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今、国産生成AIビジネスが熱い!4つの「日本型AIソリューション」から見えてきた可能性


NTT「tsuzumi」とNEC「cotomi」、日の丸LLMが始動

 ELYZAと同様、日本の大手IT企業が相次いで日本語特化型のLLMを発表した。2023年に発表され、2024年にサービスが開始されたNTTの「tsuzumi(つづみ)」とNECの「cotomi(コトミ)」である。

 両者とも「小さなLLM」であることを特徴としており、OpenAIをはじめとする米国のビッグテックの「大規模」言語モデルと比べるとパラメータ数は少ないが、日本語の処理性能においては高いという優位性を持つ。日本市場に特化したアプローチと、きめ細かなカスタマイズ能力で、業務の現場に貢献する役割を果たすと考えられる。

NTT Com :tsuzumiによるコンタクトセンターの革新

 「tsuzumiを活用し、次世代コンタクトセンターの開発を進め、5年間で1,000億円規模のビジネスを目指す」──こう宣言したのはNTT コミュニケーションズ(以下、NTT com) 代表取締役社長の小島克重氏。

 NTT Comとトランスコスモスは、AI時代のBPOソリューション提供拡大に向けた戦略的事業提携を締結した。狙いは両社のBPOサービスやコンタクトセンターであり、NTT Comがそのコアとなるtsuzumiを提供する。

 「トランスコスモスの豊富なカスタマーセンターの運用経験から得られたデータを活用し、tsuzumiの応答精度を向上させる。これにより、顧客の問い合わせに対してより的確な回答が可能になる」──2024年7月の合同会見で、小島社長はこう述べて、tsuzumiの特徴がカスタマーセンター業務に高い親和性を持つことを強調した。

(出典) NTTコミュニケーションズ [画像クリックで拡大]

 tsuzumiのカスタマーセンター業務用途のメリットは他にもある。tsuzumiの軽量性により、顧客の機密情報を含むデータを安全に扱えることも大きな利点だ。カスタマーセンターでは顧客の個人情報を扱うため、このセキュリティ面での強みは非常に重要となるからだ。

 さらに、自動化・省力化の実現がある。tsuzumiを活用することで、簡単な問い合わせには人を介さず直接自動回答できるようになる。これにより、オペレーターはより複雑な案件に集中できるようになり、サービス品質の向上につながり、時にはカスタマーハラスメントへの対処に使うことも考えられる(同社幹部)。

(出典) NTTコミュニケーションズ [画像クリックで拡大]

 小島社長は「業界や企業ごとに異なる専門用語や対応方針がある。tsuzumiは低コストで柔軟にチューニングできるため、各企業の特性に合わせた対応が可能」と述べ、tsuzumiの高いカスタマイズ性がカスタマーセンター業務に適していることも強調した。

 tsuzumiiはその軽量さゆえに、企業固有でかつセキュアな条件が求められるカスタマーセンターの適していることを、両社の幹部は力説した。NTT Comとトランスコスモスとの提携によるtsuzumiの活用は、日本型AIモデルの現実解として期待ができるだろう。

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NEC :cotomiによる基幹システムモダナイゼーション

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押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア...

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