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ビジネスクリティカルな業務システムはこうやって仮想化せよ!事例と最新技術で紐解く仮想化対応


仮想化プロジェクトでIT部門の意識改革も実現できた

 もう1つの事例は日本通運株式会社 常務理事 IT推進部長の野口 雄志氏が紹介した。日本通運でもNTTデータ同様にシステムが乱立し「スパゲティのような状態」だったという。そのため、高コスト体質およびベンダー依存という課題が生じていた。

日本通運株式会社 常務理事 IT推進部長 野口 雄志氏氏
 日本通運株式会社 常務理事 IT推進部長 野口 雄志氏氏

 検討段階で行ったのはビジネスインパクト分析とサービスレベル定義。NTTデータとほぼ同様のステップを踏んで現状を分析し、整理した。アーキテクチャはプール化、標準化、統合化、階層化などでシステム全体最適化を図りアプリとインフラの疎結合化を実現した。

 仮想化で得られた成果にはコスト削減、安定性強化、柔軟性強化、災害対策が挙げられる。安定性はVMHA(VMware High Availability)による冗長化で実現した。実際にシステム障害で切り替えが発生したことがあるが、「ユーザーは気づかないほど」短時間で切り替わったという。仮想化のプール化では「リードタイムが短縮できたのは大きいです」と野口氏は話す。またライフサイクルが異なるアプリとインフラを疎結合化することでそれぞれが影響し合わなくなるため、それぞれ最適な時期に更新できるようになりコスト最適化も図れるようになった。仮想化により削減できたコストは災害対策サイト構築に回すことができた。災害発生時には運用を切り替えられるセカンダリのデータセンターを構築したという。

 さらに野口氏は仮想化プロジェクトを通じて「IT部門の意識改革、カルチャーチェンジができた」と野口氏は胸を張る。カルチャーチェンジとは結果として生まれるものと意識的に創造していくべきものの2種類があるという。前者は先述したものであり、後者は予算編成のあり方を変える、機器調達のプロセスを変革する、PDCAを確立しコストとサービスレベルを進化させ続ける、個別最適から全体最適へ、などが挙げられる。成功体験に伴う意識改革は関係者の自信につながり、次世代にもつながる大きな効果となるという。

 最後に野口氏はプロジェクト成功のこつとして「やりたいことをきちんとITパートナーに伝えれば、パートナーは力を発揮しやすくなり、お互いの一体感にもつながります。結果的にWin-Winの関係が築けます」と話した。楽しみながら挑戦を続けるという野口氏の姿勢もプロジェクト成功の後押しとなっただろう。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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