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大切なデータを守れ!システム規模・用途別に考えるバックアップ徹底活用法【中編】

edited by DB Online   2015/10/06 06:00

 前回は、企業を取り巻く最新のバックアップ事情についてアクロニスの担当者に話を聞いた。東日本大震災が企業のバックアップに対する認識にどう影響したのか、その結果どのようなバックアップ方法に注目が集まっているかといった話題を中心に紹介した。従来あるデータバックアップに加え、今注目を集めているのがシステム全体を復旧するシステムバックアップであること。さらには仮想化環境のバックアップやクラウドの登場で、どのようにバックアップへの対処法が変化しているかを紹介した。2回目(中編)となる今回は、アクロニス・ジャパン セールス エンジニアの山本真弘氏と、リージョナル プロダクト マネージャの古舘與章氏に話を聞く。今回のテーマは、システムの規模や用途別に具体的にどのようなバックアップ方法を選べばいいのか、そのケーススタディについても紹介していく。

一度“痛い目を見ている”管理者のバックアップに対する認識とは?

――ここ最近で規模的な面など、バックアップの方法に変化はありますか?

山本さん:バックアップは大企業のクリティカルなシステムのためのものでした。それが東日本大震災以降、中規模・小規模の企業でもバックアップの要望が急激に増えました。結果的には、大規模な基幹系システムから、部内や中小企業の小規模なデータベースサーバーのようなものまで、あらゆる規模のシステムでバックアップを取るようになっています。

アクロニス・ジャパン セールス エンジニアの山本真弘さん

古舘さん:以前はデータバックアップが主流でしたが、システムバックアップを取る機会が増えています。1つの傾向として、システムを新たに構築したり何らか更新したりしたタイミングで初期バックアップとしてシステムバックアップを取ります。それを保存しておき、以降はデータバックアップを取る。このような運用が、多くの企業で増えています。初期のシステムバックアップは、アクロニスが得意としています。

 一方で、とにかく毎日システムバックアップを取ってしまう方法もあります。これは、どちらかと言えば中堅・中小規模で、バックアップにあまり手間をかけたくない企業の傾向です。大企業でも部門のファイルサーバーなどでは、この毎日システムバックアップを取る運用が見られます。

山本さん:これらの運用の違いは管理者のバックアップに対する考え方の違いでしょう。一度でもシステムクラッシュを経験していると、いかにシステムを戻すのが大変かが分かります。そういう管理者は、システム規模の大小に関わらずシステムバックアップを取り入れます。経験がないと「他もどうやらこの方法らしい」といった理由で、深く考えずにバックアップ方法を選ぶこともあります。痛い目を見ている人は、システム価値を適切に判断し、バックアップだけでなくシステムをどう保護すればいいかを考えるようになります。

――顧客に、一度、痛い目を見てください”とも言えないので提案は難しそうですね…。

古舘さん:現状は企業で扱うサーバー台数も増えているので、何らかシステムクラッシュを経験している人は多いでしょう。ただ、壊れたシステムの重要度がどの程度だったかでも管理者の認識は異なります。あとはシステムが壊れた際に、誰が復旧するかでも認識が変わります。アウトソーシングで任せていると、ちょっと気が緩むかもしれません。アウトソーシング費用が高いか安いかでも、求めるレベルは変わるでしょう。事故が起きた際に顧客自身で触れるようにしておきたい場合は、高度な機能を持ったバックアップの仕組みより、なるべく使い勝手のいいツールを求めます。

 顧客が求める、求めないに関わらず、SIベンダーもここ最近は、バックアップのソリューションを含めて提案します。その際の方法は多様化していますが、ツール選択のポイントは「簡単」「速い」「値段が安い」といったところでしょうか。とはいえ、もっとも重要なのは復元した際の再現性の高さです。これは一度でも復元作業を経験している人はよく分かっています。アクロニスは、簡単さや再現性の高さは自信を持っています。

 アクロニスを選択してくれるもう1つの理由は、Linuxへの対応があります。Linux上でシステムバックアップを取れるツールはたくさんあります。しかし、確実性、つまり復元時にきちんとシステムが戻るかどうかは、ツールによって差があります。バックアップは取れているはずなのに、うまく戻せないなんて話も聞こえてきます。

 そのため、ツール導入時に復元テストを求められることも増えました。これも震災後の大きな違いの1つでしょう。Linux上で確実に復元できるとの評価は、アクロニスのビジネスを後押ししています。逆に考えれば、丸ごとバックアップしてそれを復元するのは以外と難しいものなのです。

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システムの違いによるバックアップ手法の選択ポイント

――システムの種類によってバックアップの方法に違いはありますか?

古舘さん:基幹系と情報系では、大きな違いがなくなってきています。どちらのシステムも停止しては困る。とはいえバックアップの取り方には傾向があります。ミッションクリティカルな基幹系システムは、初期にシステムバックアップを取り、データバックアップはストレージの仕組みや別途バックアップのソリューションを導入することが多いようです。

 中小企業の基幹系システムや情報系システムでは、システム全体を定期的に丸ごとバックアップする運用も多いようです。世代としては1拠点で3世代くらいは取る。こういった運用はファイルサーバーや情報系システムでも多く、複雑な処理をするデータベースサーバーではあまりありません。とはいえMicrosoft SQL Serverのバックアップをアクロニスでとの要求は増えています。これは他システムと同じ運用で、手間をかけずにバックアップを取得したいからかもしれません。

アクロニス・ジャパン リージョナル プロダクト マネージャの古舘與章さん

山本さん:ファイルサーバーについては、アクロニスにバックアップの要望が来ることが増えています。これまでは別の方法でバックアップを取っていたけれど、ファイルサーバーの規模が大きくなり他の方法を探した結果です。企業ではセキュリティ確保の観点からどんどんファイルサーバーに集約しています。そのためファイルサーバーがどんどん大きくなる。ファイルサーバーは、基幹系システムのサーバーなどよりもデータサイズが大きくなる場合もあるため慎重に行う必要があります。

