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(第27回) 「企業変革」には何が必要なのか?企業の進化を成功させる“4つの鍵”

事業環境が大きく変化する現在。企業が生き残るには、既存の枠組みにとらわれず、戦略と実行をセットにしてPDCAを高速で回すことで、さらなる「市場追随性」を高めた経営を行うことが必要です。今回から2回にわけ連載の最終章として、日本企業の進化を「成功させる4つの鍵」とそれを導く「ビジネスリーダー」の人材像をまとめていきます。今回は、「成功させる4つの鍵」を解説します。

「戦略」と「実行」をセットで“詳細に速く”PDCAを回すスパイラル型アプローチ

 今回の連載を通じて、金融、ハイテク・通信、重工・インフラ、消費財・流通、製薬とさまざまな業界にわたり、その業界を例としながらも業界横断の「共通テーマ」となるお話しをしてきました。

 「グローバル化」、「デジタル化などによるテクノロジー革新」、日本に限らず世界多くの国での「少子高齢化」、「エネルギー問題」など、市場環境が大きく変わってきているなかで、どのように生き残っていくのか。

 その方向性については、連載第2回で詳述させて頂きました。いくつかをあらためて申し上げると、海外市場で成功するための「グローカライズモデル」の確立、コモディティ化が進む製品単体や機能の訴求ではない「サービス化」や「体感価値(カスタマーエクスペリエンス)追求による高付加価値化」、などの進化の方向性です。

 経営は、「戦略」と「実行」に分解されますが、上記のような進化を実現するには、戦略と実行をセットで磨きあげないといけません。実行のための「組織や管理、オペレーション」をどのように変えていくのか、自社のケイパビリティが足りない場合は選択肢の一つとして「M&A」をどのように進めるのか、ということまで垂直統合的にお話しさせていただきました。

 戦略と実行の関係性ですが、かつてのような“予定調和的”、つまり先に戦略ありきで、それをもとに実行を粛々と進めればいい、という時代ではなくなりました。戦後の高度経済成長期であれば、お手本(ロールモデル)となる欧米企業に追随・キャッチアップするという戦略があり、実現するために必死に実行を回すという、ウォーターフォール型アプローチが通用した訳です。今よりはるかに技術も金もない中で、必死に欧米企業にキャッチアップした実行力には、一日本人として大いに尊敬も敬服もしていますが、少なくとも目指す姿は明らかだったと思います。

 今は模倣すべき絶対的なロールモデルはありません。今日の勝者は、明日の敗者。筆者は2011年2月バルセロナでのMWC(Mobile World Congress)でアップルの退潮を確信し、前著にそう記しました。今は世界ではAndroidが主流プラットフォームですが、それも新興国市場の台頭でHTML5ベースに移っていくでしょう。世界市場で好調の韓国企業も、経営者の代替わりや通貨高など国際状況次第で敗者になるでしょう。韓国企業を追い上げる中国企業も労働市場の高騰に直面しているし、中長期的には母国の国体・政体がどうなるかというリスクも抱えています。そして、ASEANやミャンマーなどの新・新興国も勃興しており、現地財閥企業も台頭してくるでしょう。市場はリアルタイムに移ろいゆくのです。

 こうして目まぐるしく勝者が入れ替わる現在、絶対安定のロールモデルなどありません。つまり、絶対的かつ継続的に正しいであろう戦略など有りはしないのです。アップルも、グーグルも、フェイスブックも、その他企業も、皆生き残るために必死で試行錯誤を繰り返しています。

 したがって戦略そのものも、実行の過程で市場環境の変化や実行上の学びというフィードバックを受けて、よりリアルタイムに近い形で継続的に磨き上げられる必要があります。このように「戦略」と「実行」は、より細かく速い粒度で、対になってPDCAが回っていかなければなりません

 弊社も、戦略から実行までワンストップでご支援させて頂いていますが、実行の段階でさまざまな課題や越えるべきチャレンジが見えてきて、それを受けて戦略もほぼリアルタイムに近い形でどんどんブラッシュアップされていきます。やはり戦略と実行の相互間で、フィードバック・ループが高速で回転しており、「戦略」と「実行」を切り分けられなくなってきているというのが実感です。したがって、従来型の「ウォーターフォール的」なアプローチではなく、より「スパイラル的」な細かい粒度で速くPDCAを回すかたちになっていかなければいけないと思います。

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連載:日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢

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