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Oracle Database Standard Editionユーザーが次に選ぶべきDBはどれだ?!《前編》

「この機会にEEを」というユーザーにODAは有効かつ最適解

谷川:前章で岸和田さんが、「ODAを使ってSEからEEにステップアップ」というお話をされていましたが、実際のところSE1もEEもデータベースエンジンは同じで、インストールすら違いません。ただライセンス上の使い方だけが異なっているのですが、世の中のユーザーはどう使い分けているのでしょう。

渡部:Oracleは主に基幹系で使われてきたので、ユーザーの側にもEEを使うのが当たり前という世界があったとは思います。その流れでずっとEEを使っているお客様もいれば、どこかのタイミングで、Oracleからの移行は考えないけれど、一部のシステムはSEにダウンサイジングしてもいいと考えるお客様がいるのではないかと思います。

谷川:データベースの優先度や重要度で検討した上で、サブシステムなどの一部はコスト的にも運用的にも軽量化していくという考え方ですね。岸和田さんは、どうご覧になりますか。

岸和田:私はまた少し違う印象を持っています。というのも当社でODAに移行されたユーザーは、移行前にSEを基幹業務で使っていたケースが多いからなのです。もちろん「基幹」の定義にもよりますが、たとえば生産管理システムのバックエンドや、他社とのビジネス上のやりとりで不可欠のデータベースとか、あるいはEC系サイトのバックエンドのような絶対に止められないシステムに導入しているお客さまが、予想外に多かったのです。

株式会社アシスト 岸和田 隆氏
岸和田 隆(きしわだ たかし)氏
株式会社アシスト データベース技術本部 ビジネス推進部 部長
OracleDBの研修講師、フィールド技術、製品検証担当を経て、2007年 自社ブランド「DODAI」の準アプライアンス製品の企画・開発。その後、ODA、Exadataを含む新製品の立上を担当。現在「データベースのアシスト」を目指した活動に従事。

谷川:そういうユーザーは、やはりSEのライセンスの目いっぱいの範囲でRAC(Real Application Clusters)などを組んで使っているわけですか。

岸和田:SE+RACもしくはサードパーティー製品のクラスタリングを使ってHA構成というケースが多いですね。でもこれだと、当然ながらそのうち性能的に限界が出てきます。それで、この先どうしたらよいかというご相談をいただくのです。具体的には、パーテーションとか、あるいは夜間バッチの突き抜けをどう手当するとか。あるいは、そういう業務系のSQLというのはどうしても複雑になるので、その解決策が欲しいというわけです。

谷川:制限だらけの中でチューニングしているわけですから、工数もコストもかなりなものになりますね。現場としても経営としても、そのまま放置するわけにはいかないでしょう。

岸和田:そこで、「じゃあリプレースをどうするのか?」という話になるんです。そうなるともちろん皆さんEEはご存知で使いたいけれど、コスト的にやはり採用できない。さてどうするか? というところにODAがジャストフィットするのです。ODAの非常にいいところは、導入コストが安いだけでなく、Capacity-on-demandで利用するCPUが2CPUコア(1プロセッサライセンス)ずつなので、「小さく始めて、小さく拡張していける」点です。なので、この先パワーが足りなくなったら2CPUコア(1プロセッサライセンス)ずつ足していきましょうという計画が立てられるのです。そもそもアプライアンスだからワンパッケージになっているので、決めさえすれば、後はすんなり導入できるのも魅力です。

他製品への移行ではトータルコストを考えることが必要

谷川:SE/SE1からSE2になってライセンス料が上がった結果、「それならオープンソースソフトウェア(以下、OSS)にしよう」と言うようなお客様はいますか。

谷川 耕一氏
谷川 耕一氏(たにかわ こういち)氏
EnterpriseZine/DB Onlineチーフキュレーター。ブレインハーツ取締役
AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにしたソフトハウスの経営とライターの二足の草鞋を履いている。

岸和田:そういうお客様はいますし、当社でも取り扱っています。Oracleと互換性があるOSSのデータベースなので引き合いも多いのですが、ただ実際のところOracle SEから移行したのは、ユーザー全体の10%程度です。というのも、SE/SE1からOSSへの移行コストが意外にかさむのです。それを運用でカバーできるかというと、費用対効果としてなかなか厳しいのが事実です。

谷川:仮にライセンス料が安くなったとしても、移行コスト自体が負担になってしまっては、本末転倒ですからね。渡部さんの会社は技術サポートがメインですが、そうしたマイグレーションに関する話は何かありますか。

渡部:パターンとしては、岸和田さんとほぼ同じですね。ライセンス料の値上がりに対する不満含みでデータベース移行の検討は多いけれど、イニシャルコストがかかるのでなかなか踏み切れないという。もっとも不満はあるので、いろいろとあいまいな状況のまま相談に来て、こちらがこれだけのコストがかかりますという試算を示すと「じゃあ、また来ます」となるパターンが多いですね。当社としても、いざやれば苦労するのは目に見えているし、その割にコスト削減にもほとんどならないので、コスト削減効果を期待しているお客さんにとってハッピーな構図が見えないんです。

岸和田:当社がODAへの移行を強く勧めているのも、移行した場合のトータルコストがおさえられて、結果的にお客様にとってメリットが多いからなんです。いくつもあるSE/SE1をODAにまとめてしまえば当然トータルコストが下がります。また最初のライセンスをEEで購入しておけば、ハードウェアの性能が高いので、既存のSE/SE1のデータベースをOracle Multitenantなどの機能で移行・集約していけば、そのつど追加のライセンスを購入する必要がありません。

谷川:そうすると、今後もSE2で数多くのデータベースを立てていく予定がある場合には、どこかのタイミングで見直して、集約するかどうするかという判断もあり得るわけですね。

岸和田:そうですね。あとは新規をどう考えるか。新しく立ち上げるときに、どういうデータベースやプラットフォームをチョイスしていくのかという話になると思います。その場合は当然ながらOracleやSE以外の選択肢も出てきて、それをお客さんがどう判断するかという話になっていきます。

後編に続く

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この記事の著者

工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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