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IoT時代のエンタープライズ・アーキテクチャ入門<実践編>

オムニチャネルに向けた3ステップ――成功の鍵は“リアルとネットの歪み(ひずみ)”の解消にあり!

 最近になってまた、オムニチャネル関連のニュースをよく目にするようになってきました。国内では2014年頃からオムニチャネル戦略へ着手した企業が多く、それから数年を経た今、新しい販売のあり方を見い出せた企業もあれば、軌道修正を迫られた企業もあります。どうやら成否の分かれ目は「リアルとネットの歪み」をいかに解消したかにありそうです。今回は企業がオムニチャネル戦略を進めていく3つのステップと、それぞれのステップにおいて歪みを解消してく方法について考えていきます。

そもそも「オムニチャネル」とは?

 オムニチャネルとは、実店舗やネット上のECサイトといったあらゆるチャネルで顧客接点を持とうとする小売業の戦略を指します。日本でオムニチャネル元年といわれたのは2014年でしたから、ちょうど今頃はオムニチャネルに取り組もうとした各社の施策が一段落した時期であり、前述したように関連ニュースが多いのだと想像します。

 オムニチャネルでは「リアルとネットの融合」が重要になります。ここでは、実店舗のようなものを「リアル」、ECサイトのようにインターネット上にあるサービスを「ネット」と表現します。リアルやネットに複数のチャネルを持つ戦略をマルチチャネルと言いますが、これは各チャネルが相互作用なく独立的に存在するもので、オムニチャネルとは異なります。ただチャネルを増やすだけではなく、全てのチャネルを連携させて顧客にアプローチするのがオムニチャネルです。

 下の図1では、各チャネルが連携していないマルチチャネルと、各チャネルがメッシュ状に連携しているオムニチャネルのイメージを表しています。  

図1:マルチチャネル vs オムニチャネル

 オムニチャネルが推進されてきた一つの理由は、多様化する消費者の購買行動への対応にあります。実店舗を訪れて、そこで商品に興味を持ち、比較検討して、その場で買うという消費行動は1つのパターンでしかありません。ECサイトで興味を持ってから実店舗に訪れて購買したくなる消費者もいれば、実店舗で興味を持ってネットで注文するけど商品は実店舗で受け取りたい消費者もいます。リアルやネットの各チャネルをメッシュ状に連携させることで、これらの様々なパターンに対応しようというのがオムニチャネルに着手する小売業の第一の狙いです。

 もう一つの理由は、実店舗を持つ小売業者が、実店舗を持たずECサイトのみを持つネット小売業者に対して差別化要素を見出したいためです。オムニチャネル化を通じてリアルとネットを融合した顧客体験を提供できれば、ネット小売業者に対して大きなアドバンテージとなります。 しかし、ここで生じるのがリアルとネットが融合するがゆえの歪みです。

次のページ
リアルとネットの歪み(ひずみ)とは?

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この記事の著者

安田 航(ヤスダ ワタル)

NTTテクノクロス株式会社 EAストラテジスト
NTTソフトウェア入社(現社名、NTTテクノクロス)以来、エンジニア、ITコンサルタントとして活動。EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)手法を駆使したIT戦略/グランドデザインの策定と推進に多数の実績を持つ。日本企業の縦割り的な情報システムの考え方に...

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