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IBM新社長与那嶺氏、z Systemsを語る「メインフレームはレガシーではない」

メインフレームはコスト効率が極めて高い

 米国IBMのz Systems Software営業担当 バイス・プレジデントのレイモン ド・ジョーンズ氏は、メインフレームでは規模の経済が働いていて、じつはコスト効率は極めて高いものとなっていると説明する。ITシステムのコストに関する調査結果を見ると、世界の業務処理の68%がメインフレームで処理されているにもかかわらず、そのコストは全体の6%に過ぎないとのこと。これは大量な処理をメインフレームで集中的に処理しているからこその結果だ。

 またクラウド環境で数多くの仮想マシンを動かす際に、z Systemsなら最新のx86ベースのシステムよりも60%のコスト低減を図れるという試算もある。さらにz SystemsでのLinux環境では、パターン化されたソリューションを用いてイ ンストールや構成を高度に自動化できるという。これらもまた大きなコスト削減につながり、前出の集約による効果と合わせることで「最大80%のコスト削減を実現できます」とジョーンズ氏。メインフレーム活用で大きなコスト削減が可能になると主張する。

 もう1つ、z Systemsをプライベート・クラウドで利用する際の興味深い取り組みも紹介された。それがパブリック・クラウドで大規模な開発コミュニティへと発展しているBluemixを、z Systemsで利用できるようにしていくというものだ。これはBluemixの仕組みをz Systemsに移行させたもので、Bluemixの技術を使ってメインフレーム環境でも迅速で柔軟な開発が可能になる。実際にこれを活用すれば、半分のコストで2倍のスピードで開発が可能となる。

 ジョーンズ氏は、マウリ氏も指摘したすべてのアナリティクスがz Systemsで動かせるメリットについて、より詳しく解説した。データ分析をするための大きな課題の1つが、分析用のデータウェアハウスやデータマートなどにデータをオフロードすること。これで企業内にデータが分散してしまう。何度も同じデータをコピーして各種システムに渡すので「多い場合には同じデータを9回くらいコピーすることもあります」とジョーンズ氏。結果、システムは複雑になり不正発見なども遅れる。データのコピーには時間も資源もかかり、整合性がきちんととれていなければ分析や検索をしてもシステムごとに異なる答えが返ることになりかねない。

 「リレーショナルデータベースをなぜ作ったのか。それは、データの信憑性を得たかったからです。なのにデータを分散させることでそれが損なわれてしまいます」(ジョーンズ氏)

 メインフレーム1台で基幹のトランザクションの処理もアナリティクスもできれば、この問題は解決する。とはいえ、高性能なメインフレームは、オープン系のサーバーよりも価格が高い問題がある。しかし「z Systemsは高速に分析ができ、レポート制作も速い。そしてコピーせずに1台で実現できることで、結果的には分析処理の経済性はz Systemsを導入したほうが高くなります」とジョーンズ氏。分散型のデータウェアハウスとデータマートの仕組みより、環境もシンプルになるメリットも大きいと指摘する。

 ジョーンズ氏は、モバイルへの対応についても触れた。一般には、モバイルをハンドルするにはx86系のシステム環境を用意しデータをそこにオフロードしたほうがコストが安いと思われるだろう。しかしながら、z Systemsに集約したほうがx86ベースの環境よりも37%コストが安くなるとの試算がある。「さらにセキュリティの面でも、z Systemsに集約した方がコスト効果も信頼性も高まります」とジョーンズ氏。今後モバイルの重要性がさらに向上し、より高度な堅牢性、信頼性を求めるようになる。それを実現するためのコストまで考慮すれば、明らかにメインフレームに優位性があると主張する。

 IBMではさらに、こういった高度な性能、機能による高い集約率による経済性の向上だけでなく、ライセンスの考え方もより効率的になるように変更していくとのこと。例えば、アプリケーションが利用する資源に応じて課金する料金体系では、ワークロードがどこにあっても最適な価格を選択できることになり、従来より効率性が高まっている。

 「多くの企業ではメインフレームだけでなくさまざまなシステムを利用しています。そういう企業においては、じつはz Systemsのほうがコスト削減を実現できているのです。これは既存のz Systemsでの話であり、z13ならそれに加えてさらにデジタル・ビジネス実現のためのさまざまなメリットがあるのです」(ジョーンズ氏)

 当然ながら、z Systemsを活用することで得られるメリットについて相談できる人材もIBMでは多数用意している。「ぜひともIBMにデジタル・ビジネスの革新について相談して欲しい」とジョーンズ氏は語り、講演を終えた。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

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