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『事業変革時代のキャリア論が必要なワケ』 生涯第一線のプロフェッショナルになるためのキャリア教育とは?-慶應義塾大学大学院 高橋俊介特任教授インタビュー(第2回)

前回は、20世紀までのキャリア論の変遷、時代がどのように変化しているのかを解説いただきました。今回は、21世紀のキャリア像として重要な3つのポイントと新しいキャリア像としての「生涯第一線のプロフェッショナル」という働き方、その基礎力をつけるためのキャリア教育の見直しについて解説いただきます。

21世紀のキャリア像として重要な3つのポイント

 まず一つ目は、「目標より習慣」というポイントです。職種としてのキャリア目標を作ることには、あまり意味がありません。「21世紀のキャリアを考える研究会」の調査によって、10個のキャリアコンピタンシーが重要であると明らかになりました。

 キャリアコンピタンシーは、特定の仕事ができる能力や資格といった表面的なエンプロイヤビリティ(雇用され得る能力)ではなく、変化が激しい世の中でも継続的に自分のキャリアや人生を前向きに切り開き続ける能力を意味します。行動特性や思考特性として分析してわかったのが、以下のキャリアコンピタンシーです。

図1:10個のキャリアコンピテンシー

 そして二つ目は、「普遍性の高い学び」というポイントです。同じことを表面的にしか学ばない人は、応用力を身につけられません。これを私は「カーナビ症候群」と呼んでいます。カーナビには検索機能が備わっていて、行き先を入れると自動的に「このように行きなさい」と表示されます。けれど、その通り運転している限り、自分で道がわかることは永久にありません。どうやって自分で道を考えていいかわからなくなるからです。しかし、「カーナビ症候群」が、今の若い人たちに非常に蔓延しています。「答えを教えてください。どうやればいいですか?」と。上司はカーナビではありません。

 便利になったがゆえに、基礎理論をしっかり学ばず、自分で考えることもしない。言われたとおりに、そのままやるだけです。それでは、今後重要な「普遍性の高い学び」は実践できません。

 最後に三つ目は、「明確な仕事観」というポイントです。「仕事観を語れないと面接に通らない」という教育を受けるため、今の若い人たちは仕事観を持つことを強要されています。仕事に対して、思い込みや勘違いをしている可能性が大きいです。そもそも、働いてないのに仕事観を持つことは無理ですよね。

 一方で、最も仕事観が希薄なのは、40歳代の人たちです。私は「バブル入社問題」と呼んでいますが、彼らには、定年まで20年間は勤めてもらわなければなりません。雇用者側、当事者側の双方で、「何のために仕事をしているのか?」を考え直してもらわなければいけない。「あなたはどういう価値を提供できるのか?」を探すことでもあります。それができなければ、管理職にもなれないし、天下り先もないわけです。今は連結決算の企業が多いので、変な人間を関連会社に送り込んで、決算が悪くなったら困る。甘い話は現在の日本には、ほとんどありません。

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