SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press(AD)

世界中で導入が加速する「データ統合」のキーテクノロジー!使い倒しがいのあるOracle GoldenGate活用術

使い方は工夫次第で広がる!GoldenGateは便利な“テクノロジー”だ

 GoldenGateの応用範囲は広い。例えばリアルタイムにデータウェアハウス処理をするためのデータ同期させるために使うことはもちろん、バックアップやディザスタリカバリといったデータ保全目的での遠隔地複製、さらにはインフラのバージョンアップのためにデータを旧システム/新システム間で同期させることなどにも使えるツールだ。

 内部動作を簡単に説明すると、GoldenGateはデータベースが作成するログファイルへアクセスし、変更のあったトランザクション部分のログを抽出、その変更部分を中間形式のデータに変換して複製する先のGoldenGateへ渡し、反映用のSQLに変換する。そのSQLを複製側データベースで実行する、というシンプルな動作だ。そのため、OSの違い、データベースの違いも超えてレプリケーションが行える。

 海外では歴史のあるツールであるため、当初データベース基盤の移行のために導入したこの製品を、移行後もフル活用した事例が数多くある。その活用事例をいくつか見てみよう。

活用事例1:サイロ化されたデータベースのデータを複製し別のデータベースで統合

 まずはOracle OpenWorldで発表され、Oracle Fusion Middleware Innovation Awards 2012を受賞したRaymond James社での事例だ。成長が激しい金融系の企業で、その歴史からシステムがサイロ化、それぞれのデータをまとめてどう活かすかが課題となっていた。そこでデータ統合を行うことを検討し、従来では即時性の無い古いデータを基にデータ分析せざるを得ない状況だったものを、データ統合により「5分前のデータを分析できる」ことを目標にシステム化の検討を進めていった。

そして、GoldenGateを利用し、挑戦的な目標値「1分前」を目指すことで採用が決定。結果として、分析が可能なデータは「9秒前」という驚異的な数字になったという。

cap
システムイメージ図

Oracle Blogs: Data Integration Customer Spotlight: Raymond James Financial

活用事例2:レポーティングの高速化→本番系も高速化→大幅なコスト削減

 

 次はトルコの大手テレコム会社、Türk Telekomの採用事例だ。

 経営の意思決定に必要なレポーティングのためには、ミッションクリティカルなCRM/ビリング/決済システムなど16種類のシステムからのリアルタイムなデータ取得が必要であった。この点は前述の活用事例1と同じようにGoldenGateで1つの本番データベースにリアルタイムなレプリケーションをすることで解決できるが、もう一つ課題があった。本番データベース上に存在するデータが大量なため、レポーティングの負荷が高く、全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼし、加えてストレージやバックアップといった運用コストも大幅に増加してしまう点だ。

 そこで、GoldenGateをさらに活用し、本番サーバのデータを450km以上離れた拠点にあるアーカイブ用のデータベースへ複製環境を構築、その後、定期的に本番サーバから古いデータのみを削除するという構築を行った。そのため、レポーティングの負荷はアーカイブ用データベースに集中させ、本番環境の負荷を軽減、さらに本番環境のストレージコスト等を大幅に削減することが可能となった。

cap
 

 結果的にUS$ 22 million(約20億円)のコスト削減にもつながった。

Oracle Customer Case : Türk Telekom Significantly Improves Performance with Turkey’s First Asynchronous, Real-Time Archiving Solution

活用事例3:GoldenGateでCRM強化→解約率が25%ダウン

 3つ目は衛星放送サービス大手、DirecTVの事例だ。様々な顧客の情報を蓄積する既存CRMのシステムから、データウェアハウスへのリアルタイム・レプリケーションをGoldenGateを使って実現することで、既存システムへの負荷を減らし、データアクセスの高速化を実現した。

 これにより、フィールドエンジニアの最適なアサインや、コールセンターでの応答率向上、効果的なキャンペーン実施へのデータ活用など、様々な効果を創出。最もベネフィットを得られた点としては、解約率が25%ダウンし顧客満足度もNo.1になったことが挙げられる。

活用事例4:日本における導入事例

 最後に国内の事例を紹介したい。従来、ひとつのシステムに1つのデータベースというのが一般的であり、データベースには読み込み/書き込みの処理が混在する。ある企業では、繁忙期になると検索系の負荷が集中するため、GoldenGateを用いてデータを「検索/分析用」「通常業務用」の2つに分割、負荷を分散した。これにより繁忙期の処理などの大量更新がかかる処理もなんなくこなせるようになったという。別の企業では、新規のサービスは新環境で構築し、新しいデータベースには、サービスの中心となるデータベースからリアルタイムにデータを同期してくるという柔軟な構成を取るケースもある。

cap

「性能に余裕がないから」とあきらめない――システム統合の前にデータ統合を

 事業の成功のためには、企業が活動する上で発生するデータをいかに活用するかが今後一層重要な点となってくる。自社のデータインフラを1から考えて再構成するまえにできることは多い。「データをレプリケーションさせる」という形の統合が最も素早く、低コストで実現できる方法だ。そのためのツールとして、GoldenGateを検討したい。紹介してきたように、GoldenGateの活用事例はさまざまだが、共通しているのは「欲しいデータを欲しいときに手に入れる」ことが可能となったことだろう。

 もちろん、データ移行のためのツールとしてGoldenGateを検討するというのも王道だ。数十時間の停止時間が想定されていたプロジェクトを数十分の停止時間に抑えて移行を実現したケースや、社内のレプリケーション技術の標準として採用し、複数のデータベースのアップグレードに活用するケースなど、採用事例は増えている。

 移行用途はもちろん、移行後もフル活用が可能なGoldenGateは、日本オラクルの各パートナーが積極的に採用し、国内でも事例が徐々に増えている。主なところでは、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、NTTデータ先端技術株式会社、新日鉄住金ソリューションズ株式会社、TIS株式会社などで、積極的にビジネスが展開されている。

 移行、パフォーマンス向上、レポーティング、分析、DWH、アーカイブ……これらの言葉にピンと来たITマネージャーは、ぜひGoldenGateの機能詳細を追いかけていってほしい。システム、データの「統合」に、最適な解法が見つかるかもしれない。

『データ統合による攻めの情報活用とコスト削減の両立』

 スカパーJSAT株式会社、京都府などのデータ活用事例が満載!

 ビッグデータ戦略を考えるマネジメント層からIT部門まで必見のホワイトペーパー

 無料ダウンロード⇒ http://selectbox.shoeisha.jp/article/253

『スカパーJSAT、Oracle GoldenGate のリアルタイム・レプリケーションを活用する負荷分散により、リスクの低いシステム移行環境を構築』

 スカパーJSAT株式会社のITシステム部では既存のITシステムを刷新するプロジェクトをスタート。Oracle GoldenGate によるレプリケーション環境がシステムの段階的な切替えを支援し、新システムへの移行におけるリスクの低減に貢献している。

 無料ダウンロード⇒ http://selectbox.shoeisha.jp/article/254

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

宮田健(ミヤタタケシ)

@IT記者を経て、現在はセキュリティに関するフリーライターとして活動する。エンタープライズ分野におけるセキュリティを追いかけつつ、普通の人にも興味を持ってもらえるためにはどうしたらいいか、日々模索を続けている。
著書に「Q&Aで考えるセキュリティ入門「木曜日のフルット」と学ぼう!」(MdN)、「デジタルの...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4535 2015/04/17 12:25

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング