SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

イノベーターの本棚

「消費者との共創」をいかに実現するのか?コ・イノベーション時代のビジネスモデルを考える

第10回:イノベーションに効く翻訳書06:『コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて』 

イノベーションの新時代-多くのパートナーと「個客」のニーズに対応する

 本書「コ・イノベーション経営」と「ネクスト・マーケット」は、2004年に発刊されたものです。それまでは、イノベーションといえば、主にプロダクトやサービスまたは業務プロセスのイノベーションに焦点が置かれるものでした。プラハード氏の提唱により、消費者との共創による経験のイノベーション、新興国によるリバース・イノベーションという新しい考え方が生まれ、現実のビジネス世界に大きな影響を与えました。じっくり読み返してみると、当時の事例はさておき、10年前に出版されたものとは思えないぐらいの新鮮さと予見力に脱帽してしまいます。プラハード氏の生まれが1941年ということを考えると、なおさら驚きです。プラハード氏が、経営学者というよりはビジネス思想家として高い評価を得ている所以です。

 その後、この2冊の集大成ともいえる「イノベーションの新時代(原題:The new Age of Innovation)」が出版され、新しいビジネスモデルの到来を予言しています(図6)。そこでは、個客経験の共創とグローバル資源の利用というビジネスモデルの大きな2つの柱を見据えて、消費者全体を視野に入れながら自社単独でそのニーズを満たそうとするビジネスモデルから、多くの企業が力を合わせて1人1人の消費者(個客)のニーズに対応するビジネスモデルへの変革が描かれています。

個客経験の共創とグローバル資源の利用
図6:個客経験の共創とグローバル資源の利用

 本書は、ビジネスモデルのイノベーションに取り組んでいるビジネス層のみならず、顧客イノベーションの改善に励むマーケティング担当者、ビッグデータやビジネスアナリティクスといったテクノロジーや手法のビジネス活用を考えているデータサイエンティストにとっても非常に参考になるかと思います。

 プラハード氏は、残念ながら2010年に他界してしまいましたが、天国でも今後のビジネスはどうなっていくのか、どうあるべきかの考察に余念がないことでしょう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
イノベーターの本棚連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5397 2013/12/20 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング