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週刊DBオンライン 谷川耕一

OracleのSaaS戦略はフルスタックで顧客体験(CX)向上をめざす

フルスタックSaaSを活用してサブスクリプションビジネスを最適化する

 もう1つ、顧客体験向上に影響するものとして注目を集めているのが、サブスクリプション・ビジネスの最適化だ。多くの企業が、物売りのビジネスからサービス化を目指している。サービス化すれば顧客との関係は継続性のあるものとなり、顧客体験が悪くなればサービスの利用を継続してもらえない。市場にはZuoraなど、ビジネスのサブスクリプション化をサポートするソリューションが数多くある。それらではサブスクリプション契約ユーザーの解約率などを見える化し、適切な価格設定のサポートなどで顧客満足度を高めサブスクリプション契約の継続をサポートしている。

 Zuoraなどを活用すれば、サブスクリプションビジネスのために顧客体験の最適化に貢献できるが、サブスクリプション契約部分だけでは顧客体験全体の向上とはならない。「サブスクリプションの後ろ側にある、会計などのオペレーション部分も含め、顧客体験を最適化する必要があります」とアール氏。多くのサブスクリプションビジネスをサポートするソリューションが、サブスクリプション部分に特化しているのに対し、Oracleでは包括的なアプリケーションサービスを用意しており、それら全てを連携させることができる。その点がサブスクリプション専用ツールなどに対する、Oracleの大きな優位性だと言う。

 サブスクリプションビジネスの最適化で、OracleはAI技術を活用している。CRMやサポートなど顧客のさまざまな属性データを見て、顧客のトレンドをダッシュボードの形で可視化できる。これによりサブスクリプション契約からの離脱率などを予測し、適切なアクションに結び付けられるのだ。

 OracleはSaaS領域において、基幹となるERPやCRMに対する開発投資はもちろん、買収などで網羅性を高めるところも強化している。それらをフルスタックのSaaSとして提供するのにも力を入れる。個々の機能強化だけでなく、さまざまな機能の連携でより大きな価値を顧客にもたらすようにしているのだ。

 広告関連ソリューションでも、今回のようにいち早くゲーム内広告を最適化できるようにするだけでなく、OracleのSaaSであればマーケティング・オートメーションなどと連携し迅速にキャンペーン活動につなげられる。キャンペーン活動をスムースに運用するには、CRMやカスタマーサービス、ERPやサプライチェーンなどとも連携することになるだろう。OracleではSaaSをフルスイート提供することで、インテグレーションなしで各種機能を連携でき機能を跨がったデータの活用も可能としている。このSaaSの総合力で、DXの目的でもある顧客体験の向上に取り組むわけだ。

 網羅的なSaaSがあることは、Oracleの大きな優位性だ。日本法人社長の三澤氏も、このフルスイートのSaaSに関してはかなりの自信を見せる。ラインナップが豊富なだけでなく、個々の機能も業界トップクラスを揃えている。そのため、買収の際にも業界でトップの製品、サービスを積極的に獲得している。

 とはいえ現実は、OracleのSaaSをフルスタックで利用している企業は少なく、個別の目的ごとにサービスを選択し、組み合わせて使っているだろう。フルスタックのSaaSである優位性を強調し過ぎると、顧客からは囲い込みと捉えられる懸念もある。個人的には1つのクラウドを積極的に選択しベンダー色に染め上げることは、運用性や効率性の面でメリットも多く悪いことではないと考えている。とはいえ、企業がそれを避けたがるのもよく理解できる。ベンダーロックインの印象を与えずに、フルスタックSaaSのメリットを顧客に強く印象付けられるか。それが、OracleのSaaS戦略の成否を左右しそうだ。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

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