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ミッションクリティカル向けVMAXをさらに進化させたNVMe対応のPowerMaxでDell Technologiesが目指すもの

PowerMaxはNVMeにEnd-to-Endで対応しSCMもレディ

Q:

 オールフラッシュストレージは、これまでもDell EMCから提供されていました。今回のPowerMaxはそれらと何が違うのでしょうか?

ハヤット氏:

 大きな違いの一つが、新しいNVM Express(NVMe)の技術にEnd-to-Endに対応していることです。これにより我々は、NVMe分野のテクノロジーリーダーになったと自負しています。NVMeについては、2019年以降主要な技術となるでしょう。PowerMaxでは単にNVMeを搭載できるようにしただけでなく、ネットワークなども含めNVMe over Fabricでの対応となっています。

 PowerMaxではさらに、次に来るSCMへの対応も見据えた設計となっています。NVMeやSCMは、NAND型よりも性能が高くレイテンシーもかなり低くなります。AIや機械学習技術などで大量なデータを扱うには、これらの新しい技術が必要になります。PowerMaxでは、これらを1つの装置で活用できます。

 もう1つ、PowerMaxでは、内部でリアルタイムの機械学習を行っています。4,000万ものデータセットに対し1日に60億回もの判断を行い、データを自動で最適配置し予防保守なども実現しています。データ量も増えているので、既に最適な配置の判断を人が行うことはできません。機械学習でストレージが自律的に処理する必要があるのです。この機械学習の活用は、ストレージ性能の向上に大きく貢献しています。今後はさらに記録メディアの性能が上がってくるので、ワークロードに応じてデータを最適配置する技術はより重要性を増すでしょう。

 またPowerMaxには最新の重複排除や圧縮技術も搭載されており、これらも性能改善や有効容量の拡大などに寄与しています。

ソウォレンスキー氏:

 PowerMaxは競合製品と比べても、かなりユニークなポジションにあります。たとえばアプリケーションやデータベースなどのワークロードを分析し、必要な性能レベルに合わせて、コントローラをマルチに拡張できる点などは競合製品がなかなか追いつけないところだと思います。

内部で機械学習技術を活用することで性能も信頼性も向上する

Q:

 AIを使い4,000万データセットに対し1日に60億回もの判断を内部で行うと、その処理がストレージ性能に影響を与えませんか?

ハヤット氏:

 全く影響はありません。PowerMaxの1つのブリック(デュアル・ストレージコントローラ)にはCPUが72コア装備され、それが8ブリックあるので合計で576コアものCPU性能があります。この豊富なCPUリソースは、機械学習の処理、フロントエンド及びバックエンドのIO処理用等毎に個別にプール化されており、それぞれのリソース同士が影響を及ぼすことがない仕組みになっています。そのため、性能劣化は一切なく、機械学習結果を活用することでIO性能を向上できるのです。

 Dell Technologiesでは、既にAIや機械学習技術を使いさまざまな問題解決を行っています。予防保守などもその一つです。その他にもDell Technologiesのビジネスオペレーションの中で、AIや機械学習を活用できるところがあると考え、取り組み始めています。今後はさまざまな製品で、AIや機械学習を活用していきます。既にUnityなどに対応したクラウドベースのStorage AnalyticsのCloudIQというサービスがあり、ここではAI技術を使って性能、容量、データ保護、システム構成に関する包括的な稼働状態分析を行うことで最適な容量計画をサポートしたり、予測分析によってプロアクティブな問題改善策を提示するなどの機能を提供しています。

Q:

 PowerMaxは独自の仕組みで高性能化していますが、NVMeといった標準化された技術の活用も促進されていると思います。今後、どのように差別化を図っていくのでしょうか?

ソウォレンスキー氏:

 まず、技術の標準化については、Dell Technologiesとして信念を持って取り組んでいます。技術の標準化と標準化技術の活用は、業界全体の技術発展のためにとても重要であるだけでなく、独自技術よりもコストが下がりやすいことで、お客様にそれを還元し、費用対効果を改善していくこともできます。次に、その標準化された技術を最大限に活かす上で重要となるのは、ハードウェアで差別化するのではなく、アーキテクチャとソフトウェアで独自の価値を作り出すことです。そのためPowerMaxのさまざまな機能も、実はSoftware-Definedで実現しています。PowerMaxとVMwareの技術が一緒になることでも、新たなイノベーションが実現します。たとえばPowerMaxはミッションクリティカルな要件に対応するようになっていますが、これにVMwareの技術が加わるとさらに高い可用性を実現できます。

ハヤット氏:

 Dell EMCには、まだまだソフトウェアに力を入れているイメージはないかもしれません。とはいえPowerMaxのベースとなっているハイエンドストレージも2009年からインテルのCPUによるx86アーキテクチャに移行し、ソフトウェアでの差別化に注力してきました。NVMeをいち早く導入しさらにSCMにも対応できるのも、ソフトウェアに注力しているからこそなのです。

次のページ
PowerMaxの対象は高い性能が求められると同時に止めることが許されないもの

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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