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DevOpsとアジャイル開発を実現するオープンクラウド基盤 レポート(AD)

EMCが切り開くオープンクラウド基盤とは

 「DevOpsとアジャイル開発を実現するオープンクラウド基盤」セミナーレポートはこれで4回目。まずはこれまでを振り返ってみよう。1回目ではオープンクラウド基盤の概要をつかみ、次に2回目と3回目で、OpenStackとCloud Foudryについて自社で商用版を持ち、導入実績もある企業から発表してもらった。4回目はEMCとOpenStackの関係について。OpenStackを導入するとき、EMC製品はどう活用できるのか。EMCはOpenStackにどのように取り組んでいるのか。OpenStackと関係があるというProject CASPIANの姿にも迫る。

EMC FORUM 2015開催! 
2015年10月15日(木) @東京プリンスパークタワー

テーマは、REDEFINE.NEXT。
新たなデジタル時代において企業が競争優位を確立するためのITとビジネスの新定義とは?

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 「DevOpsとアジャイル開発を実現するオープンクラウド基盤」セミナーレポートはこれで4回目。今回はEMCとOpenStackの関係について紹介する。OpenStackを導入するとき、EMC製品はどう活用できるのか。EMCはOpenStackにどのように取り組んでいるのか。

 やや余談になるが、EMCが近年買収した企業にCloudScalingがある。そのCEOだったランディ・バイアス氏は、OpenStackコミュニティの創設者の1人でもある。今やEMC エマージングテクノロジー部門バイスプレジデントとなり、EMCでOpenStackへの取り組みを主導している。EMCはいま、バイアス氏という強力な後ろ盾を得て、OpenStackとの親和性を加速させている。

EMCとOpenStackの取り組み

 EMCジャパン アドバイザリー システムエンジニア 吉田尚壮氏はOpenStackについて「オープンソースをベースとしたIaaSの本命」と称す。メリットはセミナーでこれまで言及されていたように、ベンダーロックイン排除、インフラの投資コスト削減、DevOpesの実現などのメリットが期待されている。

EMCジャパン アドバイザリー システムエンジニア 吉田尚壮氏
EMCジャパン アドバイザリー システムエンジニア 吉田尚壮氏

 EMCとOpenStackの取り組みについて挙げると、まずリファレンスアーキテクチャを充実させていることが挙げられる。リファレンスアーキテクチャとは検証済みの推奨構成をまとめた技術文書だ。システム設計時には有用な資料となり、セットアップで使うパラメーターなども記載されており、構築ガイドにもなる。

 現状公開されているリファレンスアーキテクチャは、Canonicalとの共著『EMC STORAGE SOLUTIONS WITH UBUNTU OPENSTACK AND CANONICAL JUJU』、ミランティスとの共著『EMC STORAGE SOLUTIONS WITH MIRANTIS OPENSTACK』、Red Hatとの共著『EMC STORAGE SOLUTIONS WITH RED HAT ENTERPRISE LINUX OPENSTACK PLATFORM』がある。いずれの文書も、主要なOpenStackディストリビューションとEMCストレージソリューションを組み合わせた構成でまとめられている。

 OpenStackで使えるEMCのストレージはどれか。吉田氏は「全ての主力製品が対象だ」と言う。ブロックストレージのCinder Driver、ファイルストレージのManila Driver、オブジェクトストレージのSwift APIというように、EMCはOpenStackのためのドライバーを幅広く提供しており「どれでも使える」という状況がそろっている。

 PDF15ページ:OpenStackで使えるEMCストレージ
OpenStackで使えるEMCストレージ

 なかでもOpenStackに適しているのがScaleIOだ。「OpenStackで拡張性を極めるならScaleIOがベスト」と吉田氏は強調する。これはソフトウェア定義ストレージ(SDS)に分類されるストレージ製品(ソフトウェア)。サーバーの内蔵ディスクを共有ストレージ化することができて、拡張規模は1000ノード以上。OpenStackで使うときはEMCが提供するCinder Driverを用いてブロックストレージとして使用できる。

 ScaleIOを構成するときはOpenStackのコンピュートノードとScaleIOのストレージノードで2階層にするパターンと、コンピュートノードにストレージノードを同居させるパターンもどちらも実現できる。吉田氏は「ScaleIOのオーバーヘッドが少ないため、コンピュートノードに同居させることも可能」と説明する。

 デモとして吉田氏はScaleIOの初期セットアップを披露した。CSVで記述した構成情報をアップロードし、次に各ノードにインストールファイルを自動配布、そしてインストールを実行する。これで初期セットアップ完了だ。

PDF24ページ:デモ ScaleIOの導入(初期セットアップ)
ScaleIOの導入(初期セットアップ)

 吉田氏は「ScaleIOは無償で提供していますので、ぜひダウンロードしてみてください」と話す。制限は商用利用ができないのみで、機能制限なし、容量制限なし、試用期限なしである。

EMC FORUM 2015開催! 
2015年10月15日(木) @東京プリンスパークタワー

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次世代アプリ向けプラットフォーム、Project CASPIANとは?

 OpenStackにかかわるEMC製品はこれだけではない。今最も期待されているのが「Project CASPIAN」である。2015年5月のEMC Worldで構想が発表され、来年の第一四半期にリリースが予定されている。明らかになっているのは「OpenStackでEMC製品が使いやすいようにするもの」というコンセプトで、「第3のプラットフォームに最適な新しいEMCのソリューション」として位置づけられている。

 まだ多くが謎に包まれているところ、吉田氏は「Project CASPIAN」の最新情報を特別に披露した。吉田氏は「すぐに使える、次世代アプリ向けのプラットフォーム」と称す。

 現時点でのイメージでは、IaaSのOpenStack、PaaSのPivotal Cloud Foundry、ビッグデータのHadoop、その他のパートナーツールなどをEMC製品と組み合わせて構成し、次世代アプリケーションに最適なプラットフォームを構築するのが目的として掲げられている。EMC製品はストレージだけではなくオーケストレーションなどの管理製品も含まれる。現状では複雑なパーツの組み合わせとなるOpenStack環境を手軽に使えるようにするためのものと考えてよさそうだ。

 「なるほど、それならばEMC版のOpenStackディストリビューションか」と思うかもしれない。しかしそれだけではなさそうだ。大きなポイントとして吉田氏は「パブリッククラウドのユーザー体験をオンプレミスで実現」と話す。つまりOpenStackなどをオンプレミスのハードウェアからも利用できるところもユニークなポイントだ。

 さらに吉田氏はCASPIANによるオーケストレーション、つまりリソースを確認してセットアップやコンポーネントの自動デプロイなどをデモした。製品としてのCASPIANとは統合管理のためのソフトウェアをふくめて提供されるようだ。

 概して、OpenStackやオープンクラウド基盤のメリットは認められているものの、まだ構成要素が多数で技術的な敷居が高いという印象がある。現状ではスキルのある企業が試用または開発環境から徐々に本番環境に導入しているというところだ。

 もしエンタープライズ環境にOpenStackはじめオープンクラウド基盤を手軽に導入できるのであれば、そのような障壁は問題にならない。Project CASPIANはOpenStackはじめオープンクラウド基盤をエンタープライズに導入するための心強い味方となりそうだ。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://enterprisezine.jp/article/detail/7145 2015/09/24 10:27

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