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北川裕康のエンタープライズIT意見帳

営業は科学だ! チームスポーツとしてのB2Bセールスの戦い方

 「営業は科学だ」。これは私が尊敬する元マイクロソフトの日本法人の社長である阿多親市氏(現 SBテクノロジー 代表取締役社長 CEO)の言葉です。当時笹塚にオフィスがあり、阿多さんの席の後ろに、この言葉が貼ってありました。営業の戦略やプロセスを作成するSales Operationsの仕事を経験して、この言葉の意味がよく分かるようになりました。今回は、B2B営業、特に、複雑で高価な製品群を売る企業のB2B営業の世界の状況について、述べたいと思います。

近代のB2B営業はチーム戦

 営業は、英語ではSalesと言いますが、語源はSellと同じで、受け渡し(salo)だそうです。受け渡しとはちょっとイメージが異なりますね。我々が営業というと、Account Executive、Account Representative、Account Managerといった役割としての営業(人)と、売る行為や活動としての営業があります。今回のテーマは、どちらかというと後者の営業のことです。

 B2B営業は、近年ではチームセリングと言われることが多く、役割としての営業(人)がリードするにしても、マーケティング、インサイドセールス、プリセールスの技術者、法務など、営業をサポートする様々な役割の人がコラボレーションすることで、チームによる活動になってきています。チームと言えばスポーツを思い浮かべるでしょう。大リーグなどをみても、投球や打撃のフォームの分析といった個々人のプレーだけでなく、守備における大谷シフトや打順の最適化などのチームの戦略作りの面で、サイエンスが重要な役割を演じています。B2Bの営業活動も同様に、個人商店ではなく、チームで売るので、やはりサイエンスが重要になってきているのです。そのために、SalesforceなどのCRMが基盤で使われています。CRMは単なるアカウントやコンタクトの管理ではく、営業プロセスや案件の管理ツールであり、すべての活動でデータが取得され、見える化、分析して、活動を修正・最適化していくためのものです。

 以前の記事「Go To Market戦略とは何か? BtoB市場で勝つための思考法」で記載したように、B2B企業では「Go To Market戦略」が起点です。その戦略では、どの業種に、どのソリューションで、いくら狙いにいき、そのためのリソースがどれくらい必要かを定義します。

 そして、Go To Market戦略によって、営業の組織や個人にカスケードダウンすることが重要です。カスケードダウンとは、個々の営業に、売上に関する目標数字と、自分が担当するテリトリー(ターゲットとなる企業のグループ)、そして、使えるお金や人というリソースが割り当てることです。さらに営業戦略では、目標を達成するために、テリトリーの中で、優先順位を決めます。例えば、以下のような分類をして、優先順位をつけます。

  1. すでにパイプライン上に案件があり、期中にクローズすべき企業(見込み企業や既存顧客)
  2. 毎年検討されるが、意思決定が延ばし伸ばしになっている企業
  3. コンタクト情報はあるが、案件が確認できていない企業
  4. テリトリーに入っているが、まだコンタクトもない企業
  5. コンタクトしているが、当面は案件がないと思われる企業

 2.から5.については、営業自身、もしくは、インサイドセールス、マーケティングが、分担して案件を作っていきます。近年のマーケティングは、営業のテリトリーを狙うABM(Account Based Marketing)が主流になっているので、営業とマーケティングは、共通のターゲットのもと、がっちりタッグを組みます。

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Qualifyの基準とBANT条件

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この記事の著者

北川裕康(キタガワヒロヤス)

35年以上にわたり B2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Inforなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などの要職を歴任。現職は、クラウドERPベンダーのIFSでマーケティングディレクター。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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