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Rubrik CEOのビプル・シンハ氏が来日 時代が追いつきバックアップから“セキュリティ企業”へ

ポイントは「レジリエンス」「オブザーバビリティ」「リカバリー」

日本はわかるまでしっかりと検討も、その先は早い

──では、日本市場をどのように捉えていますでしょうか。

 日本市場はとても高度な市場だと認識しています。政府や企業でもデジタル化が進んでいますし、個人やビジネスにおいてもデジタルを高いレベルで幅広く活用していると思います。一方で、その分だけ攻撃対象が拡大するため、デジタルインフラのセキュリティを担保していくことが重要になります。特に、ビジネスにおける取り引きを守ることは重要です。こうした背景は、私たちが提供する製品技術の差別化にもつながると考えています。

 私たちは4年前に日本法人を設立しており、日本のカントリー・マネージャーである石井晃一さんをはじめとした多様なメンバーが日本市場を率いてくれています。私たちは営業だけでなく、マーケティングサポートやカスタマーサクセスなど、優れた顧客体験を実現するためにも投資をしており、これからも続けていきたいと思っています。

 日本市場に長く存在できるようなビジネスを続けていく中で、日本から学ぶことも多いと思っています。そのため、日本に特化したソリューションやプロダクトの構築も検討中です。それは日本経済に寄与することはもちろん、将来的にランサムウェアの動向が変化したとしても対応できるなど、日本の政府や企業の皆さまの一助になればと考えております。

 なおAPAC(アジア太平洋地域)において、日本の売り上げは1/3を占めています。APACにおけるビジネスは過去3年間増加を続けており、日本への投資も過去3年間で3倍になりました。その一例として、日本語サポートを提供できる体制を構築するなど、これからもパートナー企業とのエコシステムを通じながら、日本市場での勢いを増していきます。

──とはいえ、グローバルで比較したときに、日本は一歩遅れ気味に感じます。

 これを言い換えるならば、日本のユーザーはかなり真面目に細かく検討されているのだと思います。実際に製品を採用する前から、プロダクトやテクノロジーを深く理解することも日本のユーザーの特徴です。そのため、多少時間を要してしまうのは無理もないことです。

 テクノロジーの普及という面において、日本は素晴らしい歴史がある国です。製品がフィットすると理解するまでに時間をかけて検討されますが、一度わかってしまえばその先はとても早く、ものすごい勢いで普及していきます。

 日本でビジネスを始めた4年前から、パートナー企業やアーリーアダプターのお客様と協力して市場にフィットするようなユースケースを次々と作ってきました。その成果がはっきりと出てきており、この2年間で導入がかなり進んでいます。お客様やパートナー企業からフィードバックをいただきながら、人を増やし、ビジネスを加速させていきたいです。

──日本市場では、どのようなアプローチが功を奏しているのでしょうか。

 実は、私たちのデータセキュリティというユニークな特徴を伝えることができているお客様には、ほぼ導入していただいています。つまり、採用していただけていないお客様は、伝えることができていないお客様ということです。ここ数年で採用が増えているのは、データセキュリティの特長を伝える機会が増えていることを意味しています。今後はよりスケールさせるためにパートナーエコシステムを拡大し、まずは市場に対してデータセキュリティを伝えていく機会を増やしていこうと考えています。

 ちなみに、私たちは世界中どこでも、パートナー企業を介して製品を届けるパートナー戦略をとっています。私たちの技術についてパートナー企業が理解し、安心してもらえれば多くのお客様に伝えていただけるからです。特に日本では、このアプローチがとても有効に働いています。

 パートナー企業も自分たちの利益だけではなく、自分たちのお客様をランサムウェア攻撃から保護したいという意思があるため、そこがうまく合致していることが成功要因と言えるでしょう。実際にパートナー企業はRubrikで問題解決ができると理解すると「すぐにでもお客様にお届けしたい」と言っていただけるなど、とても健全な力学が働いていると感じます。一度成功すると、何度でも体験したいと思うものですので、いいサイクルが働いているとも言えます。

──2022年5月17日から米サンディエゴで、年次イベント「Rubrik FORWARD」を開催していましたね。ハイライトを簡単に教えていただけますか。

 イベントにおける大きな発表が「Rubrik Security Cloud」です。先ほど挙げた、データ・レジリエンス、データ・オブザーバビリティ、データ・リカバリー、これらすべてを単一のプラットフォームで実現するソリューションです。Rubrikのお客様はこの「Rubrik Security Cloud」から企業、企業が使うクラウド、SaaSで行き交うデータすべてをセキュアに管理できるようになります。もちろん、日本の皆さまもお使いいただけます。

 シンプルに言うと「Rubrik Security Cloud」は、データセキュリティのポリシーを一元的に適用し、コントロールするものです。つまり、企業が使うあらゆるデータを網羅的に管理できるソリューションとなります。

──ありがとうございます、今後の日本市場における展望をお聞かせください。

 これまで同様に投資を増やすこと、日本市場から学ぶことを続けていきたいと考えています。また、お客様やパートナー企業の皆さまとの連携も強化していきます。最終的には、大きな問題となっているランサムウェア攻撃から日本の政府や企業を守るソリューションとして、皆さまのお役に立てればと考えています。

──では、最後に読者へのメッセージをいただけますか。

 現在、経済やビジネスに対する最大の問題と言えるランサムウェアに対して、Rubrikは“保護と復旧”で貢献できるよう注力しています。読者の皆さまには、そうした機能を提供する“初めてかつ唯一”の会社であることを知っていただければ幸いです

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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