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第6回:運用開始後のシステム維持管理体制の事前検討 ERP導入プロジェクト成功への秘訣(その2)

  2009/06/30 09:00

運用体制で決めるべき事項

 システムのバックアップやネットワーク管理などの情報システム部門が日常的に行っている作業についての責任者や実施方法、そしてトラブル発生時の連絡先については、十分な考慮がされていると思います。上記以外に運用開始後の重要な作業項目と維持体制として以下が考えられます(図1)。

  • マスタデータの項目定義と登録作業
  • システム機能の変更・追加検討と実施
  • 操作方法の問い合わせ(Help Desk)
  • 新入社員や配置転換した社員向けのシステム操作教育
図1:運用開始後の主な作業と維持体制:
図1:運用開始後の主な作業と維持体制:

 大企業であれば、これらの項目は当たり前に取り組んでいると思います。しかし中堅企業で初めてERPを導入する場合には、これらについての青写真を予め考える必要があります。

マスタデータの項目定義と登録作業

 「マスタデータの項目定義と登録作業」が難しい理由は、ERPのマスタデータの項目が大変多く、様々な部門に関係するからです。例えば、品目マスタのデータは会計部門、営業部門、購買部門、生産管理部門、といった様々な部門に関係します。もし間違ったデータを入力した際は、システムが正常に動作しなかったり、集計や分析に支障をきたしたりします。

 また新しいデータが必要となってから、実際にシステムに登録するまでの時間が長いため、システムにて受注登録や出荷作業などの業務を行えないなどといった問題も出てくる可能性があります。そうならないためにも、運用開始前から入念な準備を行う必要があります。

 データの移行をデータ移行プログラムで済ます場合があります。この場合、企業側メンバの負荷を低減できるなどのメリットはありますが、データ項目に関する知識移管が疎かになり、運用開始後に理解不足が問題になる可能性があります。それを回避するために、データ準備の作業に少し人手をかけることで知識移管を入念に行う事なども検討してみてください。

 新規登録の申請手順、データ項目設定責任者、登録前のデータ確認者、データ登録方法と責任者、などなどたくさんの決め事があります。これらの業務ルールを早めに策定し、担当者や責任者に事前に入念なトレーニングを実施しましょう。


著者プロフィール

  • 松本 繁治(マツモト シゲハル)

    米国系FA(ファクトリーオートメーション)機器メーカで生産設備の制御および管理システムの構築を手がける。その後、国内コンピュータメーカで販売管理や生産管理のシステム構築を経験。1998年からは外資系ERPベンダ(SAPジャパン)でコンサルタント/プロジェクトマネージャとして約6年間従事。外資系コンサルティング会社で中堅企業向けの業務コンサルティングやソリューション構築に従事した後、現在はフリーで活動中。

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