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IoTには狭義のIoTと広義のIoTがあると考えるとわかりやすい

edited by DB Online   2015/07/24 00:00

 少し前まで、IT関連のイベントなどで時代を表現する言葉は「クラウド時代」だった。その後「ビッグデータ時代」が登場し、いまは「IoT時代」が主流だ。「IoT時代」になったということで、各社がIoTに対する取り組みを積極的に発表している。ちょっと猫も杓子もIoTって感じることもあるけれど。

IoTで世界市場を取りに行くインフォテリア

 インフォテリアが、先週行われた事業戦略説明会の中でIoTへの取り組みについて触れている。インフォテリアの創業は1998年、XML専業ベンダーとして社内外のシステムをつなぐソリューションを提供。これが現在同社の主流エンタープライズ製品であるデータ連携ミドルウェア「Asteria Warp」へと進化している。

 Asteriaは国内市場を中心に、2015年5月末までに5,020社が導入。2014年度だけでも566社が導入しており、着実に顧客を拡大している。さらなる販売強化のために「Asteriaはエコシステムを拡充していきます」と語るのはインフォテリア CEOの平野 洋一郎氏だ。

 「今年度はパートナー施策を強化し、アダプタ開発プログラムを新設する。アダプタをインフォテリアやパートナーが作ることでノンプログラミングでさまざまなシステムとつながるようにする」と平野氏。

インフォテリア CEO 平野 洋一郎氏
インフォテリア CEO 平野 洋一郎氏

 その第一段として発表されたのが、信興テクノミストが開発した名刺管理クラウドサービスの「Sansan」との連携機能「Sansanアダプタ」。この他にもすでにサイボウズのkintone、BIツールのtableauと連携するアダプタが発表されている。

 こういったアダプタが充実してくれば「企業システムは真のSOAになる」と平野氏は言う。これからはプログラミングで新たな機能をクラウド上に作るのではなく、クラウド上のマイクロサービスをつないで使うアーキテクチャに変わると言うことだ。このコンセプトは、IBMなどがBluemixなどで提唱している「APIエコノミー」ともよく似ている。

 インフォテリアのもう1つの主力はネットサービス製品の「Handbook」。こちらは2009年に出荷を開始し、人とデジタルコンテンツをつなぐ。Handbookはメールやファイル共有では不十分なところを対象としている。マルチOS、マルチプラットフォームで使えること、エンタープライズレベルでの利用に耐えうる制御が可能なことなどが評価され、2015年5月末までに816件の顧客を獲得。Handbookはオンプレミスでもクラウドでも利用できるが、ここ最近は90%がクラウドでの利用となっている。

 Asteriaでシステムをつなぐ、Handbookで人やものをつなぐところを実現した。それではこれからのインフォテリアは何を目指すのか。

 「IoTをエンタープライズで使えるようにします。ノンプログラミングで、PCなしでつなげるようにします。IoTの領域で、データを意味ある情報にしセキュリティをかけてつなげるようにする」(平野氏)

 そのためのプロジェクトの1つが「Gravity」だ。Gravityはもともとはスマートフォン、タブレットの入力フォームとして開発してきた。しかし時代の変化を取り入れ、IoTもターゲットに入れ再設計している。その結果、開発スケジュールも見直され、当初より2年ほど遅れている。こちらの製品の提供は2015年度中には順次始める予定だ。

 新製品のターゲット市場は、グローバルだ。既存製品は、長年にわたり日本市場で提供しており、日本向けにかなり特化したものになっている。これをグローバル化するのは、単に英語版を出せばいいというものではない。日本人の要求に応じ徐々に進化してしまったものをグローバル向けにシンプル化する。これは、日本市場にとってはダウングレードとなりかねないのだ。

 対して新製品は、最初からグローバル市場をターゲットとしてシンプルなものの提供から始める。市場の反応を見て、その後に日本向けにも製品提供を開始するアプローチとなる。

 今後は、デバイス、クラウド、グローバルにフォーカスしていく。これを実現するために会社の体制もグローバル対応できるように変革している。社外取締役を過半数にし、監査役も4人に増やし、2015年からは会計基準もIFRSに適用している。

 これら新たな戦略で、海外売上比率を5割以上を目指すと平野氏。これはできることなら「東京五輪開催の頃までにはやりたい」とのこと。現状は海外比率が数%しかないので、かなりのチャレンジとなるだろう。しかしながら、IoTの世界はものが発する情報が中心の世界、そこには言語の壁などは存在しないはずだ。IoTのビジネスが順調に立ち上がれば、インフォテリアの取り組みが日本発ITの世界進出として好例になる可能性もありそうだ。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジ...

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