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統計センターのオープンデータ活用を支えるOracle CloudとOracle Spatial and Graph

Oracle Cloud上でOracle Spatial and Graphを最大限に生かすコンサルタントのサポート体制

 統計LODは、インターネットで外部にデータを公開するシステムだ。まずは試験的にOracle Cloudの利用を始め、Oracle Cloudの機能、性能、さらにはOracleのサポート体制も含めた総合的な評価が行われた。結果的には「クラウドに移行してみたら、最新機能の活用などにより、性能は初期バージョンとは雲泥の差でした」と西村氏。RDFにも最適化できるSpatial and Graphは、Oracle CloudのDatabase Serviceでもオンプレミスと同じように利用できる。その上でDatabase In-Memoryなどの新しい機能を組み合わせることで、結果的に高い処理性能が発揮されたのだ。

 また、Oracle Cloudの柔軟な価格モデルも評価された。Oracle Cloudには、ユニバーサル・クレジットと呼ばれるクラウドサービスの使用モデルがある。ユニバーサル・クレジットは一度契約すれば新たな契約の必要なくさまざまなOracleのIaaS、PaaSをクラウド上で利用できる。「シンプルな価格モデルで、追加料金なしでさまざまな製品を利用できるのは、新しい技術をいち早く試してみたいというニーズには使いやすいものがあります」と西村氏は言う。

 Oracle Cloudへの移行に合わせ、公開するデータ量を大幅に増やしている。「現在統計LODでは、13億トリプルのデータを公開しています。世界的にもLODで公開されるデータは増えてきていますが、10億トリプルを越えるデータを公開している例はあまりありません」と西村氏、Oracle Cloud上で実現されている統計LODは、世界でもトップクラスのオープンデータのサービスプラットフォームになっているのだ。

 Oracle Spatial and Graphを採用したことで、RDFの提供機能の進化や信頼性の確保についてはOracleに任せられる。これは大きなメリットだという。仮にオープンソースの仕組みを使っていれば、何か問題があった際には自分たちで原因を究明し自分たちで解決しなければならない。「Oracleのコンサル部隊のサポートと合わせ、OracleにOracle Cloudの最適な基盤設計やRDFの提供部分を任すことができるので、我々は公開する統計のデータを作ることに注力できます。RDFはまだシステム的には成熟していないものでもあるので、そこをOracleに任せられるのは良いところです。今後さらにOracle Spatial and Graphの技術革新にも期待しています」(西村氏)

 さらに「当初、10億トリプルを越えるデータ量は想定していませんでした。こんなに沢山入れたら、まともに動かないのではと考えていました」と西村氏は振り返る。13億トリプルのデータに対し、オンプレミスと同等かそれ以上の性能でOracle CloudのSpatial and Graphの機能は動いており、現状では一定の処理性能が出ている。Oracle Cloudはオンプレミスもクラウドもアーキテクチャが同じで、ハイブリッドの環境でも各種設定などが容易に行えることも使いやすいと評価する。ただし、性能は大幅に向上したが、APIなどオンラインで使用するためには、まだまだ性能の向上が必要だ。今後のバージョンでの性能改善がさらに期待されるところだ。

 この環境を実現するためには、Oracleコンサルもサポートそしている。RDFを公開する上でどのように構造化したデータを作ればいいのか、また検索性能のチューニングやCloud基盤の運用管理といった面でのアドバイスなども処理の効率化には大きく貢献している。

「データをOracle Databaseにさえ入れれば何も心配しなくていい」という状態が理想

 現時点で13億トリプルの統計データの公開は、世界的にも規模の大きなデータ量だ。しかしながらこの規模でも、e-Statに蓄積されているデータのほんの一部に過ぎない。将来的には、e-Statの全てのデータを公開することが理想だ。

「そうなれば今の100倍、1,000倍といったデータを扱うことになります。その際に求められる性能がきちんと出るのかは難しいところでしょう。それが実現される際には、もしかしたら集中型ではなく分散型のプラットフォームが必要になるかもしれません」(西村氏)

 e-Stat、統計LODの仕組みの構築、運用について、Oracleのサポート体制には概ね満足していると西村氏は言う。Oracle Cloudは今後、日本リージョンのデータセンターも開設されることもあり、性能、機能面のさらなる向上については期待がかかっている。そして「今後データが増えていった際に、Oracle Databaseにデータを入れさえすれば大丈夫となり、我々にはチューニングをするようなデータベースのスペシャリストは必要ないとなってほしいですね」と西村氏は語った。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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