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Notes移行、成功のカギはツールとベンダーの選定

  2010/06/14 10:30

IBM Lotus Notes/Dominoの移行を検討する企業が増えている。グループウェアとしてのNotesの有用性は認めながら、他システムとの親和性やライセンス契約更新料などを再検討する時期にきているようだ。ただ、設計思想が異なるプラットフォームへの移行には、様々な制約があるのも事実だ。移行作業を確実、効率的に実行可能にするツールを導入し、全国規模の一括移行を可能にした事例から、Notesからの移行におけるポイントを紹介する。

Notesから移行するユーザーが増えている背景とは

株式会社 富士通ビー・エス・シー 藤田 郁光氏
株式会社 富士通ビー・エス・シー 藤田 郁光氏

 2007年、北海道から九州まで全国に拠点を持つA社は、全社的に使っていたIBM Lotus Notes/Dominoのメール環境とデータをMicrosoft Exchangeに移行することを決断した。

 作業を依頼した富士通ビー・エス・シーは1963年設立で、コンピューターの黎明期からソフトウェアの開発をベースに、コンサルティングからシステム構築、システム運用までをトータルに提供してきたベンダーだ。

 近年、A社の様にNotesから他のプラットフォームに乗り換えるユーザーが少なくないが、富士通ビー・エス・シーの藤田郁光氏は「その背景には様々な要因がある」と語る。

 Lotus Notesは、グループウェアという製品カテゴリーを創出した製品だ。基本構成を導入すればメールとユーザー管理はもちろん、掲示板やスケジュール管理、ファイル共有など、コラボレーションに求められる機能を着実に入手できる。

 しかもVBA互換のLotus ScriptやJavaScriptを用い、ユーザーによる自由なカスタマイズが可能だ。そのためNotesは国内でも金融や製造、流通の大手企業をはじめ、主な官公庁でも導入され、活用されてきた。

 ただ、現在でもNotesの有用性は変わらないものの、Notes/Dominoのクライアント/サーバーシステムは急速に発展普及したWebに対応できなかった。またパソコン管理の中心がActive Directoryになる中、Notesと共存しているとユーザー管理などが二重になる。

 しかもNotes/Dominoは4年ごとのライセンス契約であり、システムに大きな変更がなくても契約更新時に利用状況に応じた費用が発生する。そこでライセンス切れを機会に、NotesからマイクロソフトのExchangeやMicrosoft Office SharePoint Server(MOSS)などに移行を検討するユーザーが出てきているのだ。

クエスト社のツールが可能にした全国一括移行

 A社が富士通ビー・エス・シーに提示した希望要件は、これまで使っていたNotesメールをExchangeでも利用可能とし、しかも全国のシステムを一括で切り替えるというものだった。またユーザー数は約8,000あることから当然、手組みによる作業は不可能だ。そこで本プロジェクトを担当した富士通ビー・エス・シーの佐藤明氏は移行のための製品を探し、A社の担当者の前で評価を行った。

 候補になったのはマイクロソフト自身が提供しているMicrosoft Transporter Suite for Lotus Dominoに含まれるメール移行のための「標準ツール」とクエスト・ソフトウェアのNotes Migrator for Exchangeだった。

事例:NotesからExchangeへの移行
事例:NotesからExchangeへの移行

 マイクロソフトのツールは無償であり、何よりExchangeサーバーのベンダーが提供している製品であることから最適かと思われたが、残念ながら途中で作業が中断してしまうなどうまく動作しなかった。しかも無償ゆえにツールを使用した作業に対する補償が無い。一方、Notes Migrator for Exchangeにおける評価作業は問題なく終了し、しかも作業速度が標準ツールよりも4倍以上速かった。

 佐藤氏は「性能の確かさに加え、パートナー契約を結ぶ前だったのにも係わらず、日曜日でも電話対応するなど、クエスト社のサポートがしっかりしていたことが採用の決め手になった」と語る。

 さらにデータの移行においては、作業が正確に行われたことを検証する必要がある。クエスト社のツールではメール1通ごとに移行成功、不成功を確認できるが、標準ツールではそこまでの詳細な検証ができない。さらに標準ツールは2009年11月発売のExchangeサーバー 2010に、2010年春時点で未対応などサポートのスピードにも不安がある。

 佐藤氏は「移行の規模が小さければ標準ツールで十分なケースもあるが、今回のプロジェクトではクエスト社のツールが必須だった」と振り返る。(次のページに続く


著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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