Shoeisha Technology Media

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

テーマ別に探す

オーストラリア発!Yellowfinは「自由で使いやすいBIツール」

2015/03/16 14:15

 BIツールのYellowfinがオーストラリアで創業したのは2003年のこと。分析の専門家でなければなかなか使いこなせない当時のBIツールやデータウェアハウスの状況を見て、ここにはビジネスチャンスがあると考えたのがYellowfinのCEO グレン・ラビー氏だ。もっと一般のユーザーが使えるBIツール。ツールとしての使いやすさだけでなく、金額の面でもみんなが使えるものをYellowfinは目指している。

Yellowfinは最初から100% WebベースのBIツール

 YellowfinのCEO グレン・ラビー氏

 Yellowfinは100%ウェブベースのBIツール

 このYellowfin、日本においては京セラ丸善システムインテグレーションが2007年から取り扱っている。オーストラリアは多民族国家であり「多言語対応もYellowfinは比較的早かったと思います」と言うのは、2014年12月に設立したYellowfin JapanでDirector of Salesの責任者の林 勇吾氏だ。YellowfinのBIツールは当初から「100% Webで利用できるツールです」とも言う。Javaベースのアプリケーションであり、基本的にどのような環境でも動く。「2003年の設立当時にWebだけでいくという判断は、かなり大変だったはずです」と林氏。とはいえその決断が、現在のようなクラウド時代になっても新たなIT環境に対応しやすいBIツールとなっている。

 「Webブラウザから接続すれば、すべてのことが行えます。管理用のアプリケーションをインストールする必要はありません」(林氏)

 Yellowfin JapanでDirector of Sales 責任者 林 勇吾氏
Yellowfin JapanでDirector of Sales 責任者 林 勇吾氏

 管理用を含め、クライアントアプリケーションがない。これはサーバー側1カ所ですべてを管理することであり、つまりはデータを分散させないメリットにもなっている。

 もう1つYellowfinが顧客から評価されているのが、ダッシュボードの使いやすさとデザインのシンプルさだと林氏は言う。多くのBIツールは、もともとクライアント版のアプリケーションを持っており、それをWeb対応してきた歴史がある。そのため、どうしても昔の流れを汲んだ構造となっており、レポートやアドホック分析はWebから行えても、分析のためのデータ構造を作ったりする管理の部分は専用のツールが必要なものも多い。そうなると、結局はBIツールを管理する専門家がいないと使えないことにもなる。

 さらに「昔のBIツールは、データ抽出ツールでした。条件に応じて検索して、結果的には抜き出したデータをExcelに貼り付けて扱うのです。これではデータは分散してしまいます。最近のユーザーは、BIツールでデータ分析の最終形を見るようになってきました。Yellowfinはそういったユーザーニーズを満たす、それを目指しています」と林氏は言う。

日本にはすでに30社を越えるパートナーがいる

 ところで、日本法人ができるまでに長い時間がかかったのはなぜなのだろうか。

 「BIのビジネスは簡単ではありませんでした。京セラ丸善システムインテグレーションで扱うようになり、当初の3、4年はかなり苦しみました。いい顧客もいたのですがまだまだ数は少ない。その時期を経て、だんだんビジネスに伸びが出てきた。ビジネスボリューム的に法人を作るレベルに至ったのが、今回のタイミングでした」(林氏)

 オーストラリアにあるYellowfinの本社サイドも、海外進出にはかなり慎重だと言う。同社は上場して潤沢な資金を持っている会社ではない。「CEOのラビーは、ある意味日本人よりも日本人っぽい人物かもしれません。なので極めて慎重です」と林氏。なので「日本に進出して1年でダメだから引き揚げます」と言うようなことは、全体にやりたくなかったのだ。

 逆に京セラ丸善システムインテグレーションにおいて長い期間日本市場に取り組んできたこともあり、Yellowfin Japanは設立時からすでにパートナーが30社もある。これは、他の外資ベンダーの日本進出時とはかなり異なるところだろう。30社に加え、今後は京セラ丸善システムインテグレーションも新たにYellowfin Japanの強力なパートナーとして活動する。「足場はすでにできていなます」と林氏。

 製品もすでに日本では実績がある。現在のYellowfinのバージョンは7.1、2015年5月には7.2の提供を予定している。バージョン3のころから日本では製品提供しており、国内でも半年に1度くらいの高い頻度でバージョンアップを重ねてきた。

クラウドでの利用が多いBIツール

 海外での調査結果だが、Yellowfinは他社の3倍くらいクラウドサービス上で利用される傾向があるとのこと。とくにAmazon Web Servicesでの利用は拡大している。その動向を受けAmazon Web ServicesのマーケットプレイスからYellowfinを選ぶだけで、3ユーザーが1年間無償で利用できるキャンペーンも実施している。Amazon Web Servicesで利用しているユーザーは、データソースとしてはAmazon Relational Database Serviceを利用する場合もあれば、IaaSの上に自前のデータベースをインストールして利用する場合もある。さらに最近ではAmazon Redshiftの分析ツールとしても利用している。

 「日本ではクラウドよりもまだオンプレミスでの利用が多いのが現状です。とはいえ、最近ではデータをクラウドに上げることに対してだいぶ抵抗感はなくなっているように感じています。Yellowfinはクラウド上でもオンプレミスでも、どんな環境でも使い勝手は変わりません」(林氏)

 日本においてもAmazon Web Services意外にMicrosoft AzureやCloudnなどの利用実績がすでにある。今後はオンプレミスやプライベートクラウドで数千、数万という大規模なユーザーを1つのターゲットにする。逆にスタートアップなどビジネスのスピードを要求する企業に対しては「クラウドが中心になるでしょう」とも林氏は言う。

 当分の間、本社をオーストラリア以外に移す考えはないとだろう林氏は言う。「Yellowfinはあまりビジネス、ビジネスした会社ではありません。顧客と一緒に、お互いが面白いと思えるビジネスをやりたい。そういう考えを持った企業です」と林氏は言う。そんなYellowfinには、グローバルで唯一のかなりユニークな社員規則があるのだとか。それが「服だけ着て会社にくればいい」というもの。つまり、これは服を着てくること以外、社員を縛るつもりはないということ。この自由さこそが、同社の特長でもあるのだ。

 オーストラリア発の自由なYellowfinが日本で今後どのように受けられていくのか。クラウド時代を追い風にうまく波に乗ることができれば、競争が激しくなりつつあるBIツールベンダーの中でも注目される存在になるかもしれない。



著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにし...

バックナンバー

連載:DB Press

もっと読む

All contents copyright © 2007-2018 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5