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アシストお問い合わせの現場から

Oracle Databaseのハングを迷宮入りさせない


 Oracle Databaseで発生する問題の中でも原因の特定が難しいデータベースのハングアップ。その調査を行うにあたり、最も重要なsystemstate dumpの取得方法と調査方法について紹介します。

 アシストは1987年よりOracle Database製品の取り扱いを開始し、教育、技術支援、サポートを提供しています。Oracle Databaseはシステムの基幹となるソフトウェアであるため、ミッションクリティカルなシステムに対応できる24時間365日のサポートが必要であり、弊社サポートセンターには年間約9千件、1987年からの累積で約25万件のOracle Database製品に関するお問い合わせをいただいています。

 お問い合わせの内容はパッチの入手方法やインストール要件などのQAから、運用中のデータベースに発生したトラブルの対処方法まで様々ですが、Oracle Databaseに発生するトラブルの中で、最も厄介なものは、データベースシステムからの応答が返らない状態となる「データベースのハングアップ(以下、DBハング)」の発生ではないでしょうか。

 本稿では、サポートセンターにお問い合わせいただいた事例をもとに、DBハング時に取得するべき情報と、その調査方法についてご紹介します。

お問い合わせの傾向と解決率

 2013年に弊社サポートセンターにいただいたお問い合わせを内容ごとに分類した結果が図1です。

 製品のQA(Recovery ManagerやEnterprise Managerなどの製品機能の使用方法やOracle Database製品の仕様動作、インストール要件など)が半数以上を占めています。2013年はOracle Database 12cがリリースされたため、新機能の詳細やインストール手順、既存バージョンからのアップグレード方法に関するお問い合わせを数多くいただきました。

 データベースの運用中になんらかのエラーが発生したケースやパフォーマンス劣化の対策、原因特定といったいわゆる「トラブル」に分類されるお問い合わせは全体のおよそ4割であり、その中でもデータベース全体に影響を及ぼすDBハングについては全体の0.6%と非常に稀であることがわかります。

                 図1.サポートセンターにいただくOracle製品のお問い合わせ傾向
図1.サポートセンターにいただくOracle製品のお問い合わせ傾向

 次に、お問い合わせごとの解決率の観点で見ていきます。解決率とは、いただいたお問い合わせに明確な回答を提示できたかどうかの割合です。製品入手であれば必要なインストールモジュールやパッチの入手方法、製品のQAはその製品を使用して行いたいことが実現できるかどうか、エラーについてはエラーの発生原因や対処方法、パフォーマンスとDBハングについてはボトルネックとなっている箇所の特定やパフォーマンス劣化の解消方法が提示できたかどうかをもとに集計しています。

 DBハングの解決率は25%であり、他のお問い合わせと比較して最も解決率が低く、DBハングが発生した70%以上の環境が原因が特定できないまま、再発の可能性がある状態で運用を継続していることになります(図2)。

図2.お問い合わせ種別ごとの解決率
図2.お問い合わせ種別ごとの解決率

 影響度の高いトラブルの解決率が低いことはサポートに携わるものとして忍びなく、本稿で「なぜDBハングは解決が難しい問題なのか」、「どのような情報があれば解決する可能性が高くなるのか」についてご紹介し、少しでもOracle Databaseの運用に携わる方のお役に立てればと思います。

次のページ
DBハングの解決率が低い理由

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この記事の著者

大野 高志(オオノ タカシ)

 株式会社アシスト サービス事業部 サポートセンター アシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務に従事。現在はサポート業務の傍ら、未解決のトラブルを一つでも多く減らせるよう、サポートセンターに蓄積されている調査のノウハウを社内外に伝える活動を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5649 2015/06/25 11:23

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