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「握手する姿は想像つかない」―オラクルとマイクロソフトのクラウドサービス提携の裏にあるもの


じつはラリーの後継はマーク?

 これはほら話かもしれないが、今後OracleとSalesforce.comの協業関係がさらに深まれば、買収というような形ではないかもしれないが、両社がなんらかの形で融合することもあり得る。さらに、そろそろ真剣にラリーの後継者を決めなければならないOracleにとっては、それがマークという可能性だってあるかもしれない。それくらい2人は、じつは仲がいい師弟関係だと思われる。

 ところで今回、一連の動きのきっかけは、Amazon Web Servicesの存在だろう。OracleやMicrosoftは、Amazon Relational Database ServiceでOracle DatabaseやSQL Serverを利用できるようにしているなど、これまでは適度な距離感をとりつつAmazon Web Servicesの存在を評価してきた。Oracleなどは、Salesforce.comのサービスは「Elastic性(伸縮性)」はないけれど、Amazon EC2とOracleにはそれがあるとまで言っていたくらいで、Amazonを贔屓する発言すら見られたのだ。

 とはいえ、かなり大きくなったAmazon Web Servicesのクラウド市場での存在感は、今となっては無視できないものになったようだ。さらにAmazon Redshiftなど、市場で注目のサービスも登場している。まだしばらくは、表立って対抗しないのかもしれないが、Microsoftは確実に彼らの顧客を奪いたいはずだ。そのための苦肉の策が、宿敵Oracleとの握手なのだから。

IT業界の競合地図は大きく変わりそうだ
IT業界の競合地図は大きく変わりそうだ

 SAPなどこれからビジネスをクラウドに大きくシフトする企業にとって、Amazon Web Servicesの存在は重要だ。堅牢なクラウドインフラを、自前で持つにはコストがかかる。安く素早くサービスを展開するには、Amazonと組むのはいまや珍しいことではない。OracleやMicrosoftなどのかなり体力があるベンダー以外、パブリック、プライベートのクラウドサービスを展開していくことは、今後さらに厳しくなるだろう。そうなれば、クラウドサービスベンダー乱立の状況から、急激に淘汰が始まることに。

 忘れてはならないのが、IBMの存在かもしれない。いまのところ、あまりクラウドベンダー色は濃くないが、パブリック、プライベート、ハイブリッドのクラウド、さらにはオンプレミスに至るまでのフルスタックサービスを展開できる数少ないベンダーであることは間違いない。OASIS、TOSCAなど積極的にクラウドサービスのオープン対応に関するメッセージを出していたり、パブリッククラウドベンダーのSoftLayerを買収したりと、着実にクラウド領域でのビジネス拡大に向けた準備を進めている。実績もお金もあるベンダー、クラウドで勢いに乗る新興企業が中心になるとはいえ、数年後にクラウド市場がどんな構成となっているかを予測するのはかなり難しそうだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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