータに取り組むには、顧客を知るためのCRMが不可欠となる。しかしながらSAPは、CRMではSalesforce.comなどに後れを取っている面もある。実際グローバルのマネージメント会議の場で福田氏は、SAPではCRMに今後どう取り組むのかと質問をしたことがあるそうだ。その際に経営幹部からは「よりユニークな取り組みをする予定だ」との答えがあった。そのユニークな取り組みが、Qualtricsの買収だった。

 「Qualtricsのソリューションは、他にはないものです。Qualtricsから見れば、CRMのデータもOデータです。なぜならCRMのデータだけでは、WhyもHowも見えないからです」(福田氏)

 Qualtricsはオンラインでアンケートを採る仕組みだけでなく、そこから分析を行いリアルタイムにユーザーがどう感じているかが分かる。リアルタイムにアンケートなどの結果が見えるので、あとから集計しレポートを配ることは必要ない。大手自動車メーカーや航空会社などグローバルでは1万社以上が採用しており、既に日本でも100社近くが導入している。実際、SalesforceやMicrosoft Dynamics、ServiceNowなどの各種CRMやサービス系SaaSとの連携事例は多い。

 SAPは昨年C/4HANAを発表して、改めてCRM領域に力を入れることを表明した。今年はさらにQualtricsを買収したことで、ERP、CRMを含むあらゆる側面からOデータ、Xデータの活用を語れるようになった。これは、市場では大きな強味となるという。

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2025年問題がなくてもS/4HANAを導入しXデータ、Oデータを活用する企業をSAPは支援する

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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