「ESG経営が企業価値に結びつくのか」が課題だった
アクセンチュアが発表したソリューション「AI Powered Enterprise Value Cockpit」、企業のESGに対する取り組みが企業価値にもたらすインパクトを分析・予測し、企業の成長につながる施策を提示するクラウドベースのAIソリューションだ。すでにニュースで速報は掲載したが、本記事では発表の詳細内容を紹介する。
このツールでは、自社のESGに対する取り組みを可視化することで立ち位置を把握し、シミュレーション機能の活用で企業価値を最大化する戦略を策定できる。また、適正な市場評価の獲得につながるESG施策の重要業績評価指標（KPI）の設定と管理、発信をするためのデータに基づいた裏付けを得られるという。
同社 ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 AIセンター長 マネジング・ディレクターの保科学世氏は、発表会でこのソリューションの開発の背景を以下のように語る。
「ESGを企業戦略の中心に位置づけ、社会的責任を果たす求められているものの、ESG経営をどう企業価値向上に結び続くかが把握できていないことが課題だった」
経営者にとっては、ESG経営は社会的責任であると同時に、それが企業価値向上に結びつかなければ、経営判断に踏み切れない。同様にステークホルダーに対しての説明責任もある。ここでいう企業価値は、端的に言えば時価総額といってよい。このツールの目的は、把握が難しかったESGが難しく、施策とESG経営を結びつけられなかった企業に、因果関係を明らかにすることで、自社の立ち位置やステークホルダーへの理解を促し、ESG経営を前進させることにある。
