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企業の社会的責任と情報セキュリティ

  2009/07/28 07:00

「未曾有の経済危機」といわれる今日、企業のIT投資も以前より厳しいものになってきている。こと、情報セキュリティ対策においては、個人情報保護法前後の盛り上がり、内部統制対応等のタイミングもひと段落し、また「企業による情報漏えい」が日常茶飯事化することによって、従来の脅威論だけでは情報セキュリティ意識を維持し続けることが難しくなってきている。見方を変えれば、企業の情報セキュリティ対策は大きな転換期を迎えているともいえる。従来の「認証、Pマーク至上主義」から、低コスト、かつ実効性のある対策にシフトするためにはどうすればよいのか。さまざまな視点から「情報セキュリティの今」を取り上げていく。

ネット専業が可能にした画期的な価格

2008年5月に営業を開始したライフネット生命保険(以下、ライフネット)は、生命保険業界に“価格破壊”をもたらした。可能にしたのは、ネット直販というビジネススタイルだ。

 セールスパーソンを置かないことで、人件費をカットした。申込者自身がデータを入力するため、紙書類のデータ化の人的コストも同様だ。名字や住所の変更などのデータのメンテナンスも契約者が行うことができるため、そのコストもカットできる。同時にパソコンと通信環境さえあれば24時間、どこからでも申し込み可能であり、査定などの手続きが迅速なスピード契約というユーザー側のメリットもある。

 また既存の生命保険の契約では、セールスパーソンがノートPCやパンフレットを用いてライフプランを提案し、納得を得てから契約するコンサルティング営業のスタイルが一般的なのに対し、ライフネットでは、ノートPCやパンフレットに入っている情報がウェブ上にあり、契約者は自分によりマッチした商品を選択できるといったカスタマイズ性も特徴の1つだ。

 また、サイト上で、ライフネットの製品と他社の製品のそれぞれのメリットとデメリットを確認できる情報が公開されており、自由な比較検討を可能にしていることも注目だ。

 ライフネットの社員には、既存の生保とは異なる特徴がある。同社には現在約50人の社員が在籍しているが、異業種出身者も多く、現在担当している業務のプロフェッショナルが結集している。共通項は公開されている企業理念「ライフネットの生命保険マニフェスト」に共感して集まっていることだ。

 マニフェストは「私たちの行動指針」、「生命保険を、もっと、わかりやすく」、「生命保険料を、安くする」、「生命保険を、もっと、手軽で便利に」の4章からなっており、出口治明社長の「生命保険はむずかしいと言われる時代を終わりにしたい」という思いが込められている。

 社員の評価などもこのマニフェストを用いて行われており、単なる「お題目」ではなく社員の行動指針として落とし込まれている。その根幹はやはり「1円でも安い生命保険を提供すること」であり、業務の無駄を無くし、効率化するための改善に全てのスタッフが知恵を絞っている。

 言うなれば、銀行等で実施されているABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)のイメージでコストを意識し、コスト削減につなげている。レポート資料ひとつとっても自動化(システム化)か人力かを峻別し非常に効果を上げているようだ。

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