SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

週刊DBオンライン 谷川耕一

優れたCIOと単なるマネージャーの差とは何か? ガートナーが語る。

 DXを進めるためには、クラウド化やAI技術の導入、さらにはDevSecOpsやアジャイル開発、内製化など、CIOやIT部門が新たに担うべき事柄が急激に増えている。企業が変革するためにCIOやIT部門は、どのように変化しなければならないのか。今後のCIOのリーダーシップや組織文化のあり方、そしてIT部門の人材育成などについて、ガートナー マネージング・バイスプレジデントのアルバロ・メロ氏に話を聞いた。

CIOはリーダーとして行動し情熱を持って人を育てる

ガートナー マネージング・バイスプレジデント アルバロ・メロ氏

 現状において最も重要な変化としては、CIOがIT部門で開発をするメンバーの感情部分をケアし、人材開発について考えなければならなくなったことだとメロ氏は言う。通常、チームメンバーの感情面や役割を管理するのは、人事部門の仕事と考えるかもしれないが「これはリーダーが考え、担うべき役割でもあります」とメロ氏。

 マネージャーの立場にいるような人は、自分の組織の人材開発に情熱を持たなければならない。しかしながらIT部門のマネージャーの多くは、技術的な問題の解決などに忙しく、仕事時間の大半をそれに費やしている。そのような状況の中にあっても、メンバーに関心を持ち、メンバーがどうすればやる気を出すのかを考える。そのためにはメンバーの話をしっかりと聞く必要がある。その上でリーダーは、メンバーのキャリアを開発し支援したいとの気持ちになる必要がある。

 人は重要な仕事をアサインした人のことは忘れてしまうかもしれないが、自分のキャリア形成において支援してくれた人のことは忘れないものだ。キャリア形成の過程で重要なアドバイスをしてくれたり、何らかキャリア形成につながるようなことを教えてくれたりした人のことは生涯忘れないのだ。これは、組織における管理職の仕事というよりも、リーダーの立場にある人全員に求められる行動とも言える。

 CIOというマネージャー職ではなく、組織における良いリーダーになる。そのためには、技術的に高いスキルを持っているだけではだめだ。実際にはエンタープライズアーキテクチャなどの高い知見とスキルがある、あるいは開発面で多くの実績があるなどの理由でCIOとして採用されているケースは多いだろう。しかしながら「CIOにはリーダーとしてのより良い振る舞いが求められます。そして、それをどのようにメンバーに対し発揮するのか。振る舞いでどうやってメンバーのスキル、キャリアを開発できるかが重要です」とメロ氏は指摘する。

 たとえばIT部門のリーダーの立場にある人が、Pythonの高度な開発スキルがあったとする。その高いスキルを誇り、それで組織を牽引しようとするかもしれない。しかしリーダーに求められるのは、スキルをいかにしてメンバーと共有できるかであり、コーチングによりメンバーのスキルを高められるかだ。高いスキルがあってもそれを共有せず、メンバーとのコラボレーションも十分にしなければ、チーム全体にとって意味をなさないリーダーとなる。つまりテクニカルスキルの高さだけでなく、リーダーとして評価される挙動、行動をとれるかが重要であり、それが求められるのだ。

次のページ
生産性、効率性の向上と人材育成は補完関係にある

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/17019 2022/11/30 10:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング