SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Online Monthly Special

2008 R2、Denali、そしてSQL Azure… 日本マイクロソフトに聞くMicrosoft SQL Serverロードマップ


新機能が盛りだくさん、 期待度高まる新バージョン"Denali"

SQL Serverの次のバージョンはコードネームを「Denali(デナリ)」と言う。現在、一般ユーザにはCTP1(Community Technology Preview 1)が公開中だ。ちなみにDenaliは米アラスカ州にある国立公園の名前から取っている。余談だが、SQL Serverのメジャーバージョンのコードネームは「Shiloh(2000)」「Yukon(2005)」「Katmai(2008)」など、北米の国立公園に由来する。

Denaliは

・ミッションクリティカルコンフィデンス
・ブレークスルーインサイト
・クラウドオンユアターム(あなたの定義するクラウド)

という3つの主要コンセプトに沿って開発が進められている。ここでいくつかの注目すべき新機能について多田氏に伺った。

まずミッションクリティカルコンフィデンス。Denaliではダウンタイムを極限まで減らすべく、高可用性とディザスタリカバリ対応の大幅強化を謳っており、AlwaysOnと呼ばれるHADR(High Availability and Disaster Recovery)を、より迅速かつ柔軟に実現する構成が提供される。Availability Group という共有ディスクを介さずにサーバ間でデータベース毎の同期を可能にする構成では、最大4つまでのセカンダリ(同期セカンダリは2つまで)を設定できる。「SQL Serverではこれまでも高可用性やディザスタリカバリについてさまざまなインプリメントを実施してきましたが、統一された管理ツールで一気通貫に提供する必要がある結論というに達しました」と多田氏。

ミッションクリティカルな機能でもうひとつ見逃せないのがコードネーム”Apollo”と呼ばれる、カラム(列)ベースのクエリアクセラレータだ。これは、ロー(行)ではなくカラム単位でインデックスを作成することで、不要なカラムの入出力を抑え、高速なレスポンスを実現する機能で、「現在のSQL Serverに比べて、約10倍以上、場合によっては100倍以上の劇的なパフォーマンス向上が実現」(多田氏)するという。データの格納方向をヨコではなくタテに変えることで、高い圧縮率を実現し、高速化が図られるというわけだ。集計の作成やパフォーマンスチューニングにかかる労力も、この機能によって大幅に削減できるという。なお、このアクセラレータで使われている圧縮技術はPowerPivotと同じものだ。

次のインサイトについては、BI機能のエンハンスメントがメインになる。「BIを日常的に使う専門のアナリストから一般の業務ユーザまで、あらゆるレイヤの人々をカバー」(多田氏)するとのことだ。

現在、プロジェクト"Crescent"というコードネームで開発が進んでおり、とくにレポーティング機能の大幅な機能強化が期待できるという。

CrescentSilverlightを利用したインタラクティブなレポート作成機能です。ドラッグ&ドロップで簡単に表やグラフを貼り付けられ、プレゼンテーション時にもデータの絞込みを行うなど、より表現豊かで、新たなインサイトに基づいたプレゼンテーション資料やストーリーボードを誰もが作成できるようになるでしょう」(多田氏)

クラウドオンユアタームというのは、サーバーからクラウドに至る全てにおいて素早くスケールできるソリューションにより開発者/管理者の生産性を高く保つことをめざすものだ。

・新開発ツール"Juneau(コードネーム)"によるVisual Studioとのシームレスな統合
・ファイルやディレクトリなど非構造化データをデータベースに格納できる"FileTable"
・全文検索のパフォーマンス向上

などが挙げられる。とくに興味深いのが、SQL Server 2008から提供された機能"FILESTREAM"を使って実現したFileTableだ。世の中にはまだテキストや画像ファイルなど非構造化データが数多く存在するが、それらはモダンなRDBMSで扱うことはできない。つまりデータベースの内と外にデータが存在することになり、管理が煩雑になる。これを解決するためにDenaliではいったんFileTable上にこれらのデータを格納し、データベースの内外からシームレスにアクセスすることを可能にする。

「FileTableを用いることでファイルシステムに直接アクセスするプログラムを修正せずにデータをRDBに格納し、データベースのテーブル中のデータとしてもアクセス可能です。またFILESTREAM自体の大幅なパフォーマンスアップも図られています」(多田氏)

残念ならDenaliの正式リリースの時期についてはまだ発表できる段階にないというが、次のCTPの公開は近々行われる予定とのことだ。次のサイト中のリンクから登録することで、公開と同時に通知を受け取ることができる。 → http://www.sqlserverlaunch.com/
 

次のページ
クラウドならではのサービス提供を試行錯誤中 - SQL Azure

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Online Monthly Special連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3135 2012/02/10 17:37

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング