SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

大阪ガスのデータ分析チームが「失敗プロジェクト」から学んだ、見つける/解く/使わせることの重要性

リードアーキテクト 國政秀太郎氏が語る「データドリブンな組織の作り方」とは

 データドリブンな組織とは、「戦略」「業務」「人/組織」「データシステム」の4つの要素が円滑に運用できている組織の状態だ。データドリブンな組織を作る上では、データ活用の目的を明確にし、データを活用する文化やリテラシーを形成する必要がある。本稿ではprimeNumberが主催するデータマネジメントを考えるイベント「01(zeroONE)2022 Autumn」で大阪ガスのリードアーキテクト 國政秀太郎氏が行ったセッションを紹介する。

データ分析が失敗する「見切り発車型」「宇宙人型」「欠席裁判型」の3つのパターン

 大阪ガスのビジネスアナリシスセンター リードアーキテクトを務める國政氏は、同社で機械学習(ML)を用いたマーケティング意思決定支援、IoT商材の新規事業支援、仮想発電所制御システムの開発などを行い、データ分析とクラウドを用いたアーキテクトの2つを駆使してプロジェクトを推進している。

 大阪ガスではBtoC、BtoBのエンドユーザー向けに、ガス機器の開発から販売、メンテナンスまでトータルサポートを提供。都市開発やフィットネス、ホームセキュリティなど、顧客の暮らしに寄り添うサービスも展開している。

 國政氏が所属するビジネスアナリシスセンターは、社内データの分析を主とした年間30以上のプロジェクトを回している。同氏は「データドリブン組織になるまで、これまでさまざまな失敗を乗り越えてきました」と述べ、具体的な事例について説明した。

 最初に大阪ガスの事例から、失敗するプロジェクトは3つに類型化されると解説を始める。

 1つ目は「見切り発車型」だ。データ分析は、データさえあれば始めることができる。しかし、投資対効果や分析後のアクションが事前合意できないままプロジェクトを進めてしまうと、ビジネス実装時に費用対効果が出せずに頓挫することになるという。

 2つ目は「宇宙人型」。データ分析は、実際に使うビジネスユニットがきちんと理解した上で使わなければならない。しかし、ビジネスユニットへのプレゼン資料に専門用語を入れたり、説明が統計やML関連のものに終始したりしてしまうと、ビジネスユニット側は分析結果をうまく業務に落とし込めず、結局使用しなくなる。

 3つ目は「欠席裁判型」だ。データ分析チームは、社内のさまざまな事業部のメンバーと関わらなければならない。しかし、直接の意思決定者でない人とばかり話を進めてしまうと、キーパーソンの合意がないまま話が進んでしまうことがある。その結果、現場から反発を受けてプロジェクトが遅延してしまったり、導入しても現場が分析結果を活用しなくなったりするという。

プロジェクトの失敗は、社内コミュニケーションに起因するものが多い
プロジェクトの失敗は、社内コミュニケーションに起因するものが多い
[画像クリックで拡大]

次のページ
データ分析を始める前に、「意思決定」と「利益」に貢献できるのか吟味する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/17066 2022/12/13 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング