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エンタープライズITのホープを訪ねる

ゼロからの挑戦だからこそ楽しい 最前線で活躍するデータサイエンティストが示す“3つの軸”

【第1回】スタジアム 千葉祐大氏

 コロナ禍でDX推進とともに掲げられることが多くなった、データドリブン経営。これを実現するためにも、これまで以上にデータサイエンティストなどデータ領域の専門人材に注目が集まっている。エンタープライズ/IT業界で活躍する若手をクローズアップする本コーナーとして、今回はデータサイエンティストとして躍進する千葉祐大氏を訪ねた。

千葉 祐大氏

千葉 祐大(ちば ゆうた)氏
スタジアム 技術部
学生時代は、進化型多目的最適化から導出される非劣解集合を用いたエンジニアリング支援の研究に従事。これまでに、データサイエンティストやデータエンジニアとして大手コンサルティングファームやMSP等で、 ビッグデータの分析基盤構築から実際の分析業務までを複数経験。現在は社内で蓄積される様々な有用なデータのライフサイクル全体をマネジメントする業務に従事する。

最初からデータサイエンティスト志望ではなかった

 2012年に設立されたスタジアムにおいてデータサイエンティストとして活躍しているのが、千葉祐大氏だ。同社事業の柱でもあるWeb面接システム「インタビューメーカー」を支えている技術部に所属しており、社内のデータ分析や分析用基盤に関わるチームでリーダーを務めている。

 元々同社にはデータ分析などを専門で担っているチームが存在しておらず、千葉氏が昨年7月にジョインしたタイミングで分析チームを立ち上げたという。「分析基盤を専任で管理する人もいなかったため、今は全体の方向性を決めて整備しています。最近では、従来Google Cloud PlatformでBigQueryを使用していたところをSnowflakeに載せ変えています。他にも、社内の業務支援のためにダッシュボードツールを開発・運用したり、KPIを策定するための分析・可視化を行ったりと、分析に関する領域を一手に担っています」と説明する。

 現在、4名体制の分析チームにおける様々な取り組みをリードするなど、同社のデータ領域をけん引している欠かせない存在だといえる。このようにデータサイエンティストとして活躍する千葉氏だが、意外にもデータサイエンスに特別な興味があるわけではなかったという。

 学生時代は、AIなどにも興味をもっており、エンジニアリングを勉強したいと工学部情報工学科に進学。「多目的最適化」に関する研究を行っており、ロケットにおける飛距離と積載物を最大化するような問題に取り組んでいた。その一方で、所属していたサークルで3Dのファーストパーソン・シューティングゲームなども作成していたという。こうしたエンジニアリング全般に興味がある中で、卒業後に入社したのがアクセンチュアだった。

 入社後は、会計システムの保守運用などを担当していたが、2013年頃に社内でデータアナリティクスのプロジェクトが立ち上がったことが大きな転機になったという。千葉氏は、「Pythonを扱ったこともなく、研究でJavaを用いた分析を経験していた程度でした。しかし、ちょうどデータサイエンティストが注目を集め始めたときでもあり、大きな可能性を感じたためチャレンジしようと思い切って飛び込みました」と振り返る。

 まだ当時は、ネット上に情報も少なく書籍を読み、社内の勉強会にも参加。また、所属していたチームでは分析だけでなく、分析基盤やデータの整備なども行っていたため、AWSをはじめとしたインフラ周りの知識も蓄えることができたという。こうした業務経験を通して得た知見が、現在のデータサイエンティストとしての基盤になっている。

 こうして多様な知識を身につけていく一方で、データに関わる楽しさをどこに見出したのだろうか。ある事柄における仮説を裏付けることを目的にデータ分析が行われるが、この仮説を超えた発見やセレンディピティを得たときにワクワクすると千葉氏は語る。膨大なデータの中から有用な知見を得る楽しさは、データ分析ならではといえるかもしれない。

 また、千葉氏は「これまでで一番おもしろかったのは、視聴率とは異なる軸で視聴傾向を分析するプロジェクトです。リアルタイム視聴と録画では、番組の内容や放送タイミングによって傾向が異なるという結果を導き出し、クライアントに大きなインパクトを与えることができたのは楽しかったですね」と語る。

 こうしたデータサイエンティストとしての楽しさを感じながらも、分析に関する最新の知見を論文などから得るだけでなく、AWSやGCPといったクラウドに関する最新情報についても収集するなど、業務に関する知識について広くキャッチアップする姿には余念がない。

 そんな千葉氏がもう1つ熱心に取り組んでいることに、データ分析組織の立ち上げがある。

 アクセンチュアの後に入社したJIG-SAWでは、新規事業開発としてWeb分析サービスを企画。実際に組織を立ち上げると、営業やマネジメントといった新たなスキルを習得していった。その後転職したSansanにおいてもデータ基盤がなかったため、入社後に自分で設計し社内に広める活動もしていたという。現職のスタジアムでも分析チームを立ち上げると、これまでローデータを直接SQLなどで成形し利用していたものをデータマート化するなど、着実にデータを活用できる環境を整備している。

 「なぜゼロベースから挑戦するのかというと、楽しいからです。何か課題があったときに、それを解決するアイデアやアプローチを考えていくことが好きで、それが自分の強みでもあります。こうした強みを活かせるのが、ゼロから組織を立ち上げたりモノを作ったりするところだと思いますので、キャリアを考える上でも挑戦できる環境を選択しています」(千葉氏)

次のページ
データサイエンティストに大切な3つの軸とは

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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