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渡辺洋司のセキュリティインシデント最前線

なぜサイバー攻撃は終焉しないのか? 5つに大別される「攻撃主体」と6つの「目的」を解く

第1回:日本国家・企業における「サイバーセキュリティ」の理想と現実

 警視庁の「サイバー犯罪の検挙件数の推移」(関連リンク参照:図表24)によると、2021年のサイバー犯罪の検挙件数は、1万2,209件と過去最多を記録した。日々複雑化するサイバー攻撃に対抗するためには、サイバーセキュリティ対策も進化させていく必要がある。本稿では、日本のサイバーセキュリティの理想と現実について解説するとともに、攻撃の主体とその目的もあわせて紹介する。

他国では「サイバー戦争」を見据えた国家戦略も

 イタチごっこと言われるように、対策を実施してもそれを超えてセキュリティインシデントが発生する、この歴史は終わることなく繰り返されてきた。そして恐らく、未来永劫これが終焉を迎えることはない。

 近年ではアメリカの「コロニアル・パイプライン」事件や、国家政府の関与する組織による世界的なサイバー攻撃など、国家規模の「サイバー戦争」とも言うべき事象が、水面下どころか一般の我々の目にも届くようになっており、2021年5月にはアメリカのバイデン大統領が30ページにも及ぶ大統領令を発表したほどだ。その大統領令の主なテーマの1つには「各省庁に60日以内にゼロトラストアーキテクチャの導入計画を策定すること」などが設けられている。これに賛同する議員たちからも「少なくとも過去6ヵ月間に発生したサイバーインシデントは、現在そして将来のネットワークを防御するために、抜本的な対策として何が必要であるかを示している」といった声が上がっていた。また、こうした動きは当然アメリカのみならず多くの先進国でも同様で、多くの国でいわゆる「サイバー戦争」を見据えた国家的な軍事サイバー戦略が策定されている。

画像を説明するテキストなくても可

 今は日常生活のいろいろな部分、たとえば目の前のデジタルデバイスやそこに流れる情報の類だけでなく、会社も家も交通網も、水道やガスや電力など様々なライフラインも、物流や日常生活のあらゆるものがデジタルでつながっている時代である。データがつながり、便利になる一方で、様々なサイバー攻撃にさらされるリスクは高くなる。

 いくら国家が物理的に兵士や兵器の襲来に備えて国境や空港等を守ったとしても、サイバー空間を利用して国家を攻撃できてしまう。もし街の灯がすべて消されてしまったら、もし水道や物流ライフラインが何者かの手によって支配されてしまったら、どんな状況になるのか想像してみてほしい。実際こうした攻撃によって、国家を崩壊させることも不可能とは言い切れないだろう。

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対応が遅れた日本 新設組織「サイバー警察局」に期待

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この記事の著者

渡辺 洋司(ワタナベ ヨウジ)

株式会社サイバーセキュリティクラウド 代表取締役 CTO。
1975年生まれ。明治大学理工学部情報科学科を卒業。大手IT企業の研究開発のコンサルティングを手掛ける企業において、クラウドシステム、リアルタイム分散処理・異常検知の研究開発に携わる。2016年 当社に入社後、CTOや取締役を歴任。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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