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なぜ企業のビックデータ活用はうまくいかないのか?―あらためて「本当に欲しいデータ」について考える

ご本尊は不要。必要な時だけ分析結果を出せればいい

横井:ビジネスにおいて、正しくビッグデータを活用いただくことを実現するにあたり、いま足りないものは何でしょうか。

岡:PaaSの恩恵は最大限に生かしたいと考えています。目標としてはNoOpsで運用レス。データの観点から見ると、PaaSだとインフラの複雑な部分はクラウド側に任せられるので、とりまわしが軽いまま帯域を広げられるという利点があります。

横井:これからは Azure Container Service (AKS) など、コンテナの利用が広がりそうです。

岡:データ分析とコンテナは特に相性がいいと思います。いろいろと試せますから。あと継続的に使うことを考えると、世代管理も重要です。特にAIだと、過学習してしまった時に前のバージョンに戻す必要があります。それが可能かどうかは重要です。

横井:いまマイクロソフトはクラウドサービスを増やしていますが、ストーリーが見えにくいのかなというところが反省点かなと思いました。網野さんからは何かありますか?

網野:分散と集中って揺れ動きますよね。ビジネスでも技術でも。かつては「ご本尊(大型システム)」があったから、上にのせるシステムは極力共通化する必要がありました。クラウド時代の今なら個別最適でもいいと思います。

横井:NoOpsについてはどうですか?

網野:実際に岡さんたちに作ってもらっている仕組みがまさにNoOpsです。ぼくたちはクライアント企業の研究開発部門のような存在です。一時的にデータを全て預かり、分析します。「これいいじゃん」となれば、今度はクライアント企業でデータ分析の工場(プラットフォーム)と生産ライン(分析結果を出すもの)を作ります。NoOpsだと必要な時だけ生産ラインが自動で作られ、処理が終われば自動で生産ラインが消えていきます。

岡:データ分析にコンテナやサーバーレスはとても相性がいいです。新しい部品が出たらそれを使った環境をすぐ構築できますし。また電源入れっぱなしではないのでメモリリークも起きません。いわばご本尊がなくても、「パンパン」と手をたたけば神様が生産ラインを作ってくれます。分析結果が出たら神様が「さらば!」と消えていくみたいな。

網野:実際には決まった時間に駆動するので、パンパンと手を叩いて神様を召喚するところも自動化されてますよ。

横井:知らない間に全て終わってて、ごんぎつねみたいですね。「ごん、おまえだったのか!」

高木:本当にIT担当者はいないのですか?

岡:運用のインジケーターで問題がないことを確認する程度ですね。サーバーレスだとハードウェアを固定するがゆえのシステムトラブルはありえません。システムが上がらなかったら別のリージョンで立ち上げればいい。……という世界を目指すべきだと思います。

横井:サーバーレスは「ご本尊は要らない」という話だと理解しました。

岡:あとロックイン。かつてはポータビリティがなくなるからロックインが嫌われていました。しかし今は数億件だろうと、データ移動は難しくありません。ソースコード以外にロックインはないと考えていいでしょう。それに今の顧客は「このベンダーはロックインしようとしている」と感じ取ると逃げます。ここ数年で価値観が変わってきています。

横井:お客様がベンダーロックインを避けたいとはいえ、それが特定の製品、クラウドを選ぶ理由にはならないと思うんですよね。私たちとしては、お客様が何にデータを使いたいかに意識を向けていこうと思っています。ぜひ、まずは使って試してもらいたいです。

岡:技術選定を考えると、既存技術との親和性が選択につながると思います。入り口に親和性、プラスしてやりたいことにフィットする特徴があるとよりいいと思います。

横井:最近だと認証が決め手になって、弊社のデータ系ワークロードが採用されたケースがありました。そのお客様は「Azureならシングルサインオンが簡単にできるから、他社 SaaS や、データベースなどとの連携のための ID 管理を自分でやらないといけないと思っていたが、Azure AD とフェデレーションに思い切って認証を任せてしまうことで、本当にやりたいデータ回りのことに集中できる」とのことでした。マイクロソフトの強みは、ビッグデータ以外にも認証基盤 (IDaaS)や、Power BI などの可視化までそろっていること。データ以外のことにお悩みの方、是非一度触ってみてください。実はシンプルに取り回しよくまとめられるヒントになるようなアイデアがわくと思います。

 さて、そろそろ締めようかと思います。今、マイクロソフトではお客様の声に耳を傾けることが最も重要だと考えています。特に開発部門はConnectというフィードバックが寄せられるサイトに目を通すことを徹底しています。それで製品がどんどん変わっているんですよ。日本語で書いてもちゃんと届きますので、ぜひ要望をどんどんお寄せください。本日は皆様、率直なお話をいただきましてありがとうございました。

●SQL Server フィードバック先(直接開発部門が読んでいるとのこと)
●バグ報告受付中製品およびサービス一覧
●提案受付中製品およびサービス一覧

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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