データベースは、基本的な機能だけしか使っていなければ、それぞれの製品の差はなかなか見い出しにくいものだ。各データベースの特徴を引き出し、より効果的にデータベース製品を利用するには、もっともっとデータベースに依存したシステムの構築を考えてみるといいだろう。そうすることで、自社に合ったデータベースとは何かが、はっきりと見えてくるはずだ。
さまざまな角度からデータベースを比較してみる
まずは、以下の表を見てもらいたい。
これは、IBMが作成したDB2とOracleのライセンス価格比較表だ。5年間の保守費用を含めると、Oracleのライセンス価格は、DB2のおよそ2倍になるとのこと。大規模なシステムを構築する場合には、この価格差はばかにできない金額になるかもしれない。
しかしながら、DB2の機能とOracleの機能では、たとえ名称が同じ、あるいは似たようなものであっても、その中身まですべて同じかと言えば決してそうではない。DB2とOracleでは、大本のアーキテクチャが異なる部分もあり、同じ名称の機能でも実装方法や動作が異なることも多々あるのだ。
これらの違いは、ある尺度を持って比較すれば、どちらが優れていると言えるかもしれないが、文化の違いとしか言えないようなものも多く、一概には優劣を決められない。さらには、データベースのシステムを5年間運用する際に必要になるのは、ライセンスや保守の費用だけではない。運用管理の手間もあり、それらももちろんコストとして考慮する必要がある。
とはいえ、定価ベースのライセンス価格であれば、構成によってはDB2とOracleではそれなりの差が発生する可能性もあるわけだ。もし近々にシステム更新などを考えているのであれば、今一度データベースに注目し、さまざまな角度から比較してみるのもいいかもしれない。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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