古舘さん:システムの種類ではなくOS環境でも違いがあります。OSがLinuxだけで動いている環境では、扱っている技術者のスキルが高くバックアップツールなんていらないことも。とはいえ、多くの企業にはWindowsもLinuxもある。Windowsではシステムバックアップを取るけれどLinuxは取っていない。Linuxも保護したいとなりアクロニスにたどり着くこともあるようです。アクロニスのLinuxのバックアップ機能は、エンドユーザーだけでなくSIなどパートナーからも重宝されています。

山本さん:アクロニスのツールは、Linuxの知識がなくても簡単にバックアップが取れて戻せるのがポイントです。LinuxでもWindowsでも使い勝手は変わりません。同じ管理画面からどちらでも設定しバックアップを管理できます。Linuxの使い勝手が特にいいのではなく、両方とも同じように使えるのです。Linuxのコマンドを打ったことがなくても、バックアップを取って戻すことができます。

――システムバックアップを取る際のポイントを教えてください。

山本さん:たとえばWebサーバーは、システム的な重要度はそれほど高くはないかもしれません。しかし、長時間止まれば困ります。Webサーバーを長い期間運用していると、状況に応じ都度設定を変更し運用することになります。Webサーバー自体は簡単に用意できるので、設定を記述するコンフィグファイルだけを保存しておけばすぐに復旧できると考えます。なので、初期のシステムバックアップを取って、あとはコンフィグファイルだけを保存しておきます。

 ところが保存してあったはずのコンフィグファイルを無くしたり、使おうとしたらファイルが壊れたりでシステムを戻すのにすごく時間がかかることがあるのです。こういう場合は、むしろシステムバックアップを定期的に取っておいたほうが復旧は早くなります。

 また、管理者が複数いる場合も、ツールを使ったシステムバックアップが有効です。日頃バックアップを行っている技術者が、復旧作業をするとは限りません。そうなれば誰もが簡単にバックアップから復旧できる仕組みが必要となります。

 一方で、データベースのようなシステムや復旧にリアルタイム性が求められるシステムでは、システムバックアップだけでなく別途システムを保護する方法が必要になります。重要度や要求度に応じ、適宜別の方法と組み合わせてシステムを保護するべきでしょう。

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これも大事だ!クライアントバックアップの使い分け

――企業においては従業員が利用するクライアントのバックアップも重要になりませんか?

聞き手:谷川耕一(DB Onlineチーフキュレーター/ITジャーナリスト)

古舘さん:クライアントのバックアップも確かに増えています。最初は、情報システム部門などの管理用PCから始まり、便利なので全社規模に広がることも。先ほどの話のように、データはファイルサーバーで集約管理されつつありますが、クライアントPCのシステム復旧に時間がかかっては困ります。

 クライアントバックアップにも2つあり、1つは初期のシステムバックアップとその差分を継続的に取得する方法です。もう1つは、全体のシステムバックアップを取り続けるものです。使い分けはバックアップを保存するストレージ容量によります。どちらの方法でも、システムバックアップを取っていればPCが壊れても素早く復旧できます。とりあえず代替PCに環境を戻し、さらに本番用PCが戻ったらそちらに環境を移すなんてことも簡単にできます。

 アクロニスには「Universal Restore」という機能があり、環境の異なるPCにもシステムを戻せます。情報システム部門にとっては、クライアント環境を戻す際も失敗は許されません。短時間にその作業をこなさなければならない。アクロニスなら最悪、ファイル単位でもデータを戻せるので安心感は大きいと思います。

――改めて、バックアップ方法を選択する際にもっとも重要なポイントはどんなところになりますか?

古舘さん:とにかく復元のことを考え、それにどれくらいの時間がかかり、どんな手間がいるかを予測することが大事だと、大きな声で言いたいです。

山本さん:保護対象のシステムの価値に応じて方法を選ぶ必要があります。今のバックアップ方法で本当にシステムを戻せるのか。戻す作業では時間的な余裕もなく、追い詰められ焦って行うことになります。そのような状況では間違いも起こりやすい。そのため、いかに簡単に戻せるかも重要です。

古舘さん:中堅・小規模の企業を見ていると、勤怠管理や給与計算などある程度止まってもいいシステムはどんどんクラウド化しています。逆に考えると重要なシステムがオンプレミスに残っている。そうであれば、手許にあるシステムはすべて確実にバックアップを取ると考えたほうがいいでしょう。

第2回(中編)のまとめ

 従来のデータバックアップにシステムバックアップを加えると、バックアップによるシステム保護にはかなり柔軟性が出てくることが分かる。どの方法を採用すべきかは、一概には決められない。システムの重要度に応じる必要があり、それを探るには一度システムがないものと考えてみるといい。それで業務がどうなるかを想像するのだ。1日止まっても問題ないのか、1時間止まると大きな問題となるのか。さらに、システムを戻す時間も考慮する必要がある。バックアップ方法には唯一の解があるわけではない。とにかくシステム復元のことを考えるところから始める、それは間違いなさそうだ。  

 次回の最終回では、DR/BCPの観点からバックアップの重要性や対策のポイントについて聞いていく予定だ。(第3回目:後編は10月後半頃に公開予定です。)

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジ...

  • DB Online編集部(ディービーオンライン ヘンシュウブ)

    DB Online編集部 翔泳社 EnterpriseZine(EZ)が提供するデータベース/データテクノロジー専門メディア「DB Online」編集部です。皆様からの情報お待ちしています。 Twitter : https://twitter.com/db_online Fac...

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