SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

data tech 2019 レポート(AD)

データ分析結果を左右するデータマネジメント――データの経年劣化と向き合うために必要な6つの活動

段階的に「全てのデータ」をカタログ化すべき

データカタログ

 データカタログとは、社内で保有しているあらゆるデータ資産をカタログ化して共有し、ユーザーによる検索と活用を可能にするもの。MDMと混同しているケースも見られるが、データの場所、特徴、意味の定義までが明確化されていなくてはカタログと呼べない。櫻井氏は「データカタログには全てのデータを含まなくてはならない」と強調した。

 とはいえ、最初から一気に全てのデータ資産のカタログ化を目指そうとするのではなく、目的を絞って必要なものから揃え、成果を積みながら徐々に拡張することが望ましい。一例として、とある会社では、どこに何のデータがあるかわからないという状態だった。そこで全300テーブルのサービスシステムの中から、主要なエンティティの概念モデルを抽出し、それを基に枝葉になる部分を追加することにしたというケースもある。

 もちろん、データカタログの整備後も作りっぱなしにはできない。データカタログが運用フェーズに入った後は、メンテナンスを担当する開発側と、ビジネス部門など「データ分析依頼者」の間に、「データカタログ担当者」を置く必要があると櫻井氏は主張する。データカタログ担当者の主な役割は、カタログの変更情報をデータ分析依頼者に周知すると同時に、定期的なカタログの監査を行うことだ。たとえリソースに制約があったとしても、誰かがやってくれるだろうと曖昧にすることなく、兼務でもいいので最初から主担当と副担当を任命することが重要と櫻井氏は訴えた。

データマネジメント組織の立ち上げ

 適切なデータガバナンスの効いたデータマネジメント推進組織の理想像として櫻井氏が示したのは、下図のようにチーフデータオフィサーを頂点とする体制である。DXを推進するビジネス部門とIT部門の両方が関わるようにし、「データオーナー」「データスチュワード」「データユーザー」の三つの役割を担当する人物を明確にする必要がある。

 データオーナーとは、データを生み出す主幹組織の管理責任者もしくは責任者の付託を受けた管理者の役割。そして、データスチュワードは各データオーナーからデータを収集し、蓄積することをミッションとした主幹組織の管理責任者もしくは責任者の付託を受けた管理者であり、全体のシステムを管掌するIT部門に設置する役割である。さらにビジネス部門でデータを活用するデータユーザーを加えた三つの機能がそれぞれ縦割りにならないよう、三つの機能を束ねるデータガバナンスオフィサーを置くことができれば理想的だ。


データマネジメント推進体制 出典:リアライズ作成[画像クリックで拡大表示]

 この他、リアライズでは最後のステップである「データ移行」で考慮するべきポイントを11個にまとめた資料をダウンロードできるようにしている。データマネジメントなくして、データ分析や新しいビジネスの創造は難しい。現在のデータ分析に悩みを抱えているならば、自社のデータマネジメントの現状を見直してみることが解決の第一歩になるだろう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
data tech 2019 レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12634 2019/12/12 19:32

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング