SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press

World of WatsonのステージにCEO ジニー・ロメッティ氏登場、「WatsonはNo1」

 IBM World of Watson 2016で、もっとも大勢の人を集めたのがIBM CEO ジニー・ロメッティ氏のキーノートセッションだ。ロメッティ氏は、こういった大きなイベントの際にも、これまでキーノートのステージに登壇することはほとんどなかった。なので、日本の記者の前でこれだけ長時間に亘り講演を行うのはおそらく始めてのことだろう。今回新しくなった「Watsonのイベント」にロメッティ氏が登場したことからも、Watsonへのかなりの「力の入れよう」が伝わってくる。

WatsonのAIはArtificial IntelligenceではなくAugmented Intelligence

IBM CEO ジニー・ロメッティ氏
IBM CEO 
ジニー・ロメッティ氏

 「2020年までに、Watson関連の市場規模は1兆円を超えます。そしてWatsonは、ビジネス用のAIプラットフォームとしてはNo1の存在です」―冒頭からこう主張するのは、公の場に登場すること自体が珍しいIBM CEO ジニー・ロメッティ氏だ。

 Watsonは医療分野の診断システムのアシスタントとして、すでに2億人の患者のために使われている。教育現場でもWatsonは利用されており、これも大きく拡大している。

 「AIをビジネスとして行う際には、目標が大事です。IBMでは拡張知識(Augmented Intelligence)を大事にしています。そして、人と機械が一緒にやっていくことが重要です。一緒にやるためにも、知識の拡張が必要となるのです」(ロメッティ氏)

 重要なのは、ユーザーが持っている知財、つまりはデータだ。これは他人のものではなく、自分たちのためのものだ。データが基本的な競争力を生み出す「素」になる。なので、誰にデータを渡すかはかなり慎重にならなければならない。そしてデータの蓄積は、知識の累積ということ。データがあれば、Watsonが知識に変える。知識が生まれれば、それを使ってビジネスを変革できるのだ。

 もう1つ重要になるのがエコシステムだ。

 「WatsonはIBMだけのものではありません。エコシステムがあったからWatsonは可能となりました。たくさんの大学や研究所があり、大勢の開発者がいたから実現できました」とロメッティ氏。1つ1つの組織は小さなものかもしれないが、Watsonを活用した結果は大きなものとなっている。Watsonのエコシステムには、社員が10人しかいない会社もあれば1万人規模の会社もある。世界中の開発者が、自分の仕事のうちの53%でがコグニティブの機能を組み込むことに取り組んでいる。

 さらにWatsonを成功させるためには、エンタープライズレベルのクラウドも必要だと言う。IBMでは、クラウド上で誰もがWatsonの機能を使えるようにしている。そんなWatsonを活用するには、業界に特化することも鍵となる。業界特化型のWatsonとしては、すでに金融やヘルスケアの領域のものがある。

次のページ
Watsonは単なるAI技術ではなくコグニティブビジネスを実現するもの

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/8630 2016/10/31 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング