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ITインフラ最新鋭化の決定打:Dell EMCのCIがもたらす効果とHCIへの取り組み

 Dell EMCが提唱する「トランスフォーメーション」にはIT運用のトランスフォーメーションもある。これまで築いてきたITシステムで達成すべきことは保ちつつ、最適化や効率化のために最新鋭化する必要があるということ。決定打となるのがコンバージドインフラ(CI)やハイパーコンバージドインフラ(HCI)となる。

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これからのITインフラに必要なのは俊敏性やクラウドライクな運用スタイル

 ITシステムは変わりつつある。過去15年のITシステムはトランザクションやレポート作成のために記録するシステム(System of Record)であったのに対し、今後15年ではよりビジネスに直結する、顧客とのエンゲージメントのためのシステム(System of Engagement)に重点をシフトしていくと言われている。

 ビジネスの成長率で見ても、新しいシステムへのシフトが起きている。IT業界全体の成長率は年間2%で安定的であるものの、SaaSやクラウドサービスなどは年間60%と大きく成長している。さらにDell EMCが得意とするHCIでは年間122%と驚異的な成長率を見せている。本稿ではこの背景やCI/HCIの構成要素などを詳しく解説していく。

 まずは背景から。Dell EMCが経営層を対象にした調査によると「(近年)大きな変動を経験」(53%)、「今後3年間の業界の姿が分からない」(48%)など、約半数が変化を体感し、将来を見通せないことに不安を感じている。また「デジタルビジネスイニシアチブが成功に不可欠であると考えている」(92%)と、デジタルトランスフォーメーションのような新しい動きに素早く対応することがビジネスチャンスになると捉えている。

 デジタルトランスフォーメーションのように新しいビジネスを展開するには、インフラとなるITのトランスフォーメーション(変容)が不可欠となる。従来型のインフラとプロセスでは最先端を行くサービスの提供はほぼ不可能である。なぜなら従来型のITインフラでは長期にわたる実装期間、多額の設備投資、運用の非効率さ、ボトルネックの存在や拡張性の乏しさなどがあるからだ。

 逆にいまどのような変容を遂げるべきかと考えると、重要になるのは「俊敏性」。クラウドサービスのようにすぐに利用可能となること、ビジネスニーズに素早く対応できること、データ量の急増にすぐ対応できて適切なコストに収まること、ユーザーからのリクエストにすぐ対応できるなど運用が効率的であることなどが挙げられる。

 Dell EMCコンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitectシニアマネージャー 三邉 祥一氏は「俊敏性は変化するビジネス環境を認識して行動し、メリットを享受する能力の指標にもなっています」と話す。

 Dell EMCコンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitectシニアマネージャー 三邉 祥一氏
Dell EMC コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部
vArchitectシニアマネージャー 三邉 祥一氏

 今が過渡期だからかもしれないが、今はITの構成要素は多数あり複雑化している。海外では「ITインフラのデザインはスノーフレーク(雪の結晶)のようなもの」と例える人がいるという。どれもきれいで洗練されているように見えて、どれ一つとして全く同じものはないためだ。そのためITリソースと予算の70%以上がスノーフレークのようなものの保守に費やされてしまっているのが実情だ。

 そして今悩ましいのがクラウド。必要不可欠だが、オンプレミスとオフプレミス(クラウド)どちらか片方を選ぼうとすると難しい。パブリッククラウドは初期投資不要などコストメリットがあるものの、実際に使い始めると利用料の予測が難しく予算を超過してしまうこともある。レイテンシーの制御やコンプライアンスも懸念する現場もある。そうした懸念の多くはプライベートクラウドで解決可能だ。一方、プライベートクラウドには、パブリッククラウドほどのサービスの豊富さや付加価値は見込めない。ゆえにクラウドはしばらく共存、つまりハイブリッドクラウドでいいところ取りをしていくのが現実的だろう。

PDF 13ページ:ハイブリッドクラウドによるメリット

 しかしもっと重要な要素がある。三邉氏は「クラウドをどこでどう稼働させるかはあまり大きな問題ではありません。我々が重要だと考えているのは運用スタイルです」と強調する。

 複数のクラウドやオンプレミスが混在するようなハイブリッドクラウドでは運用が複雑になりがちだ。複数の環境があろうともDell EMCが目指すのは、どれも同じように管理できること。管理ツールをあれこれ使い分けるのではなく、コントロールポイントが単一であることだ。それも新しい形で。三邉氏は「クラウドライクな運用スタイルを提供できることを重視しています」と話す。具体的には自動化やセルフサービスが可能であること、監視やレポート作成ができること、セキュリティは組み込まれていること、サービスレベルが選択できるなどだ。

ITインフラ最新鋭化の決定打はCIやHCI導入

 Dell EMCが推進するITのトランスフォーメーションを改めて確認していこう。インフラの最新鋭化とサービス提供の自動化を実現することで、IT運用を変容させることを目指している。ITインフラを最新鋭化すれば運用の効率化だけではなく、よりアプリケーション開発に専念できるというわけだ。

 決定打となるのがCIやHCIの採用だ。三邉氏は実際の効果をいくつか示した。IDC調査からCIを使用する組織が達成したものを見ると、運用にかける時間を圧倒的に削減できたと分かる。顕著なのが「5年間の平均ROIは518%。つまり7.5ヶ月で投資を回収できた」と三邉氏は挙げる。ほかにも「アプリケーション開発やライフサイクルを55%短縮」「ITインフラおよびITスタッフのコストを36%削減」など、IT部門がコストセンターから素早く脱却して、利益を生むような組織になる可能性も秘めている。

 さらにDell EMCのコンバージドシステムでは、ハイブリッドクラウド運用でより有利となる特徴がある。例えばサービスカタログの統合により、パブリッククラウドとプライベートクラウドの相互補完を実現することができる。

 三邉氏は海外事例としてオンライントレーニングを提供している企業を挙げた。パブリッククラウドで2000ほどの仮想サーバーを運用していたところ、Dell EMCのVblockでプライベートクラウドへと移行したら仮想サーバー1台あたりの月額費用が1/6まで圧縮でき、SLAも向上したという。運用の規模がある程度大きいとプライベートクラウドへの移行メリットを出しやすい。

 ただしプライベートクラウドを使いたいとしても、パブリッククラウドほどすぐに構築できるものではない。そこでDell EMCのCIやHCIである。現場に搬入したらすぐに使えるように組み上げているため、導入までの期間が短くてすむ。俊敏性を実現できる。

 ところでCIとHCIはどちらを選ぶべきか。三邉氏は「今後数年間はCIとHCIが共存する」と見ている。現時点では多くの企業が使うようなOracle Database、Microsoft Exchange、SAPなどを用いた業務アプリケーションをいきなりHCIに移行するのはあまり現実的ではないという。しかしCIなら移行のギャップが少なくて、確実に効果も出せる。

 実際にVxBlockやVBlockを採用した顧客からは「従来型ITリソースの導入と比較して75%節約できた」「データセンターのフロア面積を72.5%縮小し、電力消費量を54.8%削減できた」「5年間のTCOが以前と比較して30%削減(予想)」といった証言が寄せられている。三邉氏は「われわれはCIもきちんと力を入れていきます」と強調した。

 一方、新しい標準となりつつあるHCIはどうか。フラッシュストレージやソフトウェアデファインドなど最新のアーキテクチャを搭載しており、インフラを最新鋭化できる。三邉氏は「CIとの大きな違いは仮想SANです。専用ストレージアレイは不要で、ストレージ機能とアプリケーションが同じサーバー上で稼働できます」と説明する。

 HCIはCIに比べてシンプルでスケールしやすく、開発サイクルの短縮やビジネス条件への迅速な対応など、より俊敏性を高めることができる。HCIなら、従来型SANベースのインフラに比べて初期投資費用が低くすみ、細かく拡張できるのも特徴だ。

 なお、HCIは「VDI専用」というイメージがあるが、三邉氏は否定する。HCIは従来のワークロードやクラウドネイティブなワークロードまで幅広く対応できる。実際にアプライアンスタイプのHCIだとVDIで使うのは約半分弱で、ほかは複数のワークロードで使うケースが多いという。現在Dell EMCにはHCIだけでも4種類ある。VxRailとXCシリーズはアプライアンスで、Nutanixのソフトウェアを搭載している。VxRackはラック単位で拡張する。

図:PDF 26ページ:Dell EMCハイパーコンバージドインフラストラクチャのポートフォリオ

Dell EMC World 2017でのHCI関連発表:Cloud Flex for HCIや新機能など

 5月にアメリカで開催されたDell EMC World 2017ではHCIに関するアナウンスもいくつかあった。まずは「Cloud Flex for HCI」。HCIを月額課金で利用できるコンサンプションモデルだ。三邉氏は「クラウドのような経済性をHCIで実現」と特徴を挙げた。アメリカではすでに提供開始しているが、日本では「近日提供予定」となっている。「まずはHCIを1年くらい運用してみたい」と考える場合には向いていそうだ。2年目以降になると年々月額料金が減る料金体系となっている。

 既存のHCIにもそれぞれアップデートが発表された。HCIのアプライアンスとなるVxRailでは、拡張の高速化や構成の柔軟性といった機能要素が拡張されている。新機能の多くはソフトウェアのバージョンアップで利用可能になるという。9月よりvSphere 6.5に対応したVxRail 4.5が利用可能になる予定だ。

 VxRack SDDCは5月末からハードウェアの選択肢が広がり、18通りのPowerEdge構成が可能になる。VxRack FLEXはより処理能力が高いPowerEdge R930シリーズへの対応、ネイティブSDNサポート、ScaleIO 3.0へのアップデートが可能となることなどが発表された。NutanixとコラボレーションしているXCシリーズではPivotal Cloud Foundryへの対応やデータ保護に関するリファレンスアーキテクチャを提供開始した。また小規模環境向けのエントリモデルとして「XC430 Xpress」が追加された。三邉氏は「2017年末にはDell EMC HCIは14Gへの移行を計画しています。よりハイパーコンバージドに適したハードウェアデザインになる予定です」と話した。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://enterprisezine.jp/article/detail/9743 2017/09/11 06:00

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