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20年だけじゃない。PostgreSQLの深く偉大な歴史を振り返る

PostgreSQLの未来

 PostgreSQLからはフォークも多く生まれた。PostgreSQLをベースにした製品は多数実在している。SRA OSSの「PowerGres」や富士通の「Enterprise PostgreSQL」はよく知られている。他にもデータウェアハウスアプライアンスの「Netezza」(IBMが買収)、並列処理可能な「Greenplum」、Amazon Web Serviceのデータウェアハウスサービスの「Redshift」、クラスタデータベースの「StormDB」、ストリーミングデータベースの「TelegraphCQ」とその商用版「Truviso」(シスコが買収)などもPostgreSQLをベースにしているのでフォークの一種と言える。フォークは本流ではないものの、PostgreSQLがあったからこそ生まれた功績と言えるだろう。

 PostgreSQLには多くの開発目標やテーマがある。性能に関しては長年取り組んできたテーマとなるが、性能向上のための施策は1つではない。開発者たちが「ここを変えればよくなる」という改善を多岐にわたり、いくつも積み重ねて性能を向上させてきた。可用性ならWAL(Write Ahead Logging)、ホットスタンバイ、ストリーミングレプリケーションなどのレプリケーション機能を拡張させてきた。

 そして2016年、現在はどうか。ハルデンベルク氏はコミュニティの広がりや、コミュニティメンバーを雇いPostgreSQLでビジネスをしている企業が多様に増えたことをたたえた。先に挙げたEnterpriseDBのほかにも海外なら2nd QuadrantやAWS、日本ならSRA OSS、NTTグループ、NECがある。加えて「コミュニティの初期段階から石井達夫さんなど日本からの貢献がありました。日本は常にコミュニティの一員でした」と同氏は日本の関与の強さも付け加えた。

 最後にハルデンベルク氏は「(30年前に始まった)Postgresプロジェクトが掲げた目標は達成され、成功しました」と指摘した。大学のプロジェクトとしてだけではなく、その後のデータベースに大きな影響を与えたという意味では功績は計り知れない。源流にBSDライセンスとバークレーの寛大な文化があり、これらが強力な支えとなりコミュニティを発展させたとも言える。そして多様な形で多くの関係者が力を合わせて改良を続けてきたことがPostgreSQLをここまで発展させた。偉大な歴史である。

ミッションクリティカルの要件でPostgreSQLだけではできないことを日立の技術でサポートする

 「ミッションクリティカルシステムへのPostgreSQL適用に向けた日立の取組み」と題して講演を行ったのは、日立製作所の稲垣 毅氏だ。日立は社会インフラを支えるITを展開してきた。「社会インフラは安定稼働が重要です」と稲垣氏。

日立製作所 稲垣 毅氏
日立製作所 稲垣 毅氏

 社会インフラでは「データベースの信頼性がIT基盤の信頼性につながります」と。そのためこれまではHiRDBなど自社製のデータベースシステムにこだわってきた。なぜPostgreSQLなのか。顧客の期待の変化がそこにはある。コスト低減から、IoTなどテクノロジーの先進性がOSSでは注目されていると指摘する。

 ミッションクリティカルでは24時間365日止まらない、データ欠損を許さない高信頼性、高いサポート体制、高品質が求められる。PostgreSQLとHiRDBを比較すると、たとえば可用性面では同期レプリケーションの際に、PostgreSQLは性能劣化が懸念される。

 日立ではPostgreSQLだけでは実現できない高度な要件に、これまで培ってきた技術を適用し、高可用性システムの実現をサポートしている。障害対応、障害検知では、自社製のHAモニターを使うことで日立のハードウェアとの組み合わせて幅広い障害にも対応可能だ。

 PostgreSQLのエキスパート人材の育成も強化しており、技術力のあるHiRDBの技術者をアサインしている。さらにコミュニティ活動としてPGEConsにも参加し、開発コミュニティへの貢献も今後は行っていく。また、日立にはサポート360というワンストップサポートがあり、全国300カ所のサポート拠点をPostgreSQLでも活用できるのも強味となっている。

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PostgreSQLはデジタル時代に最適なデータベース

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