SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press

オバマ大統領の再選を支えたAmazonクラウドの舞台裏

「Obama for America」とは、昨年行われた米国大統領選挙における、オバマ大統領の選挙本部のこと。この選挙、日本とは大きく異なり、最大限にソーシャルネットワークやインターネットを活用したものとして有名だ。実際にはそれらだけでなく、さまざまなITシステムが活用された。Obama for Americaが利用したITシステムの数は200を超える。そして、それらシステムが稼働していたのがAmazon Web Servicesのクラウドの上だった。

オバマ大統領再選のための選挙活動は40,000人を超えるボランティアによって支えられていた

Amazon Web Servicesでソリューションアーキテクトを務めるマイルス・ワード氏
Amazon Web Servicesで
ソリューションアーキテクトを務める
マイルス・ワード氏

 Amazon Web Servicesが、会社としてオバマ大統領を支援していたということではない。Obama for Americaは基本的にボランティアによって運営される組織。ボランティアの数は40,000人以上。そのボランティアの1人に、Amazon Web Servicesのソリューションアーキテクトであるマイルス・ワード氏がいた。彼はITエンジニアとして、Obama for Americaの活動をサポートしたのだ。

 「Obama for Americaで利用するシステムは、facebookやMySpaceなどから情報を収集しなければなりません。これはまさにビッグデータの活用であり、イノベーションが必要です。さらに11月7日の投票日に向かって、ユーザーの急激な増加にも対応しなければなりません。」(マイルス氏)

 Obama for Americaでは、寄付を集める仕組みなど、世界で約30番目に大きいEコマースを運用することでもあった。当然ながら安全な支払いの仕組みも必要だ。さらに、200のアプリケーションの多くについてモバイル対応する必要もあった。扱うデータの種類もその分析方法も多くのものがまだ実証されたいないような新しい分析手法を必要としており、さらにそこで扱われるデータ量は、数千のサーバーに数百テラバイトのデータ処理の規模となる。そして、数十万規模の同時アクセスも予測される。

 こういったシステム要求があるのに対して、予算はかなり限られていた。そして実施までには7ヶ月しか時間がなかったのだ。これではプロのエンジニアを雇うことはできない。結果的に、ボランティアのエンジニアが、日々システムを構築していくという体制となった。実際のボランティアのエンジニアは「平均年齢24歳くらいの若いエンジニアの集まりでした」とマイルス氏。その開発環境は「クレイジーな環境でした。うるさいしポテトチップのカスやコーラの空き瓶が散らばる汚いものでした」とのこと。

 そんな環境に集まったボランティアエンジニアは、みな優秀だった。膨大な数のシステムを次々と開発し、それがすべてちゃんと機能したのだ。そのシステムを活用できたことで、結果的にはオバマ大統領の再選につながる。

次のページ
クラウドだからこそ短期間に柔軟な200を越えるシステムが構築できた

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4675 2013/04/01 00:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング